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松坂慶子、秋の叙勲で旭日小綬章「身に余る光栄」 少女の頃の初心と女優人生

松坂慶子、秋の叙勲で旭日小綬章「身に余る光栄」 少女の頃の初心と女優人生

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

政府が11月3日付で発表した2026年秋の叙勲で、俳優の松坂慶子(74)が旭日小綬章に選ばれた。松坂は受章にあたり「身に余る光栄」とのコメントを出し、仕事を始めた少女時代の初心を忘れずに精進していくと語った。日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を3度受けた、昭和から令和まで第一線に立つ俳優の受章だ。

秋の叙勲3861人、旭日小綬章に松坂慶子

政府は11月3日付で2026年秋の叙勲の受章者を発表した。受章者は旭日章895人、瑞宝章2966人の計3861人。俳優の松坂慶子(本名・高内慶子)は、バレエダンサーの川口ゆり子(本名・今村ゆり子)とともに旭日小綬章を受ける。

内閣府によると、旭日章は国や公共に対して功労のある人のうち、功績の内容に着目して顕著な功績を挙げた人に贈られる。最高位の旭日大綬章にはトヨタ自動車会長の豊田章男(70)、元厚生労働相の武見敬三(74)ら7人が選ばれた。芸術文化の分野では、染織作家の小宮康正(70)らが旭日小綬章を受ける。

受章者のうち女性は400人で、全体の10.4%を占める。民間人は1832人だった。大綬章は天皇陛下、重光章は高市早苗首相が、11月10日に皇居で授ける予定となっている。

旭日小綬章は旭日章6段階の4番目

旭日章は上から旭日大綬章、旭日重光章、旭日中綬章、旭日小綬章、旭日双光章、旭日単光章の6つに分かれる。松坂が受ける旭日小綬章は、上から4番目にあたる。

内閣府の説明では、大綬章は宮中で天皇陛下が直接授け、重光章は首相が宮中で伝達する。中綬章から下の勲章は、各府省の大臣などから伝達される仕組みだ。受章者は勲章を身につけ、配偶者とともに天皇陛下に拝謁する。

春秋の叙勲は、春が4月29日付、秋が11月3日付で毎年2回発令される。秋の発令日は文化の日にあたり、生存者への叙勲は1964年の春から続く。

松坂にとっては2度目の国の栄典になる。2009年に受けた紫綬褒章は、学術・スポーツ・芸術文化などの分野で優れた業績を挙げた人に贈られる褒章だ。褒章から17年を経て、今度は勲章を受けることになった。

コメントに込めた「少女の頃の初心」

叙勲の発表にあわせ、松坂はコメントを出した。受章を「身に余る光栄」と受け止めたうえで、「仕事を始めた少女の頃の初心を忘れずに」これからも精進していくと続けている。

指導し、支えてくれた一人ひとりへの感謝の言葉も添えた。

「少女の頃」とは、いつのことか。

松坂は小学2年でくるみ児童合唱団に入った。中学生の頃には劇団に入り、1967年にテレビ番組「忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ」で初めてテレビに出た。報道では14歳でのデビューと紹介されている。高校在学中の1969年には映画会社の大映にスカウトされ、映画「ある女子高校医の記録 続・妊娠」で本格的にスクリーンに登場する。コメントにある「仕事を始めた」頃は、この10代の日々にあたる。

それから半世紀あまり。74歳で受けた勲章のコメントに、松坂は「初心」という言葉を入れた。

大映から松竹へ、看板女優の道

10代で映画界に入った松坂の歩みは、決して平らではなかった。

大映の専属女優となり、1971年には映画「夜の診察室」で初めて主演を務めた。しかし同じ年の12月に大映が倒産する。1972年に松竹へ移ると、1973年のNHK大河ドラマ「国盗り物語」で演じた濃姫で広く知られるようになった。その後は映画への出演が相次ぎ、松竹を代表する女優へと上り詰める。

1979年にはTBS系のドラマ「水中花」に主演した。自ら歌った主題歌「愛の水中花」もヒットし、歌手としても注目を集めた。

1980年代に入ると、映画賞の常連になっていく。

日本アカデミー賞は最優秀主演女優賞3度

日本アカデミー賞では、最優秀主演女優賞を3度受けている。受賞作は次のとおりだ。

回対象作品賞
第5回青春の門/男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎最優秀主演女優賞
第6回蒲田行進曲/道頓堀川最優秀主演女優賞
第14回死の棘最優秀主演女優賞

第5回と第6回は2年連続の最優秀賞となった。「青春の門」では炭鉱の町で生きる主人公の継母を、「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」では大阪の芸者を演じている。つかこうへいの原作・脚本を深作欣二監督が映画にした「蒲田行進曲」は、叙勲を伝える報道でも代表作として名前が挙がった。

最優秀賞に届かなかった回でも、第4回、第8回、第10回、第12回で優秀主演女優賞に選ばれている。候補を発表する方式だった第2回と第3回にも名前が載った。第10回の対象作は「火宅の人」「波光きらめく果て」だ。日本アカデミー賞の公式サイトは、この回の松坂を、同賞の最多獲得記録を持つ実力派と紹介した。

1990年の「死の棘」では、全編ノーメイクで、夫の浮気を知って心を壊していく妻を演じた。日本アカデミー賞の公式サイトによると、最優秀賞の回と第2回・第3回を含めて、この第14回で優秀主演女優賞は9回目だった。第5回から第14回までの約10年で、3度の最優秀賞を手にしたことになる。

70代でも途切れない出演作

ベテランになってからも、出演作は毎年のように続く。

2023年12月公開の映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」は、1945年6月にタイムスリップした女子高生の百合(福原遥)と、特攻隊員の彰(水上恒司)の恋を描いた作品だ。松坂は、彰に連れられた百合が出会う軍の指定食堂の女将ツルを演じ、第47回日本アカデミー賞の優秀助演女優賞に選ばれた。

2026年8月7日には、続編で完結編の「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」が公開された。福原遥、伊藤健太郎ら前作のキャストが再び集まり、松坂も出演者に名を連ねている。2025年5月公開の映画「父と僕の終わらない歌」は、寺尾聰が16年ぶりに映画で主演し、松坂桃李と親子を演じた作品だ。小泉徳宏監督のもと、松坂慶子は寺尾が演じる父の妻・律子を演じ、佐藤浩市、ディーン・フジオカらも共演した。

テレビでも、2008年のNHK大河ドラマ「篤姫」や2018年の連続テレビ小説「まんぷく」など、世代を超えて知られる作品に出てきた。2025年にはNetflixのドラマ「阿修羅のごとく」、NHK総合のドラマ「シバのおきて~われら犬バカ編集部~」にも出演している。

映画、テレビ、舞台、歌と、活動の幅は広い。少女の頃に踏み出した一歩から、出演作の列は今も伸び続ける。

受章のコメントで松坂が触れたのは、仕事を始めた頃の気持ちと、支えてくれた人への感謝だった。74歳の女優人生は、次の作品へと続く。

[文/構成 by Webライター 真柴 ことね]

寄稿者

真柴 ことね
芸能ニュースや音楽、テレビ番組の話題を中心に書いているWebライター。ライター歴は11年。朝は情報番組をはしごするのが日課で、気になった話題はその日のうちに調べ始める。心がけているのは「公式発表を最初に読む」こと。所属事務所やレーベルの発表、番組の公式サイトまで確かめてから書く。ドラマは録画して週末にまとめて観る派。

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