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Sansan KBCオーガスタ、李尚熹が通算23アンダーで優勝 2位は細野勇策

Sansan KBCオーガスタ、李尚熹が通算23アンダーで優勝 2位は細野勇策

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李尚熹(34)が8月30日、Sansan KBCオーガスタ最終日に「65」をマークし、通算23アンダーで日本ツアー初優勝を果たした。2位は3打差の細野勇策、3位タイに香妻陣一朗と砂川公佑が続く。日本ツアー通算8度目の2位を経ての初優勝だった。

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最終日「65」、ボギーなしで押し切る

福岡県糸島市の芥屋ゴルフ倶楽部(7293ヤード、パー72)を舞台にした第53回Sansan KBCオーガスタは、8月30日に最終ラウンドを迎えた。50年を超える歴史を持つ九州の伝統大会でもある。賞金総額1億円、優勝賞金2000万円がかかる大会で最終日を単独首位で迎えたのは香妻陣一朗だったが、優勝を手にしたのは前日を2位で折り返していた李尚熹(34)だ。

前半9ホールは1番、6番、9番のバーディーでボギーなしの「33」にまとめ、後半も勢いを止めない。13番、14番と連続でバーディーを奪って優勝を強く意識すると、15番は苦しい状況から「運が良くて」バーディーを拾った。17番でもバーディーを重ね、最終的に7バーディー、ボギーなしの「65」でホールアウト。通算23アンダー、265(66-68-66-65)で、日本ツアー初優勝を手にした。

2位には細野勇策(23)=三共グループ=が3打差の通算20アンダーで入り、3位タイには香妻陣一朗(32)=フリー=と砂川公佑(28)=オークラ輸送機=が通算19アンダーで並んだ。5位は河本力(26)=大和証券=の通算18アンダー。晴天となった最終日には、8207人のギャラリーが詰めかけた。

8度目の2位からつかんだ14年目の初V

1992年4月20日生まれ、178cmの李は韓国体育大学を卒業後、2010年にプロ転向した。韓国ツアーでは2016年、2017年に2勝ずつを挙げ、通算4勝を記録している。2012年末に日本ツアーの予選会を首位で通過し、2013年から参戦を始めた李にとって、今大会は参戦14年目のシーズンだった。

日本ツアーでは、なかなか勝利をつかめない時期が続いた。2014年の日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishido Hillsでは、3位タイの3打差から最終日に猛チャージし、最終18番で首位タイに並んだが、2打罰を受けて優勝を逃している。今回の優勝までに通算8度の2位を数え、2020年、2021年は兵役のため試合を離れる期間もあった。2024年にシード権を取り戻すと、今季は着実に成績を積み上げている。

亡き父に誓ったトロフィー

李には2023年1月に他界した父の存在がある。19歳ごろまで競技生活に付きっきりでマネジャー兼キャディーを務めた人物で、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と謙虚さを説いたという。優勝したら必ずトロフィーを持って墓参りをする、そう誓っていた。

優勝が決まった瞬間は涙が出るかと思っていた、と李は明かした。だが実際には日本語のインタビューに答えなければならない緊張で、それどころではなかったという。表彰式後のスピーチは「100点満点中2点」と自己採点し、照れくさそうに笑った。「もっと日本語を勉強して、かっこよく優勝スピーチができるようになりたい」と、次の勝利への意欲がにじむ。

3打差に迫った細野、16番17番で失速

2位に終わった細野勇策(23)は、前日3日目に大会コース記録を2打更新する「61」をマークして最終日につなげていた。左手首の腱鞘炎をテーピングで抑えながらの出場だったが、痛みを感じさせないプレーを見せている。

最終日は1番でボギーを喫したものの、3番でバーディーを返すと5番から連続でスコアを伸ばし、15番までに通算6つスコアを伸ばした。首位の李との差を2打まで詰める場面もあったが、16番、17番と連続ボギーを喫し、逆転には至らない。細野は「苦手意識のあった大会だったので、それを払拭できたことはよかった」と振り返り、「2勝目、3勝目を挙げられるように頑張ります」と前を向いた。この結果、細野は年間ポイントランキング1位の座を守っている。

2日目に「64」をマークして首位に浮上した香妻陣一朗(32)は、3日目もリードを守り、単独首位で最終日に臨んでいた。2年ぶりとなる自身のツアー優勝を狙っていたが、序盤は5番、6番と連続バーディーを奪う好スタートを切ったものの、11番でティーショットをラフに打ち込み、痛恨のボギー。同組でプレーした李に少しずつ突き放される展開となった。「(スコアを)伸ばせなかった」と悔しさをにじませ、パットについても「微妙だった」と口にする。通算19アンダー、砂川公佑との3位タイで大会を終えた。

初優勝の李、次に見据える2勝目

第53回大会は8月27日に開幕し、4日間の戦いを経て60人が最終日のコースに立った。初優勝で手にしたタイトルは、李にとって日本ツアーでのシード権を大きく確かなものにした一勝でもある。

2位に食い込みながら涙をのんだ細野は、年間ポイントランキング首位を守ったまま次戦以降へ持ち越す。通算8度の2位という重い実績を経てつかんだ李の初優勝は、次なる2勝目、3勝目への弾みともなりそうだ。34歳が日本で過ごした14年越しに、亡き父との約束を果たした夏になった。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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