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高橋瑠伊、ボクシングデビュー戦で判定3-0の初勝利 空手インターハイ団体優勝の主将、慶應義塾大学空手部出身の経歴

高橋瑠伊、ボクシングデビュー戦で判定3-0の初勝利 空手インターハイ団体優勝の主将、慶應義塾大学空手部出身の経歴

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

元フィットネス女王の高橋瑠伊(31)=沖縄ワールドリング=が11月4日、東京・後楽園ホールでプロボクシングのデビュー戦に臨み、中国のレイ・マンリに判定3-0で勝った。採点は3人のジャッジがそろって39-37。御殿場西高等学校3年だった2013年に主将として空手のインターハイ女子団体組手で優勝し、慶應義塾大学でも空手部に所属した異色の経歴の持ち主で、29歳で始めたボクシングで初陣を白星で飾った。

女子ライト級4回戦、3者とも39-37の判定勝ち

舞台は「TREASURE BOXING PROMOTION 15」。TREASURE BOXING PROMOTIONが主催し、帝拳プロモーションとDANGANが共催した興行で、主催者が発表した開始時間は17時45分。女子ライト級(61.23キロ以下)4回戦は、この日の興行の第1試合に組まれた。高橋にとってはプロ初戦で、相手のマンリはプロ9戦1勝7敗1分のキャリアを持つ。経験の差がある相手だったが、4ラウンドを戦い切り、ジャッジ3人の採点はいずれも39-37で高橋を支持した。

前日の11月3日の計量では、高橋が60.1キロ、マンリが60.9キロで、ともにリミットをクリアしている。高橋は計量後、Xに「計量パスしました!明日は応援よろしくお願いします」と投稿し、本人のInstagramでは絞りすぎて60.1キロになったことを明かしていた。

デビューまでの道のりも平らではなかった。2026年2月にプロライセンスの取得を報告したあと、デビュー戦の相手がなかなか見つからず苦労していることを、高橋自身がSNSで明かしていた。マンリとの対戦は10月に発表され、主催者は11月の後楽園ホール2大会の対戦カードの中で「デビュー戦」として紹介している。

1ラウンドの接近戦に苦しみ、2回から立て直す

立ち上がりは楽ではなかった。1ラウンド、マンリが懐へ入り込んで上下に連打を集め、サウスポーの高橋は接近戦で押し込まれてクリンチを繰り返す。バックステップで距離を取り、飛び込んでのフックや離れ際の左で反撃したものの、主導権を握るまでには至らなかった。

流れが変わったのは2ラウンド以降だ。高橋は相手の出方に対応し、踏み込んでの右フックや、マンリの打ち終わりを狙った左が当たり始める。高橋の左でマンリがスリップ気味に倒れる場面もあった。終盤はロングのフックを何度もヒットさせたが、マンリもタフさを見せて最後まで手を出し続け、試合は判定に持ち込まれた。

試合後、高橋は「1ラウンド目は接近戦の圧がすごくて、女性でこんなに来るんだってびっくりしました」と初回を振り返り、「2、3、4ラウンドで立て直して、後半は自分のペースで戦えてよかった」と話した。

3歳で空手、御殿場西高校でインターハイ団体優勝

高橋は旧姓を宮澤という。空手を始めたのは3歳。静岡県の御殿場西高等学校では空手道部で女子主将を務め、3年生だった2013年8月、長崎県佐世保市で開かれたインターハイの女子団体組手で優勝した。強豪の帝京(東京)との決勝は1勝1敗2分けで大将戦にもつれ込み、大将の宮澤が4-2で勝って、同校に16年ぶり2度目の優勝をもたらした。同校の空手道部は全国高校総体の女子団体組手で通算9度の優勝を誇る強豪で、2026年8月の大会でも頂点に立っている。

進学先の慶應義塾大学でも空手部に所属し、2015年の関東体重別選手権では女子組手61キロ級で準優勝した。大学卒業後はフィットネス業界に進み、2021年に独立して起業。2022年にはFWJ「PAN PACIFIC OKINAWA OPEN」のビキニノービス部門で優勝した。ボクシングの試合前後の報道で「元フィットネス女王」と紹介されるのは、この実績があるためだ。

鍛え上げた上半身から、SNSでは「大胸筋ちゃん」の愛称で知られる。Xのフォロワーは11月5日時点で約4万人。ボクシングへの挑戦には、SNSで体つきや笑顔をほめるコメントや、「後悔しないように、楽しんできてください!!」といった応援が寄せられている。プロフィールでは身長を170センチとしている。現在は沖縄でジムを経営しており、Xのプロフィールには沖縄県のジム「MEGA GYM」のオーナーと記している。

29歳でボクシングへ、パワーリフティングから練習を一新

ボクシングを始めたのは29歳のときだった。30歳でプロとなり、2026年2月にプロライセンスの取得を報告した。空手とボクシングを組み合わせたスタイルを見せたいと、デビュー前から語っていた。

この日の試合では、スピードのあるフックが何度も当たった。高速パンチについて、高橋は「スピードはやっぱり筋肉の賜物だから」と答えている。

その筋肉の使い方は、プロを目指した時点で大きく変えた。高橋は「8年ぐらいパワーリフティングをやっていて、重いものを一発持ち上げることをしていました。でもプロボクサーになると決めて、トレーニングを全部変えました」と明かす。筋肉を大きくする鍛え方から、ジャンプなど瞬発力を高めるメニューに切り替えたという。プロを目指してからの日々を、高橋は「今持っている筋肉をどうパンチに込めるか、そこにフォーカスした1年半でした」とまとめた。

メインは谷口将隆の6回KO勝ち、高橋の次戦は年明けから春を希望

同じ興行のメインイベントでは、元WBO世界ミニマム級王者の谷口将隆=ワタナベ=がライトフライ級8回戦でフィリピンのエルソン・トリニダードと対戦した。4月に後楽園ホールでレネ・サンティアゴの持つ世界王座に挑み、12回判定で敗れて以来の再起戦で、谷口は6回、左ボディーストレートから返しの右フックを効かせ、続けて左ボディーストレートを突き刺してトリニダードを沈め、1分8秒にKO勝ちを収めている。この日の観衆は621人だった。

ほかのカードでは、セミファイナルのライト級8回戦で本多俊介=E&Jカシアス=が柳堀隆吾=花形=に8回TKO勝ち。もう1つのライト級8回戦は英豪が加藤レイズ亜礼史=関門JAPAN=を5回TKOで下した。60キロ契約8回戦では、鈴木稔弘=角海老宝石=がフィリピンのジェイソン・カノイに判定3-0(78-73が2者、77-74が1者)で勝っている。

関連記事:谷口将隆、再起戦の前日計量を48.8キロでパス 11月4日後楽園でトリニダード戦、目標は2階級制覇

第1試合で勝ち名乗りを受けた高橋は、自身の伸びしろについて「まだまだ伸びしろはあると思っています。次にリングに戻ってきた時に、前回と別人だねって言われるぐらい成長したい」と語った。次の試合は年明けから春ごろを希望しているという。

空手、フィットネス、パワーリフティングと競技を渡り歩き、31歳でプロボクサーとして初勝利を挙げた高橋。次は2戦目のリングを目指す。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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