東京国際映画祭2026の結果、成田凌が『男ともだち』で最優秀男優賞 グランプリほか受賞一覧

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第39回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが11月4日、東京・有楽町のヒューリックホール東京で開かれ、コンペティション部門の最優秀男優賞に『男ともだち』(三島有紀子監督)の成田凌(32)が選ばれた。最高賞の東京グランプリ/東京都知事賞は、北マケドニアなどの合作『妹兄(きょうだい)とマンホールの蓋』が受けている。日本人俳優の同賞受賞は、2024年の長塚京三以来2年ぶりだ。
コンペ15作品の頂点は北マケドニアの『妹兄とマンホールの蓋』
10月26日に開幕した映画祭は、10日間の会期を終えて11月4日に閉幕した。コンペティション部門は2026年1月以降に完成した長編映画が対象で、112の国と地域から1892本の応募があった。そこから選ばれた15作品を、ロルフ・デ・ヒーア監督が委員長を務める国際審査委員会が審査している。
審査委員はデ・ヒーアのほか、プロデューサーのアレックス・ローとオ・ジョンワン、俳優の渡辺真起子、カラリストのヨブ・ムーアの計5人。デ・ヒーアは総評で、すべての賞を審査委員全員で選べたことを明かした。
映画祭が発表したコンペティション部門の受賞結果は次のとおり。
| 賞 | 受賞作品・受賞者 | 製作国 |
|---|---|---|
| 東京グランプリ/ | 『妹兄とマンホールの蓋』 | 北マケドニア/ |
| 審査員特別賞 | 『魔法の星図』 | シンガポール |
| 最優秀監督賞 | リサンドロ・ | チリ/ |
| 最優秀女優賞 | フー・ | フランス/ |
| 最優秀男優賞 | 成田凌 | 日本 |
| 最優秀芸術貢献賞 | 『今日が終わるまで』 | セルビア/ |
| 観客賞 | 『ヘイゼル85』 | ベルギー/ |
グランプリの『妹兄とマンホールの蓋』は、北マケドニアの首都スコピエの周縁部で暮らす兄妹の物語だ。2人は銅製の胸像やマンホールの蓋を盗んでスクラップとして売り、生計を立てている。ある日、盗んだ国家的英雄の胸像が兄の足に落ちて大けがを負い、そこから2人は社会の底辺をさまよう。
授賞式を欠席したマンチェフスキ監督は動画でメッセージを寄せ、東京国際映画祭を世界で一番好きな映画祭のひとつと呼んだ。受賞については、実現しないかもしれなかった風変わりな映画への「ささやかな名誉回復」と表現している。デ・ヒーア委員長は講評で、ユーモアと悲劇、ドラマを織り合わせた点や登場人物への温かなまなざしを挙げ、「感動的でありながら遊び心にも満ちた、複雑でありながら整合性のある作品」と評価した。
開幕日のレッドカーペットでは、マンチェフスキ監督がマンホールの蓋を高く掲げて注目を集めていた。この日の日比谷は雨。松岡茉優と三島監督も、降りしきる雨の中でレッドカーペットを歩いている。
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審査員特別賞の『魔法の星図』は、コンペティション部門に選ばれた初めてのアニメーション作品で、同部門でアニメーションが賞を受けたのもこれが初めてとなった。スン・シュン監督は、完成までに10年かかったと語っている。
成田凌は欠席、代理の三島監督が明かした「雪、降れ」
最優秀男優賞のプレゼンターは、審査委員の渡辺真起子が務めた。渡辺は成田が演じたハセオを、主人公の痛みを静かな友情をもって見つめ続ける役と説明し、その絶妙な距離感を「身体性を伴って表現されました」と講評。物語の外からも映画の歩みを同じように見守っていた、とも付け加えた。
成田はセレモニーに出席できず、壇上には三島監督が代わりに立ってトロフィーを受け取った。監督は「この光景を成田凌さんに見せたい」と切り出し、成田を沈黙の中に、身体性の中に、言葉の裏に感情を宿せる俳優だとたたえている。
続けて明かしたのが、撮影中のエピソードだ。どうしても雪がほしい日に降らず、三島監督が空を見上げてつぶやいていると、隣の成田が空に向かって「雪、降れ」と声をかけた。すると本当に雪が降ったという。三島監督は、映画を、そして現場を豊かにする力がある俳優だと続けた。
成田本人は文書でコメントを出した。賞への礼を述べたうえで「喜びはもちろんですが、圧倒的に勝っているのは感謝の気持ち」とつづり、受賞は三島監督をはじめスタッフ、キャストのおかげだと記している。
撮影については、原作と脚本、ロケーションに恵まれた日々だったと回想し、「自分が頑張ったと言えるのは、関西弁くらいかもしれません」と控えめに書いた。印象に残っているのは、クランクアップの日に監督がぽつりと漏らした「ああ、もうハセオとは会えへんのや」という一言だという。「映画を観終わった方にも、そんなふうに思っていただけるハセオであったなら嬉しいです」。コメントは作品に関わった全員への感謝で締めくくられている。
日本人の最優秀男優賞は長塚京三以来2年ぶり
日本からコンペティション部門に選ばれたのは、山本英監督の『過怠』、池田暁監督の『妖怪、化物をひろう』、そして『男ともだち』の3本だった。このうち賞を手にしたのは成田だけ。
日本人俳優の最優秀男優賞は、2024年の第37回で『敵』(吉田大八監督)に主演した長塚京三が受けて以来となる。この年の『敵』は東京グランプリと最優秀監督賞もあわせて受け、3冠に輝いた。2025年の第38回では『春の木』のワン・チュアンジュンが同賞を受けており、日本人の受賞は1年空いて再びめぐってきた。
成田にとっては、この賞を受けるのは自身初めて。これまでに片山慎三監督の『雨の中の慾情』などで主演を務め、2026年2月には主演映画『#拡散』が公開された。『男ともだち』では主演の松岡を支える側に回り、その演技で国際映画祭の賞を手にした。
日本映画では、今年からコンペティション形式になったNippon Cinema Now部門で『シルバー・エクスプレス』(田中未来監督)が作品賞、『いえないふたり』(まつむらしんご監督)が審査委員特別賞を受けた。同部門の審査委員は、作品賞の『シルバー・エクスプレス』が審査委員全員の一致で推された作品だったと明かしている。
ほかの部門の受賞は次のとおり。
| 部門・賞 | 受賞作品・受賞者 | 製作国 |
|---|---|---|
| アジアの未来 作品賞 | 『シェリフェ』 | スイス/ |
| アジアの未来 スペシャルメンション | 『12月のジャニ』 | インドネシア |
| Nippon | 『シルバー・ | 日本 |
| Nippon | 『いえないふたり』 | 日本 |
| アジア学生映画コンファレンス 作品賞 | 『太陽の下を駆け抜けて』 | ベトナム |
| アジア学生映画コンファレンス 審査委員特別賞 | 『すべて順調』 | シンガポール、 |
| 東京国際映画祭 | 『夢から覚めることはそうない』 | ドイツ/ |
| 黒澤明賞 | 呉美保監督、 | ― |
| グローバル・ | ビル・ | ― |
『男ともだち』は11月6日公開 千早茜の小説を初映像化
『男ともだち』の原作は、『しろがねの葉』で第168回直木賞を受けた千早茜が2014年に発表した同名小説(文春文庫)。第151回直木賞の候補作にも選ばれ、新井賞を受けたロングセラーで、千早作品が映像化されるのはこれが初めてだ。脚本は澤井香織が書き、三島監督にとっては11本目の監督作にあたる。
主人公は京都で暮らす29歳のイラストレーター、神名(松岡茉優)。絵本で賞を取ったのは何年も前で、最近は無理なクライアントワークに神経をすり減らし、同棲中の恋人・彰人(井上祐貴)とはすれ違い、妻子ある医師・真司(中島歩)との関係にも逃げている。そんな神名に、大学の映画サークルで出会った先輩ハセオ(成田凌)から電話が入り、2人は7年ぶりに再会する。
ハセオは富山で働き、エセ関西弁で話す男。京都、富山、広島で過ごす3つの夜が、神名の人生を動かしていく。成田が「頑張った」と挙げた関西弁は、このハセオの話し方のことだ。松岡と成田の共演も、劇中の2人と同じく7年ぶりとなる。
共演は咲妃みゆ、三浦貴大、余貴美子、池畑慎之介ら。配給はハピネットファントム・スタジオで、11月6日から新宿ピカデリーほか全国の映画館で公開される。受賞のニュースは、公開のわずか2日前に届いた。
映画祭は来年、第40回の節目を迎える。久松猛朗フェスティバル・ディレクターは閉会のあいさつで、国内外からより多くのゲストを迎え、多様で華やかな映画祭にしたいと語った。
[文/構成 by Webライター 榊原 透]







































































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