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林兼士、デビュー3連勝で東日本新人王 ミニマム級決勝で3回にダウンを奪い判定勝ち

林兼士、デビュー3連勝で東日本新人王 ミニマム級決勝で3回にダウンを奪い判定勝ち

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

プロボクシングの第83回東日本新人王決勝戦が11月3日、東京・後楽園ホールであり、ミニマム級は林兼士(19)=大橋=が関純輝(25)=角海老宝石=に3-0の判定で勝った。3回に左フックでダウンを奪い、ジャッジ3人がそろって50-44をつける完勝。デビューから3戦全勝で東日本の新人王となり、12月19日の全日本新人王決定戦へ進む。

第1試合の5回戦、3回の左フックで流れをつかむ

ミニマム級(47.6キロ以下)の決勝は、全11試合が組まれたこの日の第1試合だった。新人王戦はデビューから間もない若手が階級ごとに争うトーナメントで、東日本の決勝は全試合が5回戦で行われる。

サウスポーの林は守りでリズムをつくり、初回に左ストレートで関のバランスを崩した。2回も右ジャブと上下に打ち分ける左ストレートで関を振り回し、主導権を渡さない。

勝負が動いたのは3回だった。関が連打で反撃に出た場面で、林は冷静に左フックを合わせてダウンを奪う。関は最後まであきらめなかったが林を崩すことはできず、勝負は判定に委ねられた。

採点はジャッジ3人とも50-44。5ラウンドすべてを林が取り、ダウンを奪った3回は10-8になる計算で、3人の採点は1点もぶれなかった。デビューから2戦続けてきたKO勝ちは途切れたものの、内容は一方的だった。戦績は林が3戦全勝(2KO)、関が3勝2敗となった。

関は9月17日の準決勝で本田優貴(八王子中屋)に判定で勝ち、決勝へ駒を進めていた。林にとっては、初めて5ラウンドを戦い抜いた試合になる。

関連記事:東日本新人王決勝戦、11月3日に後楽園ホールで当日券を販売 11階級の決勝カードとU-NEXT配信

試合後は内容に厳しい評価、武居由樹からは「全然良かったよ」

勝った直後でも、林の自己評価は辛かった。試合後の取材では、勝てたことはよかったが、試合の中身は全然だめだったと語っている。前日の計量後には、タイミングが合えば倒したいが、まずは勝つことを意識すると話していた19歳。その言葉どおり白星はつかんだが、本人の採点は厳しい。

ダウンを奪った左には、林のルーツが表れていた。この日の左フックは遠い間合いから踏み込んで打つ一発で、同じ大橋ジムに所属する前WBO世界バンタム級王者・武居由樹(30)の得意な打ち方とよく似ていた。試合中には踏み込んで打つよう求める声が届き、林はそれに反応して左を放ったという。

林は、武居のボクシングをずっと見てきたので、それが体に染みついているのだと話した。リングサイドで見守った武居からは試合後、「全然良かったよ」と声をかけられている。武居について林は、強さに加えて、優しく気遣いのできる人柄にひかれていると明かした。

キックボクシングから転向、武居の背中を追う19歳

林は大阪市の出身。小学生のころ、武居がかつて所属していた東京都足立区のキックボクシングジム「パワー・オブ・ドリーム」でキックを始めた。武居は元K-1スーパーバンタム級王者で、2021年にボクシングへ転向している。

その2021年、中学2年だった林もボクシングを始めた。パンチには自信があり、体が小さいためキックでは階級の面で難しいと考えたという。同じサウスポーの武居を兄貴分として慕い、その後を追って大橋ジムでボクシングに打ち込んできた。

プロデビューは2026年4月13日、東日本新人王トーナメントの初戦だった。この試合を2回TKOで飾ると、9月18日の準決勝では大畑連汰(リングサイド)と対戦する。2回からボディーを攻め、動きの落ちた最終4回に左フックでダウンを奪い、レフェリーがカウントを取らずに止めた。4回1分56秒のTKO勝ちで、決勝の切符を手にした。

4月のデビューから約7か月。キック時代から追いかけてきた武居と同じジムで、林は最初のタイトルを手に入れた。

MVPは小林蓮、技能賞は磯谷広太 東日本新人王12階級の結果

大会には1840人の観衆が入った。全試合が終わった後に選ばれる三賞は、最優秀選手賞(MVP)がスーパーバンタム級で西本剛(角海老宝石)を初回TKOで下した小林蓮(RK蒲田)、技能賞がスーパーライト級の磯谷広太(三迫)、敢闘賞がスーパーフライ級の佐藤竜冴(横浜光)に決まった。小林はこの勝利で5勝5KO2敗とし、高森悠叶(大橋)を2回TKOで下した佐藤は6勝1分けで、白星をすべてKOで重ねている。

12階級の結果は次のとおり。ライトフライ級は當山楓真(ワタナベ)の棄権で試合がなく、児島義輝の優勝が先に決まっていた。

階級優勝(勝者)決着敗者
ミニマム級林兼士(大橋)判定3-0(50-44×3)関純輝(角海老宝石)
ライトフライ級児島義輝(角海老宝石)不戦當山楓真(ワタナベ)
フライ級栁田優希(湘南龍拳)判定3-0井野慶信(スターロード)
スーパーフライ級佐藤竜冴(横浜光)2回TKO高森悠叶(大橋)
バンタム級布元寿弥(角海老宝石)判定3-0江崎由(横浜光)
スーパーバンタム級小林蓮(RK蒲田)1回TKO西本剛(角海老宝石)
フェザー級福山弘樹(協栄)判定3-0一寿希ケケ(本多)
スーパーフェザー級蛯名創魅(DANGAN郡山)判定2-1尾上剣清(ワールドスポーツ)
ライト級松永敦朗(パンチアウト)2回TKO地家直弥(ワタナベ)
スーパーライト級磯谷広太(三迫)判定3-0(50-44×3)竹内凰騎(T&T)
ウェルター級カドカ・ダルシャン(RK蒲田)4回TKO杉本鉄尚(本多)
ミドル級筒井ちび太(パンチアウト)5回TKO岡村弥徳(八王子中屋)

林と同じ50-44のフルマークで勝ったのが、元世界王者・輪島功一の孫として知られる磯谷だった。2回に左ストレートでダウンを奪い、2025年の決勝で1-2の判定負けを喫した舞台で雪辱を果たしている。

11試合のうち、KO・TKOで決着したのは5試合だった。ウェルター級のカドカ・ダルシャン(RK蒲田)は2025年の決勝で石井竜虎(渡嘉敷)に初回TKOで敗れており、杉本鉄尚から2度のダウンを奪う4回TKOで1年越しの優勝を決めた。

関連記事:東日本新人王決勝の前日計量、輪島功一の孫・磯谷広太が63.3キロでクリア 2度目の決勝でトロフィー狙う

全日本新人王は12月19日、相手は小原徳武と内野々叶真の勝者

11月3日の優勝者は東軍代表として、12月19日に後楽園ホールで行われる全日本新人王決定戦に臨む。相手は、西日本・中日本・西部日本の各地区を勝ち上がった選手が争う「西軍代表決定戦」の勝者だ。

ミニマム級の西軍代表は、小原徳武(JM加古川)と内野々叶真(Gloving)の一戦で決まる。小原は9月13日の西日本新人王決勝で北村三稀(ヨシヤマ)に2-1の判定で勝った。内野々は9月20日、福岡県上毛町で行われた西部日本と中日本の対抗戦で大久保颯(とよはし)と引き分け、新人王戦の規定で勝者扱いとなって勝ち上がっている。

西軍代表決定戦は11月7日、大阪府堺市の堺市産業振興センターで行われる予定だ。林の相手が決まるのは、東日本決勝から4日後になる。

ミニマム級の全日本新人王は、前年も接戦だった。2025年12月20日の第72回全日本新人王決定戦では、東日本代表の京屋勇気(ワタナベ)が辻永久(KWORLD3)に2-1の判定で競り勝っている。京屋はその年の東日本決勝を不戦勝で通過し、勝ち上がった先の全日本で1ポイント差の勝負を制した。

大橋ジムにとっても、全日本は簡単な舞台ではない。2025年はスーパーフライ級で東日本を制した布袋聖侑(大橋)が、全日本で松尾タンク拓海(真正)に0-3の判定で敗れた。林は同門の先輩が届かなかった全国の頂点に挑む。

林は全日本の決勝に向け、西軍代表として勝ち上がってくる相手を倒すと宣言した。途切れたKO勝ちを、全国一を決めるリングで取り戻せるか。12月19日、後楽園ホールで答えが出る。

[文/構成 by MediaDogs編集部]

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MediaDogs編集部
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