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GMOお名前.comのFX用サーバーに不正アクセス、口座で身に覚えのない売買の訴え相次ぐ

GMOお名前.comのFX用サーバーに不正アクセス、口座で身に覚えのない売買の訴え相次ぐ

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GMOインターネットのFX自動売買向けサーバー「お名前.com デスクトップクラウド」が不正アクセスを受け、全プランが停止した。取引ツールに保存された口座のログイン情報などが悪用された可能性があり、勝手な売買で資金が減ったという訴えが相次ぐ。被害の規模や、不正な取引で生じた損失を補償するかどうか、再開時期は10月24日時点で示されていない。

FX自動売買用のサーバー、影響の可能性は2万6739件

お名前.com デスクトップクラウドは、GMOインターネットが運営するWindowsの仮想サーバー(VPS)だ。自宅のパソコンを24時間つけっぱなしにしなくても、MT4やMT5といった取引ツールをネット上のサーバーで動かし続けられるため、FXの自動売買をする個人投資家に使われてきた。利用者はこのサーバーに取引ツールを入れ、それぞれが口座を持つFX会社へ接続して売買する。

同社によると、10月20日に一部の顧客のサーバー環境で、第三者による不正なプログラムの設置を確認し、同じ日に新規の申し込みとコントロールパネルへのログインを止めた。翌21日の午前4時からは全プランのサーバーを順次停止している。サービスの再開時期は未定のままだ。

影響を受けた可能性があるサーバーは2万6739件にのぼる。ただし同社はこの数字を「対象となり得るサーバー数」と位置づけ、不正アクセスや情報の取得が確認された件数ではないと明記した。被害に遭った人の数とは別物になる。

取られた可能性がある情報として、同社はサーバー内の取引ツールに保存されていた取引口座のログイン情報などを挙げる。クレジットカードを含む決済情報は、サーバー上に持っていないという。一方で、利用者が自分でサーバー内に保存したパスワードなどは影響の範囲に入るとしており、個別に取られたかどうかの調査が続く。

悪用の確認なしから一転、不正利用の可能性へ

発端は10月19日、利用者からの問い合わせだった。調査を始めた翌日に不正なプログラムが見つかり、21日未明の第1報では、個人情報の漏えいや悪用は現時点で確認されていないと説明していた。

だが、状況は第1報の後に変わる。21日以降、利用者から取引口座で第三者による不正な操作があったという報告が届き始め、同社は関係する事業者と状況を共有した。22日には警察に相談し、同日夕方の第2報で、ログイン情報などが取得され不正に利用された可能性に初めて触れている。

23日夕方の第3報でも、第2報に続いて外部のセキュリティ専門会社とともに侵入経路と影響範囲を調べていると説明し、利用者が取るべき対策を改めて詳しく案内した。

日時(日本時間)主な出来事
10月19日利用者の問い合わせを受け、GMOインターネットが調査を開始
10月20日不正なプログラムの設置を確認。新規申し込みとコントロールパネルを停止
10月21日午前4時全プランのサーバーを順次停止し、第1報を掲載
10月21日以降利用者から取引口座の不正操作の報告が届き始める
10月22日警察に相談。午後4時59分時点の第2報で不正利用の可能性に言及
10月23日午後4時10分時点の第3報で、調査の継続と追加の対策を案内

FX会社の側も動いた。Titan FXは22日、デスクトップクラウドでMT4やMT5を動かしている顧客に、パスワードの変更と取引履歴の確認を求めた。報道によると、OANDA証券やAIゴールド証券も同じ日に注意を呼びかけ、金融庁は金融先物取引業協会を通じてFX事業者に、利用者への注意喚起と不審な取引の監視の徹底を求めたという。

数秒で続いた売買、430万円余りが6千円台に

これまでに報じられた訴えは、口座からお金を引き出されたというものではない。自分のFX口座で身に覚えのない売買が短時間に繰り返され、資金が大きく減ったという内容だ。外部への不正な出金を確かめた情報は、これまでの公式発表や報道には出ていない。

報道によると、ある会社員の男性は10月21日午後4時22分ごろ、自動売買の設定とは違う取引が数秒のうちに続き、400万円を超える損失が出たと話す。取引はその後も2分近く止まらず、損失は600万円を超えたという。

別の会社員の女性は、22日の午前5時前から意図しない取引が短時間に何度も行われ、430万円余りあった資金が残高6千円台まで減ったと訴えた。

SNSでも、数十万円から数百万円を失ったとする投稿が相次いだ。被害額は利用者の申告で、報道によるとGMOインターネットは被害の金額について、確認できるものはなく詳細は調査中だと説明している。

被害を訴える利用者の一部には、「ハッキングチーム」を名乗る日本語のメールが届いたとも報じられた。犯行をほのめかす内容だが、差出人の正体も、書かれた主張が本当かどうかも分かっていない。

別の端末からパスワード変更、セッションの切断も

GMOインターネットは、デスクトップクラウドを使っていた人に向けて具体的な対策を挙げている。最初に求めるのは、取引口座と取引ツールのパスワードの変更だ。その際は、サーバーやFX取引に使っていない別の端末から手続きするよう呼びかける。

パスワードを変えても、すでにログインしている状態(セッション)が一定期間続く事業者もある。第3報はこの点に触れ、取引先のFX会社へ依頼することも含めて、すべてのセッションを切断するよう求めた。あわせて取引履歴と残高を確かめ、身に覚えのない取引があればFX会社へ連絡する。二段階認証の設定や、サーバー内やブラウザに保存していたパスワード、ほかのサービスで使い回しているパスワードの変更も、同社が並べる対策だ。

便乗した詐欺にも気をつけたい。同社は不審なメールやメッセージにあるリンクやファイルを開かず、返信もしないよう呼びかけ、手元の端末のウイルススキャンも勧める。メールや電話でパスワードやカード情報を尋ねることはないとしており、案内が本物かどうか迷ったときは、GMOインターネットグループの公式サイトに掲載された第3報で窓口と手順を確かめられる。問い合わせの電話番号は03-5456-2560で、土日・祝日を含めて24時間受け付けている。

デスクトップクラウドの公式Xアカウントも23日、第3報に合わせて同じ対策を投稿した。

補償・原因・再開の見通しはまだ示されていない

10月24日時点で確認できる最新の公式発表は、23日午後4時10分時点の第3報と、同日公表した適時開示だ。不正な取引で生じた損失を補償するかどうかは、どちらにも書かれていない。適時開示では、業績への影響も精査中としている。侵入経路は調査中で特定されておらず、被害を受けた人の数や損失の総額も公表されていない。サービスを再び動かす時期も未定とされる。

利用者が最も知りたいのは、減った資金がどうなるかだろう。損失が出た口座は、利用者がそれぞれ選んだFX会社にある。ただ、GMOインターネットの発表にも、注意を呼びかけたFX会社の案内や報道にも、損失を補償するかどうかの方針はまだ見当たらない。

取引ツールを動かすサーバーという、利用者からは見えにくい場所で不正アクセスが起き、その後、FX口座で身に覚えのない売買をされたという訴えが相次いでいる。両者のつながりも含めて全体像が見えてくるのは、外部の専門会社による調査の結果が公表されてからになる。

[文/構成 by MediaDogs編集部]

寄稿者

MediaDogs編集部
メディアドッグス株式会社のMediaDogs編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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