TikTokが米司法省と4億ドルで和解 3億ドルを即時支払い、残る1億ドルの条件を整理

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米司法省は8月21日、TikTokと親会社ByteDanceが児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反したとする訴訟で、総額4億ドル(約636億円)の和解に達したと発表した。3億ドルは即時支払い、残る1億ドルは前身企業ミュージカリーへの同意命令取り消し後の支払いとなる。同種事案としては過去最大級の規模だ。
3億ドル即時払い、残り1億ドルの条件
米司法省が動画共有アプリTikTokと中国の親会社ByteDanceから引き出した和解金は、総額4億ドル(約636億円)にのぼる。児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)への違反が争点だった訴訟で、支払いは二段階に分かれる仕組みだ。即時に支払うのは3億ドル。残る1億ドルは、TikTokの前身にあたる動画アプリ「Musical.ly(ミュージカリー)」に科されていた2019年の同意命令を、裁判所が正式に取り消した後に支払われる。
米司法省はこの和解について、COPPA関連の事案として過去最大級の回収になるとしている。
発端は2019年の巨額罰金だった
COPPAの執行は連邦取引委員会(FTC)が所管するが、提訴や民事制裁金の請求そのものは司法省(DOJ)が担う仕組みだ。今回もFTCが違反を認定し、DOJが裁判所へ持ち込む形で進んだ。
TikTokの前身であるMusical.lyは2014年に設立された動画アプリだった。2017年11月にByteDanceが買収し、2018年8月にTikTokへと統合される。FTCは2019年2月27日、Musical.lyが13歳未満の子どもから保護者の同意なく個人情報を集めていたとしてDOJへ提訴を委ねた。同年3月27日には570万ドルの罰金を含む同意命令が結ばれ、当時のCOPPA関連としては過去最高額という金額だった。
だが、統合後のTikTok本体でも同じ問題が繰り返される。米司法省は2024年8月2日、バイデン政権下でTikTokとByteDanceを改めて提訴した。訴状が指摘したのは、13歳未満の子どもが保護者の同意なくアカウントを作成できる状態を放置していたこと。低年齢利用者向けの「Kids Mode(キッズモード)」を使った子どもからも、データを不適切に収集していたとされる。保護者から届いた削除の申し出にも応じず、子どもだと把握していながらアカウントを残していたケースもあったという。対象となった子どもの数は、数百万人規模だったという。
司法次官「大きな勝利」の真意
米司法省でナンバー3にあたるスタンリー・ウッドワード司法次官は、声明で「この和解はアメリカの子どもたちと保護者にとって大きな勝利だ」と述べた。子どもがオンラインで守られること、そして個人情報を託された企業が法的な義務を果たすこと。ウッドワード氏はこの2点を司法省の最優先事項だと位置づけたうえで、「今回の解決は、家族が当然期待し、受けるに値する保護を高めながら、相応の回収を確保するものだ」と結んだ。
今回の4億ドルという金額は、COPPA関連の制裁の中でも最大規模の部類に入る。フォートナイトを手がけるEpic Gamesは2022年、児童のデータ収集などをめぐってFTCと合計5億2000万ドルで和解しており、うちCOPPA部分の制裁金は2億7500万ドルだった。2019年にはGoogleと動画サービスYouTubeが1億7000万ドルで和解している。米ディズニーも2025年、児童向け動画の年齢区分の表示をめぐって1000万ドルでFTCと和解しており、今回のTikTokの和解額はこれらの水準をいずれも上回る規模だ。
TikTok側は不正認めず、対策を強調
今回の和解にTikTok側とByteDance側が不正を認める条項は含まれていない。米国事業を担う合弁会社は、利用開始時に全ユーザーへ生年月日の入力を求めているほか、年齢を偽った13歳未満の利用者を見つけ出す仕組みを整えていると説明する。未成年者向けの審査を専門に担当するスタッフを多数配置し、13歳未満と判明したアカウントを日常的に削除しているという。
2024年の提訴以降、TikTokは出資構成や経営体制、コンプライアンス体制を大きく見直してきた。子ども向けの保護機能や年齢確認の仕組み、保護者による見守り機能の拡充も進めたとされる。もっとも、これらの対策が実際にどこまで機能しているかは、今回の和解条項そのものからは読み取れない。
残る同意命令の行方と、世界に広がる規制
残る1億ドルの支払いには、まだ条件が付いている。前身のMusical.lyに科されていた2019年の同意命令を、裁判所が正式に取り消すことが前提となる。取り消しの時期は今のところ未定だ。
子どものオンライン利用をめぐる規制の動きは、米国だけにとどまらない。オーストラリアでは2025年12月、16歳未満のSNS利用を原則禁止する法律が施行された。インドネシアでも2026年3月、マレーシアでも2026年1月(本格運用は同年6月)に、それぞれ未成年のSNS利用を制限する規制が施行済みだ。欧州連合(EU)でも子ども向けのプラットフォーム規制をめぐる議論が続く。
子どものデータをどう扱うか。各国の規制当局が、この一点に神経をとがらせている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]




































































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