「飛鳥・藤原の宮都」世界文化遺産に登録決定 構成19資産の全リストと、提案から20年かかった歩みを整理

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奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」が7月26日、韓国・釜山で開かれている第48回ユネスコ世界遺産委員会で世界文化遺産への登録が決まった。構成資産は明日香村・橿原市・桜井市に点在する19件。国内の世界遺産は27件目、奈良県内では4件目となり、都道府県別では最多となる。
釜山の委員会で26日午前に決定
地元が国に暫定一覧表への記載を提案したのは2006年で、そこから20年を経ての決定となった。何が評価され、どの遺跡が対象になったのか、そして登録までになぜこれだけの時間がかかったのかを、公表資料をもとに整理する。
第48回世界遺産委員会は7月19日から29日まで、韓国・釜山で開かれている。韓国が世界遺産委員会の開催地となるのは今回が初めてで、その会期中の26日、日本が推薦していた「飛鳥・藤原の宮都」が審議にかけられた。
日本時間の26日午前10時45分すぎ、審議の結果として世界文化遺産への登録が正式に決まった。奈良県などでつくる世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会は、橿原市の橿原文化会館で審議の様子を中継するパブリックビューイングを開催しており、決定の瞬間、会場は大きな歓声に包まれた。
今回の登録により、日本国内の世界遺産は文化遺産22件、自然遺産5件の計27件となった。
構成資産は19件 3市村にまたがる
文化庁の公表資料によると、「飛鳥・藤原の宮都」の構成資産は19件で、奈良盆地南部の橿原市・桜井市・明日香村にまたがっている。
内訳は、飛鳥宮跡、飛鳥京跡苑池、飛鳥水落遺跡、酒船石遺跡、飛鳥寺跡、橘寺跡、山田寺跡、川原寺跡、檜隈寺跡、石舞台古墳、菖蒲池古墳、牽牛子塚古墳、藤原宮跡、大官大寺跡、本薬師寺跡、天武・持統天皇陵古墳、中尾山古墳、キトラ古墳、高松塚古墳の19件。19の資産は「宮殿・官衙跡」「仏教寺院跡」「墳墓」の3つの類型に区分されており、それぞれ中央集権体制の具現、国家寺院成立の過程、墓制の変化を示す資産として位置づけられている。
一般によく知られているのは、極彩色の壁画で注目された高松塚古墳とキトラ古墳、巨石が露出した石室で知られる石舞台古墳あたりだろう。ただし今回の登録は「有名な古墳が入った」という話ではなく、宮殿跡・寺院跡・墳墓がひとまとまりで評価された点が要になっている。
評価は「唯一無二」の宮都の変遷
価値の中心にあるのは、6世紀末から8世紀初頭までのおよそ100年の変化だ。日本列島の中心部で、律令制度に基づく中央集権国家が初めて形づくられていく過程を、飛鳥宮跡と藤原宮跡という2つの連続する時代の宮都の移り変わりから示せる。この点が「唯一無二の資産」と説明されている。
藤原宮を中心とする藤原京は694年に遷都された日本で最初の本格的な都城で、710年の平城京遷都まで機能した。宮殿の形が変わり、寺院が国家の施設として整えられ、墳墓の形式も変わっていく。その一連の流れが同じ地域に残っている点が、他に代えがたいと判断された。
ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)は6月6日、この資産群を文化的伝統や文明を伝える物証として「無二、少なくとも稀有な存在」と評価し、登録を勧告していた。資産が適切に管理されていることも確認されている。
提案から20年 登録までの歩み
奈良県などが国に対し、飛鳥・藤原の遺跡群を世界遺産暫定一覧表へ記載するよう提案したのは2006年11月30日。翌2007年1月19日に暫定一覧表の追加記載候補に選ばれ、同年10月3日には登録推進協議会が設置された。
ただし、暫定一覧表に載ってから正式な推薦に進むまでには時間がかかった。国の文化審議会が国内推薦候補に選定したのは2024年9月9日で、暫定一覧表への記載から17年が経っていた。政府が推薦を閣議了解し、ユネスコへ推薦書を提出したのは2025年1月28日。そこからイコモスの審査を経て、2026年6月6日の登録勧告、7月26日の登録決定へとつながった。
「20年越し」と語られるのは、この2006年の提案からの年数を指している。
奈良県は4件目 全国最多の県に
奈良県の世界文化遺産は、法隆寺地域の仏教建造物(1993年登録)、古都奈良の文化財(1998年登録)、三重・和歌山にまたがる紀伊山地の霊場と参詣道(2004年登録)に続き、今回で4件目となった。都道府県別では日本最多となる。
一方で、明日香村一帯は以前から景観の規制が厳しい地域でもある。1980年に制定されたいわゆる明日香法(明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法)は、村内のほぼ全域を歴史的風土の保存対象とし、石舞台古墳や高松塚古墳の周辺など主要な遺跡の一帯は現状変更が厳しく規制されてきた。世界遺産登録によって新しく守り方が始まるというより、半世紀近く続けてきた保全の枠組みが国際的に評価された、という順序で見るほうが実態に近い。
そのため、登録を機に現地の風景が急に整備されたり、大きな施設が建ったりするわけではない。構成資産の多くは田畑や集落と隣り合った史跡で、住民の生活の場でもある。訪れる際は、私有地に立ち入らない、農作業の妨げになる場所に駐車しないといった基本的な配慮が、これまで以上に求められることになる。
参考リンク:世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会(公式サイト)
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

































































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