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河辺愛菜、22歳の誕生日に東日本選手権で逆転優勝 全日本選手権へ、中京大学に通う現在

河辺愛菜、22歳の誕生日に東日本選手権で逆転優勝 全日本選手権へ、中京大学に通う現在

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

フィギュアスケートの第52回東日本選手権は10月31日、群馬県前橋市のALSOKぐんまアイスアリーナで女子フリーがあり、2022年北京五輪代表の河辺愛菜(オリエンタルバイオ/中京大学)が合計184.45点で逆転優勝した。この日が22歳の誕生日。ショートプログラム(SP)2位からフリー1位の123.01点で首位の髙木謠(太陽生命)を抜き、12月の全日本選手権への出場を決めた。

SP2位からフリー123.01点、8.72点差の逆転

SPを終えた時点で、河辺は首位の髙木に0.61点届かない2位だった。24人中23番目に滑ったフリーは「オペラ座の怪人」。冒頭のダブルアクセルに続き、3回転フリップ―3回転トーループの連続ジャンプ、3回転サルコーと前半のジャンプを加点付きで降りていく。日本スケート連盟の公式リザルトによると、連続3回転は10.24点を得た。後半には3回転ルッツ―ダブルアクセル―2回転トーループのシークエンスも入れ、この1つの要素で11.67点を積み上げている。

フリーの技術点(TES)は63.87点、演技構成点(PCS)は59.14点。演技構成点の3項目は構成と表現が7.45、スケーティングスキルが7.25で、ステップシークエンスは最高のレベル4を取り、1.15点の加点を引き出している。減点はゼロだった。

ただし、課題も残った。基礎点が1.1倍になる後半の単発の3回転ルッツは4分の1回転足りない「q」、3回転フリップは回転不足の「<」と判定され、どちらもGOE(出来栄え点)がマイナス1点を超えた。6本のジャンプはすべて降りたものの、回転の判定で点を削られた。

それでも、フリー2位の髙木に9.33点の差をつける。最終滑走の髙木は3回転ルッツ2本と3回転ループに回転不足の判定が付き、フリー113.68点、合計175.73点で2位にとどまった。合計の差は8.72点となった。

女子の上位6人は次のとおり。

順位選手(所属)合計SP/フリーの順位
1位河辺愛菜(オリエンタルバイオ/中京大学)184.452位/1位
2位髙木謠(太陽生命)175.731位/2位
3位奥野友莉菜(明治大学)162.043位/3位
4位三枝知香子(MFアカデミー)159.734位/5位
5位穂積乃愛(早稲田大学)152.086位/4位
6位髙橋舞(法政大学)145.559位/7位

「泣かずに済みました」誕生日に手にした自信

河辺は演技後、今季はここまで緊張することがなかったのに、この日は珍しくドキドキしていたと明かした。そのうえで「最初から最後まで焦ることなくできた」と話し、「やっと一歩成長できた」と手応えを口にしている。

22歳の誕生日を優勝で飾った河辺は、いい誕生日になったと喜んだ。続けて「泣かずに済みました」とも語った。

報道によると、勝因の一つは練習の変え方にあった。大会前の約1カ月、曲を通す回数を減らし、1回の曲かけに集中する方法に切り替えたという。会場には中京大学の仲間で、同じオリエンタルバイオ所属の鍵山優真が応援に駆けつけた。公式練習では、慎重になりすぎてはいけないという趣旨の助言を受けている。指導する鍵山正和コーチも、優勝に安心していたという。

前日のSPは61.44点。ルッツ―トーループの連続3回転と後半の3回転フリップに回転不足を取られ、本人が目標にしていた65点に届かなかった。それでも、落ち着いてやるべきことをやれば優勝できる自信はある、という趣旨の言葉を残してフリーへ向かっていた。SPでも演技構成点は28.66点と髙木を1.27点上回っており、差を生んだのはジャンプの判定だった。フリーでは、その演技構成点をさらに伸ばしたうえで、前半のジャンプで加点を重ねた。予告どおりの逆転だった。

関連記事:髙木謠、東日本選手権女子SPで首位発進 太陽生命所属、62.05点で河辺愛菜を抑える

中京大学スポーツ科学部の4年生、2023年に入学

河辺は中京大学附属中京高等学校から、2023年4月に中京大学スポーツ科学部へ進んだ。4月4日の入学式には、同じく中京大中京高から同学部へ進んだ松生理乃、横井きな結とともに出席している。スポーツ科学部は愛知県豊田市の豊田キャンパスにあり、大学は学内にスケートリンクを持つ。

大学ではスケート部に所属する。2025年3月10日に豊田キャンパスで開かれた授賞式で、スケート部は2024年度の体育会功労賞を受け、主将の河辺が受賞の喜びを伝えた。2026年1月の第98回日本学生氷上競技選手権では、フリー1位の演技で合計194.40点の3位に入っている。

今季は大学4年生として迎えた。SPのあと、フリーに選んだ「オペラ座の怪人」は以前から一番滑りたかった曲だと話し、4年生の年だからこそ記憶に残る演技にしたいという思いを語っていた。所属はオリエンタルバイオと中京大学の二つで、今季の大会にもこの表記で出場する。

2021年12月の全日本選手権で3位に入り、翌年の北京五輪代表に選ばれた。あれから5年近くがたつ。昨季は第94回全日本選手権で合計187.36点の12位に終わり、今季は10月の東京選手権で合計182.75点の5位だった。東日本選手権の184.45点は、その東京選手権の合計を1.70点上回る。東京選手権で河辺より上位だった中井亜美、青木祐奈らは、東日本選手権にエントリーしていなかった。

東日本選手権には昨季も出場している。2025年10月23日から26日に茨城県ひたちなか市の山新スイミングアリーナで開かれた大会では、SPとフリーがともに2位で、合計181.49点の2位だった。優勝した江川マリア(明治大学)とは6.35点の差があった。10月2日から4日に東京都江東区の田中貴金属アイスアリーナで行われた東京選手権では、SP5位、フリー4位だった。東日本選手権では、昨季の2位から順位を一つ上げた。

全日本選手権は12月24日から大阪・門真で

大会は10月29日から11月1日までの4日間で、東日本ジュニア選手権も同時に行われている。女子は25人がSPに出場し、24人がフリーへ進んだ。

第95回全日本選手権は12月24日から27日まで、大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで開かれる。日本スケート連盟が定めた東日本選手権からの女子の出場枠は10だが、東日本エリアの4選手がグランプリ(GP)シリーズ出場で予選を免除されているため、東日本選手権からは上位6人が出場権を得た。6位の髙橋舞はSP9位から順位を上げ、7位の田邊桜香(日本大学)とは1.34点差だった。

河辺自身は、全日本へ向けた課題をはっきり口にしている。ジャンプに意識が向くと、ジャンプなしで曲をかけたときと比べて表現の精度に差が出るという。雑なところも出てしまうので、もっと上達できるよう引き締めていかないといけない、とも話した。

SPとフリーの両方で取られた回転不足をどこまで減らせるか。フリーの演技構成点は、東日本選手権の女子で最も高い59.14点だった。ジャンプの判定がそろえば、点はもう一段伸びる。

大学4年の冬、22歳になった河辺は大阪の全日本へ向かう。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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