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夜の湖畔に打ち上がる花火と湖面の反射

琵琶湖三市同時花火大会が中止、実行委が発表 消防への申請は8日時点で確認されず、...

滋賀県の長浜市・彦根市・高島市で8月22日に開催予定だった「琵琶湖三市同時花火大会」が、8月9日に中止となった。運営する実行委員会は、準備や運営体制を整えるのが難しいと判断したと説明した。開催に欠かせない消防への申請は8日の時点でも確認され...

中島ひとみ、100mH予選で12秒62の日本新記録 決勝も12秒62で優勝、日本タイ記録

中島ひとみ、100mH予選で12秒62の日本新記録 決勝も12秒62で優勝、日本タイ記録

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

陸上の富士北麓ワールドトライアルが8月9日、山梨県富士吉田市で開催された。女子100メートル障害予選で中島ひとみ(31)=長谷川体育施設=が12秒62の日本新記録をマーク。追い風2.0メートルで、従来記録を0秒07更新した。決勝も同タイムで優勝し、日本タイ記録となった。

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予選12秒62、決勝も同タイムで優勝

会場の富士山GXスタジアムで行われた午前の予選、中島は8台のハードルをリズムよく越え、12秒62でゴールした。追い風は2.0メートル。福部真子(30)=日本建設工業=が2024年7月に樹立した12秒69を0秒07短縮し、自身の自己ベスト12秒71も0秒09更新する走りだった。電光掲示板にタイムが表示された瞬間、中島は両手を突き上げて「やったー!!」と喜びを爆発させたという。

午後の決勝は一転、向かい風0.2メートルという条件だった。追い風の後押しがない中でも12秒62で走り切り、優勝を飾った。予選と全く同じタイムだったため、記録上は「日本タイ記録」の扱いとなる。レース後、中島は「良い感覚のまましっかり刻むことができました。どんな条件でも出せたのは良い流れだと思います」と語った。目標を問われると「今年は12秒7台をアベレージで安定させて、その中で12秒6台を出したいと思っていたので本当にうれしい。やっと出せたな、と」と一連の思いを口にした。

10年の低迷を越えて掴んだ日本一

中島は兵庫県出身、1995年7月13日生まれ。伊丹市立荒牧中学校ではバスケットボール部に所属していたが、陸上部からの勧誘を受けて中学2年でハードルを始めた。転部してすぐに全国中学校陸上競技選手権を制する早熟ぶりを見せ、夙川学院高校2年では国体と日本ユース選手権も制した。

だが、勢いはそこで止まる。高校3年時、近畿大会前日にストレス性胃腸炎を発症し、準決勝9位でインターハイ出場を逃した。以降、10年にわたって主要タイトルから遠ざかる。園田学園女子大学時代は日本インカレ5位が最高成績にとどまり、2018年に実業団の長谷川体育施設に加わってからも伸び悩みは続き、日本選手権決勝に初めて進出したのは2022年だった(同年は4位、13秒37)。

ここ数年で潮目が変わった。自己ベストは2023年6月の13秒12から、2024年9月に12秒99(日本人女子で7人目の12秒台)、2025年5月に12秒85、同年7月23日には12秒71まで縮む。東京世界陸上にも初出場を果たした。そして今年6月13日の日本選手権では12秒77で高校2年以来となる日本一に立ち、名古屋アジア大会代表に内定。2日後の6月15日、名古屋市内で行われたアジア大会代表選手団発表の会見で「30歳で初めて出場しますが、いくつになっても挑戦できる、というのをパフォーマンスを通して伝えられたらと思います」と語っていた。8月9日の日本新記録は、その言葉を自らの走りで証明した。

追い風2.0m ぎりぎりで刻んだ日本新

短距離走や短距離ハードルでは、追い風が秒速2.0メートルを超えると自動的に「参考記録」の扱いになり、公認の日本記録としては認められない。中島の予選での追い風はちょうど2.0メートル。上限に達してはいるが超えてはいないため、正式な日本新記録として公認された。仮に追い風が2.1メートルだったなら、同じ12秒62でも参考記録にとどまっていた計算になる。しかも決勝は向かい風0.2メートル、追い風の後押しは一切なかった。風に頼らない条件でも予選と同タイムを刻んだ事実が、記録の重みを裏付ける。

会場の富士山GXスタジアムは、標高1035メートルに位置する第2種公認陸上競技場だ。2026年1月に「富士山の銘水スタジアム」から名称が変わったばかりで、富士北麓ワールドトライアルは日本グランプリシリーズの加盟大会の一つに数えられる。国内トップ選手に加え、海外からの招待選手も参加し、国際レースに近い環境を国内につくり出す大会だ。2025年大会では桐生祥秀が8年ぶりに10秒の壁を破るなど、参加標準記録の突破や記録更新が相次いできた舞台でもある。

前記録保持者の福部は、中学1年でジュニアオリンピックを制し、広島皆実高でインターハイ3連覇を果たした実力者だ。2022年の世界選手権準決勝で12秒82の日本新をマークすると、同年9月に12秒73、2024年7月には平塚競技場のオールスターナイト陸上で12秒69まで記録を伸ばした。同年のパリ五輪にも出場し、準決勝で敗れている。6月の日本選手権では中島に次ぐ2位に入り、名古屋アジア大会代表にも名を連ねた。

この日、福部は出走せず、代わりに青木益未(32)=七十七銀行=がコースに立った。青木は予選で12秒68(追い風2.0メートル)をマークし、福部の持っていた旧日本記録12秒69を上回る日本歴代2位に浮上。予選後には福部から「”アネキ”(青木)なら12秒5台が出せる。力まずに8割くらいで」とアドバイスが届いた。青木は決勝でも12秒72で2位に入り、「本当に真子ちゃんのお陰」と感謝を口にした。中島もレース後、「寺田さんや青木益未さん(七十七銀行)、真子や(田中)佑美ちゃんたちがいたからこそ、底上げがされている。本当にリスペクトしています」と、切磋琢磨してきた仲間への敬意を語っている。福部は記録を上回られはしたものの、日本歴代3位の記録保持者としてアジア大会に臨む。

予選後は「やったー」、会場もどよめいた

予選のタイムが表示された瞬間、スタンドにはどよめきが広がった。中島も実感が追いつかなかったのか、レース後には目を潤ませる場面があったという。「タイムを出した時、少し泣いてしまいそうになったんですけど…昔の自分に言ってあげたいなという気持ち」。長く勝てない時代を知る本人だからこその一言だろう。陸上専門メディアも速報で相次いで記録を伝え、この日のうちに競技ファンの間で記録は瞬く間に広がった。

次は名古屋アジア大会、アジア記録が視野に

第20回アジア競技大会は9月19日から10月4日まで愛知・名古屋で開かれる。陸上競技は9月23日の競歩を皮切りに29日まで日程が組まれ、瑞穂公園陸上競技場ではトラック&フィールド種目が行われる。中島にとって初めての大舞台だ。

「少しでもアジア記録(12秒44)に近づくこと。アジア大会では今回以上の記録を出して、金メダルを目指していきます」。中島はそう力を込めた。予選、決勝と2度描いた12秒62のレース。その勢いのまま、中島は9月の名古屋に乗り込む。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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