わたらせ渓谷鐵道(群馬・栃木)、新型車両デザイン決定 あかがね色で2027年1月導入予定

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群馬県桐生市の桐生駅と栃木県日光市足尾町の間藤駅を結ぶわたらせ渓谷鐵道が10月19日、新型車両のデザインを公式サイトで発表した。メインカラーは沿線でおなじみの「あかがね色」。川崎車両株式会社が製造するステンレス製の電気式気動車で、2027年1月に導入する予定だ。
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公式発表の中身と新型車両の仕様
わたらせ渓谷鐵道は10月19日、公式サイトのトピックスに「新型車両のデザインが決定」と題した告知を載せ、「2027年1月に導入予定の、新型車両のデザインが決まりました」と知らせた。告知にはPDFの資料が添えられ、完成予想図と説明文が1枚にまとめられている。
資料によると、車両は新型の電気式気動車で、長さは18m、ボディーはステンレス製。製造は兵庫県神戸市に本社を置く川崎車両株式会社が担う。電気式気動車はエンジンで発電機を回し、その電気でモーターを動かして走る仕組みで、架線のない非電化路線でも電車に近い機器を使えるのが特徴となる。
デザインのテーマは2つ。資料には「沿線のどのシチュエーションでも違和感なく溶け込む親和性」と「親しまれている『わ鐵』らしさと新型車両としてのシンプルな清潔さ」が並ぶ。カラーリングについては、沿線の人たちに「親しまれおなじみとなっている『あかがね色』をメインカラーとして使用し、伝統の継承と共にあたらしいイメージを加える」と説明した。
完成予想図を見ると、銀色のステンレス車体に、あかがね色を前面と屋根ぎわ、窓下の帯に配し、その下に金色とクリーム色のラインを通している。前面と側面には「Watarase」の斜体の文字と紅葉のマークが入る。
車体には「WKT-711」の番号も描かれている。ただ、形式名や車両番号、導入する両数は発表資料の文章には書かれておらず、詳しい運行開始日も明らかにしていない。
完成予想図の側面には、川崎車両が地方鉄道向けに開発した電気式気動車「GreenDEC(グリーンデック)」のロゴも描かれている。GreenDECは2026年度のグッドデザイン賞を受け、静岡県の天竜浜名湖鉄道(THG100形)と福岡県の甘木鉄道(ARe500形)で2026年から営業運転に入っている。モーターや減速機などを一般的な電車と共通にして保守の手間を減らし、将来は水素などの動力へ切り替えられる設計だ。
「あかがね色」とわ鐵の歩み
「あかがね」は銅を指す古い言葉だ。わたらせ渓谷鐵道の線路は、もともと足尾銅山の銅や資材を運ぶために敷かれた。
同社の公式サイトによると、銅製品を運ぶために設立された足尾鐵道が桐生駅から少しずつ線路を延ばし、1914年(大正3年)に足尾本山駅までの全線が開通。1918年(大正7年)に国が買い上げて国鉄足尾線となった。1973年(昭和48年)に足尾銅山が閉山すると、旅客も貨物も大きく減り、廃止の対象に挙がる。
それでも沿線の住民が足尾線を残そうと動いた。1987年の国鉄分割民営化でJR東日本足尾線となったのち、第三セクターのわたらせ渓谷鐵道株式会社が路線を引き継ぎ、1989年(平成元年)3月29日に営業を始めている。2024年8月25日には全線開通から110年を迎えた。
あかがね色を長く背負ってきたのが、開業時に登場した「わ89形」だ。富士重工製の小型の気動車で、バスの部品を多く使っていたことから「レールバス」とも呼ばれた。4種類、計12両が造られ、車体はあかがね色1色。会社は「わたらせ渓谷鐵道=茶色」のイメージをつくったと紹介している。
そのわ89形も、最後の1両だった314号(愛称「あかがねIII」)が2025年6月末で引退した。同年1月31日に313号が引退してからは、ただ1両の現役車両だった。最終日の6月30日まで特別版のヘッドマークを付けて走り、引退後には記念の鉄印「さよなら わ89形」も売り出された。
いま普通列車を担うのは、2011年(平成23年)以降に登場したWKT-500形、WKT-510形、WKT-520形のシリーズだ。WKT-500形は17年ぶりの新型車両で、伝統のあかがね色を残しつつ窓まわりをアイボリーにしたツートンカラーをまとう。新型車両でも、色の系譜はつながる。
群馬・栃木の3市と結ぶ44.1km
わたらせ渓谷鐵道の営業区間は桐生駅から間藤駅までの44.1kmで、駅は17。群馬県桐生市、みどり市を通って栃木県日光市足尾町へ入り、渡良瀬川の渓谷に沿って走る。本社は群馬県みどり市大間々町大間々にあり、会社の設立は1988年(昭和63年)10月25日だ。
観光の柱はトロッコ列車となる。1998年(平成10年)10月10日に走り始めた「トロッコわたらせ渓谷号」は、DE10形ディーゼル機関車が客車4両を引く。窓ガラスのないトロッコ車両は冬に走らない。2012年(平成24年)4月1日には気動車の「トロッコわっしー号」も加わり、車体はあかがね色をベースに、窓まわりをキャラクター「わ鐵のわっしー」をイメージした赤と黄色に塗り分けている。
会社の歴史紹介によると、開業後は貨物に代わって観光客の輸送に力を入れ、1994年(平成6年)には年間の利用者が100万人を超えた。開業30周年は2019年。新型車両は、開業から38年目の路線に加わる。
地元の支援も続く。わたらせ渓谷鐵道市民協議会は、2026年11月の土曜・休日に大間々駅で「トロッコわたらせ渓谷3号」(10時54分発)を小旗と横断幕で見送る活動を行う。事前の申し込みは要らず、誰でも参加できる。
公的支援と新型車両のこれから
経営を支える枠組みもある。群馬県、栃木県、桐生市、みどり市、日光市は「わたらせ渓谷鐵道再生基本方針」を定め、2023年度から2027年度までの5年間、運行を続けるための公的支援を行う。方針は、橋や車両などの大規模設備の更新を、長期的な視点で計画的に検討すると定めている。さらに、群馬県や沿線自治体などでつくる法定協議会は2025年2月、わたらせ渓谷鐵道の「全線存続」を基本方針として決めた。自治体は国の補助制度を最大限活用しながら、車両更新などへの投資的な追加補助を検討するとしている。
2023年3月の報道では、この5年間の補助は国の負担分を含めて総額約16億円とされた。ただ、新型車両1両あたりの費用や、補助の内訳は今回の発表資料に書かれていない。
導入予定の2027年1月は、この5年間の支援期間のさなかにあたる。冬の渓谷に、あかがね色の帯をまとった銀色の車両が加わる予定だ。
形式名や両数、営業運転の開始日、車内の設備はまだ公表されていない。わ89形が2025年6月末に去ってから、導入予定の2027年1月で1年半あまりとなる。沿線で「茶色の列車」として親しまれてきた色は、新しい車体に受け継がれる。
[文/構成 by MediaDogs編集部]









































































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