モンローウォーク、無傷5連勝で秋華賞制覇 父キズナの血統と史上4頭目の無敗の秋華賞馬

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
10月18日に京都競馬場で行われた第31回秋華賞(GI・芝2000m)は、単勝1.3倍の1番人気モンローウォーク(戸崎圭太騎乗)が7番人気ギャラボーグをクビ差で退けて優勝した。デビューから5戦5勝でのGI初制覇。無敗での秋華賞制覇は、ファインモーション、カワカミプリンセス、デアリングタクトに続く史上4頭目となった。父はキズナで、母は豪州のGI馬アンフィトリテII。
1分56秒1のレースレコード、ギャラボーグとの追い比べをクビ差で制す
17頭が出走し、天候は晴れ、芝は良馬場だった。テイエムアイランがハナを切り、1000m通過は57秒8。2ハロン目から8ハロン目まで10秒9〜11秒9のラップが続く速い流れで、後半4ハロンは46秒7、ラスト3ハロンは35秒4かかった。
4枠8番から好スタートを切ったモンローウォークは、5番手で脚をためた。3、4コーナーで少しずつ前との差を詰め、4コーナーは4番手。直線では好位から先に抜け出したギャラボーグとの一騎打ちになり、ゴール前まで粘られたが、最後に首だけ前へ出た。
勝ちタイムは1分56秒1。2015年にミッキークイーンが記録した1分56秒9を0秒8縮めるレースレコードで、10月3日に京都の2勝クラスで出たコースレコードにも並んだ。
3着は2番人気のドリームコア(C.ルメール騎乗)。15番手から上がり3ハロン34秒0の脚で追い込んだが、2着のギャラボーグにも1馬身1/4届かなかった。3番人気のラベルセーヌは6着、紫苑Sを勝って臨んだマスターソアラ(武豊騎乗)は8着。11番人気のスウィートハピネスは競走中止となった。
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | タイム・着差 | 人気 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1着 | 8 | モンローウォーク | 戸崎圭太 | 1:56.1 | 1 |
| 2着 | 1 | ギャラボーグ | 横山和生 | クビ | 7 |
| 3着 | 13 | ドリームコア | C.ルメール | 1 1/4馬身 | 2 |
| 4着 | 4 | エンネ | 坂井瑠星 | 1/2馬身 | 6 |
| 5着 | 14 | サムシングスイート | 松山弘平 | クビ | 8 |
払戻は単勝130円、馬連1-8が1600円、馬単8-1が1760円。7番人気が2着に食い込んだため、3連単8-1-13は1万810円(27番人気)と1万円を超えた。
新馬勝ちのあと骨折、10カ月ぶりの復帰から4連勝
デビューは2025年8月16日、新潟の芝1600mの新馬戦だった。戸崎を背に逃げ切ったものの、その後に骨折が判明して長期の休養に入る。復帰を待つ間に美浦から栗東の上村洋行厩舎へ移った。
上村調教師は転厩が決まってから北海道まで馬を見に行き、預かると決まった時点で秋華賞を目標に据えたという。復帰戦は約10カ月ぶりの2026年6月14日、函館の八雲特別(1勝クラス)。7月19日には重馬場のかもめ島特別(2勝クラス)を勝ち、9月13日のローズS(GII)では2番手から抜け出してエンネに3馬身差をつけた。重賞初挑戦でも単勝1.9倍の1番人気に応え、このとき2着だったエンネは秋華賞で4着に入っている。
関連記事:モンローウォーク、ローズSで無傷のV4 3馬身差の完勝で重賞初制覇、秋華賞の優先出走権を獲得
春のクラシックに出ないまま、夏の自己条件から無敗でローズSを勝ち上がる。この道のりは2002年のファインモーションとよく似ており、競馬ファンの間では「令和のファインモーション」と呼ばれてきた。ローズSの勝ち馬が秋華賞を制したのは、2012年のジェンティルドンナ以来14年ぶりだ。
今年は桜花賞馬スターアニスが不在で、オークス馬ジュウリョクピエロも出走を取りやめた。桜花賞馬とオークス馬がともに秋華賞にいない年は7年ぶりで、主役は自然とモンローウォークに集まる。枠順が4枠8番に決まると、上村調教師は「絶好枠」と話していた。「みんな何か欠点を探そうとするんやけど…」と死角のなさを強調し、レース週の取材では「普通に走ってくれば、結果はついてくるんじゃないですか」と言い切っている。環境を変えないよう栗東に置いたまま調整し、1週前追い切りは栗東CWで6ハロン81秒9、ラスト1ハロン11秒2をマークした。
関連記事:秋華賞2026枠順確定、無傷4連勝のモンローウォークは4枠8番 上村調教師「絶好枠」
父キズナ、母は豪州1000ギニー馬という血統
父キズナは2013年の日本ダービー馬で、父はディープインパクト。種牡馬としてはソングライン(安田記念2勝、ヴィクトリアマイル)や、2024年の皐月賞を勝ったジャスティンミラノを出している。
母アンフィトリテIIは2015年生まれの豪州産馬で、父はSebring。現役時代の2018年10月13日、コーフィールド競馬場のMRC1000ギニー(GI・芝1600m)を最後方から追い込み、頭差で制した。母の母はOcean Dreamで、その父はRedoute’s Choice。血統表にはデインヒルの名が2本並ぶ。
血統の専門家からは、母から受け継いだパワーとスピードをキズナが日本の芝向きにまとめた中距離寄りのマイラー、と分析されている。距離の不安を指摘する声もあったが、上村調教師はレース後に「距離は延びても大丈夫そう」と手応えを口にした。
生産は北海道安平町のノーザンファームで、馬主はエムズレーシング。2023年3月10日生まれの青鹿毛の牝馬だ。1着本賞金1億1000万円を加え、獲得賞金は付加賞を含めて2億171万2000円となった。
過去3頭の無敗の秋華賞馬と並んだ記録
1996年に創設された秋華賞で、無敗のまま勝った馬は過去に3頭いる。
| 年 | 馬名 | 秋華賞勝利時の通算成績 |
|---|---|---|
| 2002年 | ファインモーション | 5戦5勝 |
| 2006年 | カワカミプリンセス | 5戦5勝(オークス勝ち) |
| 2020年 | デアリングタクト | 5戦5勝(牝馬三冠) |
| 2026年 | モンローウォーク | 5戦5勝 |
2002年のファインモーションは武豊、2006年のカワカミプリンセスは本田優、2020年のデアリングタクトは松山弘平が手綱を取った。松山は今年、サムシングスイートで5着だった。
カワカミプリンセスとデアリングタクトは春にオークスを勝ってから秋華賞に挑んだ。春のクラシックを走らずに無敗で頂点に立ったのは、ファインモーション以来2頭目となる。
偶然の重なりもある。クビ差で敗れたギャラボーグを管理する杉山晴紀調教師は、2020年に無敗の牝馬三冠を成し遂げたデアリングタクトの調教師だった。2025年の阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞に続き、ギャラボーグはまたもGIで2着に終わった。
戸崎「声援に応えられて」、次走はオーナーと相談
戸崎にとっては2021年のアカイトリノムスメ以来、2度目の秋華賞制覇。上村調教師は秋華賞を初めて勝った。
レース後、戸崎はたくさんのファンの応援にプレッシャーを感じていたと振り返り、その声援に応えられた喜びを口にした。ゲートの中で少し興奮したところがあったといい、道中は落ち着いてリズム良く走らせることを一番に心がけたという。最後はある程度強気に仕掛けることに切り替え、インタビューの最後は英語で愛馬をたたえた。
上村調教師の第一声は「まずはホッとしています」。続けて「競走馬としてのレースセンスが良くて、きょうも折り合いは問題なかった」と、5戦目で初めて経験した京都とGIの舞台をこなした愛馬を評価した。
次走は未定で、オーナー側と相談して決める方針だ。ファインモーションは秋華賞のあと古馬とのエリザベス女王杯も勝ち、無敗のまま6連勝まで伸ばした。距離延長に不安はないという陣営の見立てどおりなら、選べる道は広がる。無敗の秋華賞馬が次にどこへ向かうのか、陣営の発表が待たれる。
[文/構成 by MediaDogs編集部]

















































































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