フンドラ、12回TKO勝ちで4度目の防衛 次戦候補はエニス対ケリーの勝者、戦績も整理

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
WBC世界スーパーウェルター級王者のセバスチャン・フンドラ(28)=米国=が現地時間10月17日(日本時間18日)、米ラスベガスで同級1位のエルマル・ハドリビア(32)=アルバニア=に12回2分59秒TKO勝ちし、4度目の防衛に成功した。終了のゴングとほぼ同時に左フックでダウンを奪い、試合終了間際のストップで決着した。無敗だった挑戦者に初黒星をつけ、次はWBA・WBO王者ジャロン・エニスとIBF王者ジョシュ・ケリーの勝者との4団体統一戦を狙う。
残り1秒で左フック、レフェリーが試合を止めた
試合はラスベガスのコスモポリタン・オブ・ラスベガス内の会場「ザ・チェルシー」で行われたPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)興行のメインイベント。DAZNでライブ配信され、米国ではTNTでも中継された。試合前の戦績はフンドラが24勝16KO1敗1分け、ハドリビアが23勝8KO1分け(ほかに1無効試合)で、挑戦者は無敗のままラスベガスに乗り込んだ。前日計量はフンドラが152.8ポンド、ハドリビアが152.4ポンドで、ともにリミット(154ポンド)内に収めていた。
サウスポー同士の一戦は、ハドリビアが頭を王者の胸に押しつけて距離を潰しにくる展開で始まった。2回には両者が相手の左でバランスを崩す場面もあり、王者にとってはやりにくい中盤が続く。トーマス・テイラー主審は3回、ホールディングでハドリビアに減点1を科した。
流れが傾いたのは終盤だった。フンドラは長いジャブとアッパーで挑戦者の体を起こし、手数でポイントを重ねていく。9回にはアッパーでハドリビアのマウスピースが飛び、11回には2度目のホールディングによる減点。採点でも王者が大きくリードした状態で最終回を迎えた。
判定で終わると思われた残り数秒。フンドラが左フックで挑戦者をぐらつかせ、続けてもう一度左を打ち込むと、ハドリビアは背中からキャンバスに倒れた。立ち上がったものの、テイラー主審はダメージを考慮して両手を交差し、試合を止めた。公式記録は12回2分59秒TKOだ。パンチの的中数を集計するCompuBoxによると、ヒット数はフンドラ202発、ハドリビア144発で、王者はボディーへ56発を当てていた。
試合後、フンドラは「最後の1秒で倒したのが気に入っている。ドラマチックだった」と笑顔を見せた。オーバーハンドの左で相手が倒れかけたのを見て「もう一度打とう」と決めたと明かし、「判定でリードしていると思っていたが、いつでもKOは起こり得る。それを見せた」とも語った。
ストップ判断に異論も、解説のクロフォードは厳しめ
決着の場面をめぐっては異論も出た。ダウンとほぼ同時に終了のゴングが鳴っており、ハドリビアは10カウントの前に立ち上がっていたためだ。ゴングで試合が終わっていれば判定決着だったはずだ、との指摘だった。中継で解説を務めたテレンス・クロフォードは「ストップには全く同意できない。パンチが当たる前にゴングが鳴っていた」と語り、同じく解説のティム・ブラッドリーも「最後まで戦わせるべきだった」とテイラー主審に詰め寄った。テイラー主審は「ロープに倒れ込んだ」と説明している。
クロフォードは王者の内容についても「フンドラはやるべきことをやった」と評価しつつ、「もっと見たかった」と注文をつけた。長身でありながら接近戦に付き合う王者のスタイルは、ファンを沸かせる半面、被弾も多い。統一戦を前に課題を残した一戦となった。
挑戦者のハドリビアにとっては初の世界挑戦だった。5月23日にドイツ・オーバーハウゼンで行われたWBC挑戦者決定戦で、それまで無敗だったバカリ・サマケ(フランス)に12回3-0の判定勝ち。指名挑戦者としてフンドラに挑み、最後まで前に出続けた。戦績は23勝8KO1敗1分けとなった。
戦績を整理、王座奪取から4連続ストップ防衛
フンドラは身長2メートル近い長身から「ザ・タワーリング・インフェルノ(そびえ立つ火炎)」の愛称で呼ばれる。ハドリビア戦の勝利で戦績は25勝17KO1敗1分けとなった。妹のガブリエラ・フンドラも女子の世界王者で、兄妹そろってベルトを持つ。
キャリアの転機は2024年3月30日だった。ティム・チュー(豪州)を2-1の判定で破り、空位のWBC王座とチューのWBO王座を手に入れた。WBO王座は、指名挑戦者との対戦よりチューとの再戦を優先したため2025年5月に剥奪されている。それ以降はWBC王座1本を守り続け、防衛戦はすべて判定を待たずに終わらせた。
| 日付(現地) | 相手 | 勝者 | 決着 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月30日 | ティム・チュー | フンドラ | 12回判定(2-1) | WBC・WBO王座獲得 |
| 2025年3月22日 | チョーデール・ブッカー | フンドラ | 4回2分51秒TKO | 初防衛(WBOも防衛) |
| 2025年7月19日 | ティム・チュー | フンドラ | 7回終了TKO(棄権) | 2度目の防衛 |
| 2026年3月28日 | キース・サーマン | フンドラ | 6回1分17秒TKO | 3度目の防衛 |
| 2026年10月17日 | エルマル・ハドリビア | フンドラ | 12回2分59秒TKO | 4度目の防衛 |
世界のベルトとの縁は2022年4月に始まる。エリクソン・ルビン(米国)を9回終了TKOで下してWBC暫定王座を獲得し、同年10月にはカルロス・オカンポ(メキシコ)に判定勝ちして初防衛した。唯一の黒星はその翌年、2023年4月にブライアン・メンドーサ(米国)に7回KOで敗れ、WBC暫定王座を失った試合だ。約1年後のチュー戦で正規王座をつかみ、そこからハドリビア戦まで5連勝としている。元WBA・WBC世界ウェルター級王者のサーマン戦は、当初2025年10月25日に予定されながらフンドラの手の負傷で延期になり、2026年3月に6回TKOで決着している。
次戦候補はエニス対ケリーの勝者、4団体統一へ
フンドラは試合後、「もう4度目の防衛だ。統一王者を目指そう」と口にした。スーパーウェルター級の主要4団体のうち、残る3本のベルトは2人の王者が持つ。
1人はWBA・WBO王者のジャロン・”ブーツ”・エニス(米国)だ。6月27日、ニューヨークのバークレイズ・センターでザンダー・ザヤス(プエルトリコ)から3度のダウンを奪い、7回1分49秒TKOで2団体のベルトを手にした。戦績は36勝32KO無敗(1無効試合)。
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もう1人がIBF王者のジョシュ・ケリー(英国)。1月31日、地元に近いニューカッスルで無敗の王者バフラム・ムルタザリエフ(ロシア)を2-0の判定で破り、王座に就いた。ケリーの陣営は、エニス戦について条件面ですでに合意しており、あとは日程の決定を待つだけだと話している。開催時期は2027年1月が有力とされるが、10月19日時点で正式な発表はない。
エニスとケリーの勝者が3団体のベルトをまとめれば、WBC王者フンドラとの一戦は4団体の統一戦になる。エニス対ケリーを手がけるマッチルーム側も、勝者とフンドラによる統一戦を見込んでいると報じられた。
同じ興行では、亀田和毅(TMK)がWBA世界フェザー級王者ブランドン・フィゲロア(米国)に挑む予定だった。しかし前日計量でフィゲロアが約360グラム超過して王座を剥奪され、試合の約5時間前にフィゲロアの体調不良で中止が決まった。日本のファンが見守った興行は、亀田の試合が消えたまま、メインの残り1秒の決着で幕を閉じた。
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[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]











































































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