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デュボア、ウォードリーとの再戦で2回TKO勝ち 戦績とIBF王者フルゴビッチとの統一戦の可能性

デュボア、ウォードリーとの再戦で2回TKO勝ち 戦績とIBF王者フルゴビッチとの統一戦の可能性

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

WBO世界ヘビー級王者ダニエル・デュボア(29)=英国=が、現地時間10月17日(日本時間10月18日)に英ロンドンのO2アリーナでファビオ・ウォードリー(31)=英国=との再戦に臨み、2回2分21秒TKO勝ちで初防衛に成功した。1回17秒に右でダウンを奪い、2回にウォードリー陣営がタオルを投げ入れた。試合後はIBF王者フィリップ・フルゴビッチがリングに上がり、統一戦を呼びかけた。

1回17秒のダウンから2回2分21秒で決着

デュボアの右ストレートがウォードリーのあごを捉えたのは、ゴングからわずか17秒後だった。ウォードリーは崩れるようにひざをつき、カウントの途中で立ち上がったものの、その後も主導権は戻らない。デュボアはロープ際へ追い込んで右を打ち続け、ウォードリーは1回終了のゴングに救われた。

1回の終盤、ウォードリーのトレーナーを務めるベン・デービソンはタオルを手にしていたが、この時点では投げなかった。2回に入るとウォードリーは逆転を狙って前に出たが、クリンチでしのぐ場面が増える。最後はデュボアがコーナーへ詰めて右を連打し、デービソンがタオルを投入、スティーブ・グレイ主審が試合を止めた。公式の決着タイムは2回2分21秒で、ラウンド終了まで残り39秒だった。

会場はチケット完売で、約1万9000人が詰めかけたと報じられた。英国時間の夜に行われた試合は日本時間10月18日の早朝にあたり、日本ではDAZNで配信された。

同じ興行では、2020年東京五輪と2024年パリ五輪のスーパーヘビー級で連続金メダルを獲得したバホディル・ジャロロフ=ウズベキスタン=がソロモン・ダクレス=英国=から5回にダウンを奪い、10回判定3-0で勝利。英国・英連邦ライト級タイトル戦のマイケル・ゴメスJr.とルイ・オドハーティは1-0の判定で引き分けとなった。

戦績は試合後の時点で、デュボアが24勝(23KO)3敗、ウォードリーが20勝(19KO)2敗1分けとなった。ウォードリーのプロでの2つの黒星は、いずれもデュボアに喫したものだ。

5か月前の初戦は2度倒されたデュボアの逆転劇

両者の初戦は2026年5月9日、英マンチェスターのコープ・ライブ・アリーナで行われた。当時の王者はウォードリーで、デュボアは挑戦者の立場だった。

ウォードリーは1回開始直後にデュボアからダウンを奪い、3回にも再び倒した。だが、デュボアは中盤から手数で押し返し、11回にTKO勝ち。2度のダウンからはい上がってベルトを奪い、2度目の世界ヘビー級王座に就いた。

5月15日にはウォードリーが契約上の再戦条項を行使したことが発表され、わずか5か月での再戦が決まった。初戦のダメージが大きかったウォードリーが短い間隔で再びリングに上がることには、英国内で不安を指摘する報道もあった。結果は初戦よりはるかに一方的な内容で、今度はウォードリーが一度も見せ場を作れなかった。

ウォードリーが王者になった経緯も振り返っておきたい。2025年10月25日、同じO2アリーナで元WBO王者ジョセフ・パーカーを11回TKOで破って暫定王座を手に入れ、同年11月17日、オレクサンドル・ウシクのWBO王座返上を受けて正規王者に昇格した。そのベルトを初防衛戦でデュボアに奪われ、取り返しに臨んだのが10月17日の一戦だった。

「自分の時代だ」デュボアは次の大一番を要求

試合後、デュボアは「自分の時代だ」と言い切った。初回から倒しにいく狙いだったことも明かし、5月の初戦について「追い込まれていた」と認めたうえで、再戦では最初から力の差を見せるつもりでリングに上がったと語っている。

次の相手については、記者会見で「王者になった今は、大きな試合がしたい」と強調した。フルゴビッチの名前が出ると「彼と再戦したい」と応じ、かつて保持していたIBFのベルトを取り戻したいとの考えを示した。

敗れたウォードリーは「最高の相手に挑むことに恥はない」と述べ、再びはい上がる意欲を見せた。

IBF王者フルゴビッチとの因縁

フルゴビッチ(34)=クロアチア=は、2026年8月29日に同じO2アリーナでモーゼス・イタウマを9回TKOで破り、空位のIBF王座を手にした。クロアチア出身で初めての世界ヘビー級王者で、プロでの唯一の黒星がデュボア戦だ。敗れたイタウマは担架でリングを降り、病院へ運ばれた。

この王座獲得直後から、フルゴビッチの視線はデュボアに向いていた。イタウマ戦後のリング上で「統一戦がしたい。フランク・サンチェスは待ってくれる」と語り、まだウォードリーとの再戦を控えていたデュボアとの再戦を口にしている。

2人の初対戦は2024年6月、サウジアラビア・リヤドでのIBF暫定王座決定戦だった。デュボアが8回TKOで勝ったが、フルゴビッチが両目の上を深く切り、続行できなくなっての決着だった。デュボアはその後、ウシクの王座返上で正規のIBF王者に昇格し、2024年9月にアンソニー・ジョシュアを5回KOで下して防衛した。2025年7月にロンドンでウシクに敗れ、IBF王座を失っている。

デュボアのウォードリー戦の直後、リングサイドにいたフルゴビッチはリングに上がり「楽な夜だったな。3月に俺とやる準備はできているんだろう、ダニエル」と呼びかけた。実現すればWBOとIBFの2団体統一戦になる。

統一戦はいつ実現するのか

ただし、すぐに決まる状況ではない。フルゴビッチにはIBFの指名挑戦者フランク・サンチェス=キューバ=との対戦義務がある。サンチェスはイタウマ戦を実現させるために対戦を譲り、見返りに7桁の譲渡金を受け取ったと報じられた。デュボアのプロモーター、フランク・ウォーレンも8月の時点で「義務はあるが、調整できるならそうする」と述べており、フルゴビッチは2027年初めにクロアチアでサンチェスと戦う可能性があると報じられた。

10月17日の試合後、ウォーレンは統一戦に前向きな姿勢を見せる一方、フルゴビッチが先に別の挑戦者と戦う必要があるかもしれないとの見方も示し、統一戦の時期は決まっていない。フルゴビッチの初防衛をクロアチアで行ってから統一戦へ進む道筋も取り沙汰される。報道では、統一戦は2027年の前半が現実的との見方が出ている。

ヘビー級の主要4団体のベルトは、ウシクが2026年6月にWBA、WBC、IBFの王座を返上したことで分散した。WBCはアギト・カバイェル=ドイツ=、WBAはムラト・ガシエフ=ロシア=が王者となり、WBOはデュボア、IBFはフルゴビッチが持つ。散らばったベルトを誰が束ねるのか。ウォードリーに2戦連続のTKO勝ちで実力を示したデュボアは、その中心に立っている。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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