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那須川龍心、大﨑一貴に延長戦で雪辱しRISE世界王座獲得 兄・天心の9・27井上拓真戦へ勝利のバトン

那須川龍心、大﨑一貴に延長戦で雪辱しRISE世界王座獲得 兄・天心の9・27井上拓真戦へ勝利のバトン

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那須川龍心が9月19日、RISE世界スーパーフライ級タイトルマッチで王者・大﨑一貴に延長判定2-1で競り勝ち、新王者となった。6月に延長戦で敗れた相手への雪辱だ。8日後の27日には、兄・天心が井上拓真とのWBC世界バンタム級タイトルマッチに臨む。

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本戦1-1、延長1Rのスプリット判定で決着

キックボクシングのRISEは9月19日、東京・大田区総合体育館で『RISE WORLD SERIES 2026 TOKYO.2』を開催した。メインイベントのRISE世界スーパーフライ級(53kg)タイトルマッチで、挑戦者の那須川龍心(20)=TEAM TEPPEN=が王者・大﨑一貴(30)=OISHI GYM=を延長の末に下し、世界のベルトを手にした。

3分5R延長1Rで争われた一戦は、最後まで勝者が見えなかった。

序盤から主導権を握りにいったのは大﨑だ。すぐに距離を詰め、コーナーを背負わせた龍心の腹へ左ボディフックを突き刺していく。龍心は左右に動きながらジャブやショートのコンビネーションを返し、2Rにはカウンターの右を当てた。4Rには偶然のバッティングで大﨑が左目尻をカットし、ドクターチェックが入る場面もあった。再開後は頭をつけた至近距離での打ち合いが続き、5Rも両者が手を止めないまま終了のゴングを聞いた。

本戦のジャッジは49-48で大﨑、49-48で龍心、48-48と三者三様に割れ、判定1-1で延長戦へもつれ込んだ。延長1Rも大﨑が前に出て圧力をかけ、龍心はジャブやヒザ蹴り、アッパーで応戦する展開。最後の接近戦でも差はつかず、ジャッジの裁定は再び割れた。

延長判定2-1。読み上げられたのは龍心の名前だった。

デイリースポーツによると、判定が告げられた瞬間、リングサイドにいた兄の天心は目を赤くしながら「よ~し!」と手を叩き、すぐにエプロンへ駆け上がって弟を抱きしめたという。

6月の「疑惑の判定」から3カ月半でのリマッチ

両者の初対決は今年6月6日、同じ大田区総合体育館だった。この時は1階級上となる55kg契約のノンタイトル戦で、龍心は当時15連勝中。本戦3Rの判定は29-30、29-28、29-29のドローとなり、延長Rで大﨑が3-0の判定勝ちを収めた。

ただ、この判定には異論が相次ぐ。ゴング格闘技によると、RISEの伊藤隆代表は試合後、「僕の中では龍心の勝ちだと思いました」と本戦の採点に疑問を呈した。龍心自身も「自分としてはポイントを取ってたのかなっていうのはありました」と悔しさをにじませている。

大﨑は2025年5月、初代RISE世界スーパーフライ級王座決定戦でコーリー・ニコルソンを5RでKOし、RISEの世界王者となった実力者だ。今回はその王座の初防衛戦で、7月10日の対戦カード発表会見では「前回以上の差を見せて、何も言わせないような勝ちをしっかり見せつけて、黙らせたい」と宣言していた。

対する龍心は2022年4月にRISEでプロデビュー。2024年11月にRISEフライ級王座を奪い、今年3月には長谷川海翔をKOしてRISEスーパーフライ級王座を獲得、2階級制覇を果たしている。RISEの世界タイトルに挑むのは、今回が初めてだった。

9月2日の調印式では、父でTEAM TEPPENの那須川弘幸会長が「前回の戦いをもう一回見直して真摯に捉えて、もう一度作り直す」と、5Rを戦い抜くスタミナと技術を磨いてきたと明かしている。龍心も「今回5Rあるのでしっかり勝ちに行って、自分の手でしっかり決着つけて」と語っていた。KO決着こそならなかったが、延長戦までもつれた点も前回と重なる。結果だけが逆になった。

「俺が勝ったってことは、絶対に天心も勝ってくれます」

勝利を手にした龍心は、リング上で真っ先に対戦相手をたたえた。MMAPLANETによると、マイクを握った新王者は「自分をここまで強くしてくれたのは大﨑選手です。大﨑選手に拍手をお願いします」と観客に呼びかけている。

そして視線は、8日後の兄の試合へ向かう。デイリースポーツによると、龍心はリング上のインタビューで「リベンジマッチに勝ちました」と声を弾ませ、最後に兄への思いをこう語った。

「1週間後、自分の兄の天心が世界タイトルマッチでリベンジマッチです。俺が勝ったってことは、絶対に天心も勝ってくれます。応援してやってください」

「勝てば兄も勝つ」という言葉は、兄弟の間で以前から交わされていた。試合前日にRISE公式サイトへ掲載されたコメントで、龍心は「天心からは『お前が勝ったら俺も勝つ』って言われてます」と明かし、「那須川家としてもリベンジなので。負けられない戦いですね」とも語っていた。

天心の側も同じ思いを口にしていた。日刊スポーツによると、天心は9月15日夜にTBSラジオで放送された冠番組「那須川天心のかんきもラジオ」に出演し、ゲストに招いた龍心を前に「彼が勝てばオレも勝つ。これは仕組まれているし運命だよね」と話した。放送は世界戦が近いため2週間前に収録されたもので、兄弟は現在も週に1~2回は一緒に練習し、軽めのスパーリングもしているという。

天心は9月27日、井上拓真に雪辱を懸ける

今度は兄の番だ。

WBC世界バンタム級1位の天心(28)=帝拳=は9月27日、東京・トヨタアリーナ東京で王者・井上拓真(30)=大橋=に挑む。両者は2025年11月24日に同じ会場で空位の同王座を争い、拓真が3-0の判定で勝利した。キックボクシング時代から公式戦無敗を続けてきた天心にとって、公式戦で初めての黒星だった。

天心はその後、今年4月にフアン・フランシスコ・エストラーダを9回終了TKOで下し、指名挑戦権を手にしている。拓真との再戦はAmazonの「Prime Video Boxing 16」で独占ライブ配信される予定だ。

弟が先にリングに上がり、同じ「リベンジマッチ」を延長戦の末に勝ち切った。龍心がマイクで託した言葉どおりの結果を、天心は8日後に拓真から奪いにいく。

関連記事:那須川天心、井上拓真との再戦が9月27日に決定 プロ初黒星からの雪辱懸けるバンタム級世界戦

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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