『草間彌生美術館』のクサマズ・ポップへ!ビル一棟まるごと水玉の館内が可愛いすぎた…完全予約制の90分を写真多めでレビュー

取材・編集:MEDIA DOGS 編集部/ © 2026 MEDIA DOGS
絵を眺めるだけでなく、作品の世界にまるごと入り込んでみたい。そんなふうに思ったことはありませんか?
今回はまさにそれを体感できる、水玉の作品でおなじみの草間彌生さんが設立した「草間彌生美術館」へ行ってきたのでレポートしていきます。
この美術館はチケットが公式サイトからしか買えない完全予約制、そして常設展ではなく、展覧会ごとに展示作品は変わるのが特徴。
今回は、2026年4月16日〜8月30日開催していた「KUSAMA’s POP(クサマズ・ポップ)」のお昼の回を予約して伺いました。
水玉は、絵画のなかだけにとどまりません。お部屋そのものも、置いてある日用品も、トイレやエレベーターまで水玉…!館内を移動しているだけで楽しくなるような、そんな空間になっています。
訪れたのは8月中旬の平日、12時の回。館内の見どころを1階から5階まで、写真多めでお伝えしていきます。
これから訪れるか悩まれている方は、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
完全予約制、新宿の大通り沿いに立つ、ビル一棟の美術館
場所は東京メトロ東西線の早稲田駅から歩いて7分ほど。大江戸線の牛込柳町駅からなら6分ほどです。
私は最終的にタクシーで向かったのですが、建物の前に大きな道路が通っていて、目の前で降りられたのが便利でした。なお専用の駐車場・駐輪場はないので、車やバイク、自転車での来館はできません。
外観は、思っていたよりずっとこじんまりな印象!白い壁の細長いビルで、その一棟がまるまる美術館になっています。壁面の「YAYOI KUSAMA MUSEUM」の文字が目印です。

この美術館は日時指定の完全予約・定員制で、1回90分の入替制。チケットは美術館の公式サイトでのみ販売していて、窓口では買えません。毎月1日の10時に、翌々月分の販売が始まる仕組みです。
予約したのは平日の12時の回。この日は四谷の於岩稲荷田宮神社から向かったのですが、移動の仕方に迷ってしまい、うろうろしているうちに時間をロスしてしまいました。結局タクシーに乗り、着いたのは12時半前です。
この回は12時半までに入場すればよい決まりだったので、ぎりぎり間に合いました。
入口では何組かの外国の方が当日の空きを尋ねていましたが、午後の回はほとんど空いていないとのこと。早めに予約しておいてよかったと思った場面でした。
1階から5階まで、水玉をめぐる
館内は一方通行です。1階から階段かエレベーターで順に上の階へ上がっていく形で、階段が使えるのは上りだけ。下りはエレベーターを使う決まりになっています。
ここからは、実際に見てきた順に紹介していきます。
※当記事の写真は撮影が可能な場所で撮影し、草間彌生美術館の許可を得て掲載しています。
訪れる際は館内の表記をご確認ください。
1階|赤い水玉のバルーン
1階は入口と受付、そしてお土産売り場になっています。
入口を抜けてまず目に入るのが、天井から吊るされた大きな赤いバルーン。白い水玉が散った、あの見慣れた模様です。天井から吊られているので、真下から見上げる形になります。

草間彌生《水玉強迫》1996/2026年© YAYOI KUSAMA
その先には、水玉で塗られた自動販売機の作品も。2001年のコカ・コーラのアートプロジェクトのために作られたプロトタイプで、赤と白のドットが機械の面いっぱいに広がっています。
私が訪れたときの企画展「KUSAMA’s POP(クサマズ・ポップ)」(2026年4月16日〜8月30日)で展示されていた1点です。

コカ・コーラ No Reason アートプロジェクト 2001
日本コカ・コーラ株式会社
《Dots on Vending Machines》[自動販売機を覆う水玉]のためのプロトタイプ
同じフロアには、館内の順路と観覧のルールをまとめたパネルもあります。
撮影については先ほども触れましたが、「写真・ビデオ撮影はできませんが、一部撮影可能な場所には表記がありますので、従ってください」とのことで、表記のある場所だけ撮れる形です。フラッシュや三脚、自撮り棒も使えません。

2階は残念ながら、撮影禁止エリア…!このフロアには草間彌生さんの代表的なモチーフを描いたかぼちゃの絵画が飾ってあり素晴らしかったので、写真に収めたい気持ちがありましたがグッと我慢。
撮影はできませんが、このフロアにも素敵な作品がたくさん展示されていました。これらの作品を間近で見られるのは、訪れた人だけの醍醐味ですし、それだけでも行く価値はあると思います。
大型の絵画群と、覗き込むミラールーム
3階のギャラリーでは、2009年以降に手がけられた大型のアクリル絵画がずらりと並びます。中心となるのは、2009年から2021年にかけておよそ900点が制作された連作「わが永遠の魂」。

3F ギャラリー インスタレーションビュー© YAYOI KUSAMA
原色を多用した明るい色彩に、眼鏡や帽子、ハンドバッグといった身近なモチーフ。かと思えば、水玉や横顔、眼がひたすら反復される画面もあって、一枚ずつ表情がまるで違います。
展示室の中央に置かれていたのが、覗き込むタイプの小型のミラールームです。鏡張りの箱に丸い穴が開いていて、外側の鏡面には周囲の絵画が映り込んでいました。

草間彌生《天国へのぼった階段で見た宇宙の姿》2021年© YAYOI KUSAMA
解説によると、これは《天国へのぼった階段で見た宇宙の姿》という作品で、この展示が初公開とのことでした。

この作品の丸い穴から中を覗いた瞬間がこちら。色とりどりの水玉が、どこまでも無限に増えていきます。

草間彌生《天国へのぼった階段で見た宇宙の姿》2021年© YAYOI KUSAMA

草間彌生《天国へのぼった階段で見た宇宙の姿》2021年© YAYOI KUSAMA
角度を変えるともう一段深く、鏡が鏡を映して奥行きが消えていきます。とても幻想的で不思議な感じです…!
クルックフィールズ(千葉県木更津市)にも、草間彌生さんの鏡の作品「無限の鏡の間―心の中の幻」があります。こちらは中に入って体験するタイプで、壁の穴から差し込む太陽光が鏡に反射し、色と光が無限に続いていく空間でした。実際に訪れているので、よければどうぞ。
詳細はこちらから
【クルックフィールズの体験レポ】
【木更津】クルックフィールズに行ってきた!パン屋ランカなど、食もアートも自然も楽しめた見どころを正直レビュー
部屋も、日用品も、まるごと水玉に
この美術館が面白いのは、水玉が平面の作品だけで終わらないところです。
こちらは、部屋そのもので草間さんの世界観を表現した「黄樹リビングルーム」。2002年に手がけられたもので、壁も床もソファもテーブルも、黄色と黒の網目模様で埋め尽くされていました。

草間彌生「黄樹リビングルーム」2002年© YAYOI KUSAMA 家具・布地:YAYOI KUSAMA Furniture by graf
照明まで同じ柄なので、統一感があって息を飲む美しさです。
別のケースには、草間彌生さんがデザインした日用品が並んでいました。

iida「Art Editions YAYOI KUSAMA」(KDDI株式会社)の携帯電話
左から:《ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい》、《宇宙へ行くときのハンドバッグ》、《私の犬のリンリン》© YAYOI KUSAMA

iida「Art Editions YAYOI KUSAMA」(KDDI株式会社)の携帯電話
左から:《宇宙へ行くときのハンドバッグ》、《私の犬のリンリン》© YAYOI KUSAMA
KDDIの「iida」から出た携帯電話に、《宇宙へ行くときのハンドバッグ》、犬をかたどった《私の犬のリンリン》。リンリンはピンク、ハンドバッグは紫に近い色合いで、どれも水玉で彩られています。
水玉が使われているのは、展示室のなかだけではありません。フロアを移動するエレベーターも四方が鏡張りで、そこに赤い水玉が浮かんでいました。トイレも同じように水玉です。

5階|屋上ギャラリーに出られます
5階まで上がると、外に出られる屋外ギャラリーがありました。囲いの上がぽっかり空いていて、そこだけ空が見えます。
窓越しには、1階で見上げたのと同じ赤い水玉のバルーン。ここからだと、街並みと一緒に見下ろす形になります。


草間彌生《明日咲く花》2016年© YAYOI KUSAMA
屋外ギャラリーには、花をかたどった大きな立体作品《明日咲く花》も置かれていました。2016年の作品です。
5階には、草間彌生さんの年譜もびっしりと並んでいました。1929年に長野県松本市で生まれ、10歳の頃から水玉と網模様をモチーフに絵を描きはじめたこと。1958年にニューヨークへ移り、そこで作品を発表していったこと。年ごとの出来事が細かく記されています。
なぜこうした作品が生まれたのかが順を追って書かれているので、ここまで見てきた作品の背景がよく分かります。

なお、天候などで安全が確保できない場合は5階が閉鎖されることもあるようです。今回は見られてラッキーでした!
草間彌生美術館を訪れて|良かった点・気になった点
実際に見てまわって感じた、良かった点と気になった点をまとめます。
【良かった点】
- 背景まで分かる展示:最上階の年譜に、なぜこうした作品が生まれたのかが詳しく書かれていて、わかりやすかったです
- 絵画だけではない:部屋そのもの、日用品、ミラールームと、水玉の表現が立体でも味わえます
- 細部まで水玉:トイレやエレベーターまで水玉模様。移動しているだけで楽しくなります
- アクセスがよい:大通り沿いなので、タクシーなら目の前で降りられます
【気になった点】
- 撮影できないエリアがある:2階は撮影禁止エリアで、かぼちゃの絵画は撮れませんでした。撮影が許可されているのは一部だけです
- 予約は早めに:当日は午後の回もほとんど空きがない状態でした。行く日が決まっているなら、早めの確保がおすすめです
- 規模はコンパクト:外観も館内も、思っていたよりずっとこじんまり。大きな美術館を想像していくと物足りなく感じるかもしれません
草間彌生美術館の口コミ・評判
他の方の受け止め方も気になったので、Yahoo!マップとフォートラベルのクチコミを見てみました。ここでは、出典ページで確認できた原文から短い一節を引用しています。
良い口コミ
草間弥生の絵は全て圧巻でした!期間で違う物を展示しているし事前にネット予約な為混雑している事はありませんでした
Yahoo!マップ:Yahoo!マップユーザーさん(2024年2月26日・原文より引用)
90分ごとの日時指定制で人数も区切られているので、一枚の絵の前で立ち止まっていても後ろがつかえません。
早稲田駅周辺に詳しくなく、たどり着くまで大変でしたがチケット代の何倍も何倍も圧巻の展示でした。
Yahoo!マップ:Yahoo!マップユーザーさん(2024年2月1日・原文より引用)
住宅街のなかにあるので、初めてなら地図を見ながら進むほうが安心だと思います。
時間を区切った予約制なので、適度な混み具合で快適にアートを見る事が出来ました。
フォートラベル:チュンチュンさん(2024年5月・原文より引用)
展示はビル1棟分なので、90分の枠でひととおり見てまわれます。
気になる口コミ
カボチャのオブジェは現在は無く、展示作品がとにかく少ない。写真も撮れない。30分で観終わってしまいました。
Yahoo!マップ:kai氏(2023年8月25日・原文より引用)
この美術館には常設展がなく、展覧会ごとに展示作品が入れ替わるので、見られる作品は訪れる時期によって変わります。撮影できるエリアが限られている点も、この投稿のとおりでした。
当日になると希望の時間で購入するのは難しいかも
フォートラベル:さきさん(2020年8月・原文より引用)
ここは私も実感したところです。行く日が決まっているなら、販売開始のタイミングで押さえておくのが確実だと思います。
口コミまとめ
予約制のおかげでゆっくり見られる点は、多くの方が挙げていました。一方で、規模の大きさを期待していくと物足りなく感じる方もいるようです。
展示は年約2回替わるので、公式サイトで会期中の内容を確認してから予約するとよさそうです。
ビル一棟が、まるごと水玉の世界
展示室の絵画はもちろんですが、この美術館らしさが出ていたのは、水玉が絵の外にまであふれ出していたところ。部屋も、日用品も、トイレもエレベーターも水玉で、建物ごと作品の中にいるような時間でした。
私が見た「KUSAMA’s POP(クサマズ・ポップ)」は2026年8月30日で会期を終えました。
館内は8月31日から10月7日まで展示替えのため休館していて、10月8日からは新しい展覧会「パァーッと光が出て、キラキラッていろんなものが見えてくる。」が2027年1月31日まで開かれます。
規模はコンパクトなので、半日がかりで見る場所ではありません。都心の移動のあいだに組み込みやすいので、水玉の世界に浸ってみたい方は、公式サイトで会期を確認して予約してみてください。
草間彌生美術館の基本情報
| 名称 | 草間彌生美術館(くさまやよいびじゅつかん) |
| 所在地 | 〒162-0851 東京都新宿区弁天町107 |
| アクセス | 東京メトロ東西線 早稲田駅 出口1から徒歩約7分/都営大江戸線 牛込柳町駅 東口から徒歩約6分/東京メトロ東西線 神楽坂駅 出口2から徒歩9分 |
| 開館日 | 木・金・土・日曜日および国民の祝日 |
| 休館日 | 月・火・水曜日(展示替え期間・館内メンテナンス・年末年始は別途休館) |
| 開館時間 | 11:00〜17:30 |
| 入場料 | 一般 1,100円(税込)/小中高生 600円(税込)/未就学児 無料 |
| 入場方法 | 日時指定の完全予約・定員制(各回90分の入替制)。チケットは公式サイトのみで販売 |
| チケット販売 | 毎月1日10:00に翌々月分の販売を開始 |
| 開館 | 2017年10月 |
| 公式サイト | https://yayoikusamamuseum.jp/ |
・記事で紹介していた「KUSAMA’s POP(クサマズ・ポップ)」はすでに閉幕した展覧会です。
・10月8日より新しい展覧会「パァーッと光が出て、キラキラッていろんなものが見えてくる。」開催予定
・入場は日時指定の完全予約・定員制。チケットは美術館ウェブサイトのみで販売しており、美術館窓口では販売していません。
・常設展はなく、展覧会ごとに展示作品は変わります。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
※本記事は訪問時の情報をもとに作成しています。サービス内容や営業時間、料金等は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトや店舗にご確認ください。
千葉県木更津市の「クルックフィールズ」にも、草間彌生さんの「無限の鏡の間―心の中の幻」があります。よければそちらもどうぞ。
詳細はこちらから
【クルックフィールズの体験レポ】
【木更津】クルックフィールズに行ってきた!パン屋ランカなど、食もアートも自然も楽しめた見どころを正直レビュー
創設者の草間彌生さんは2026年8月14日に97歳で逝去されました。公式に発表されたのは8月27日で、私が訪れたのはその直前のことだったので驚きました…。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
草間さんの残された功績や生涯、経歴は別の記事にまとめているので、よければご覧になってみてくださいね。
【草間彌生さんの生涯と経歴についての記事】
草間彌生さん死去、97歳「亡くなる直前まで絵筆を手放すことなく」文化勲章、世界文化賞…水玉に捧げた生涯とその経歴






































































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