東京湾大華火祭、11年ぶりに復活 小雨の中で約1万2千発を打ち上げ

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東京湾大華火祭が10月24日、東京港の晴海ふ頭沖で11年ぶりに開かれた。中央区制80周年と港区政80周年を記念した大会で、小雨が降り続くなか、約1万2千発の花火が湾岸の空に上がった。2015年8月を最後に休止していた夏の大会は、開催月を10月に移し、完全チケット制で戻ってきた。
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24日午後5時半に打ち上げ開始、雨の湾岸に約1万2千発
花火は24日午後5時半、カウントダウンとともに打ち上がり始めた。主催は東京湾大華火祭実行委員会と中央区、港区。打ち上げ場所は東京港晴海ふ頭沖の海上で、観覧会場の一つ、港区の芝浦ふ頭ではレインコートなどを着た人たちが空を見上げた。カウントダウンのあと花火が続けて上がると、「おおーっ」「きれい」と歓声が上がった。
天気は最後まで味方しなかった。前日の時点で、24日午後は一時的に本降りになるとの予報が出ていた。それでも港区は24日、公式Xで「予定どおり開催します」と発表。来場者にレインコートやポンチョの用意を呼びかけた。花火の打ち上げ中は傘を使えない決まりで、雨具はレインコートなどが前提だった。
幕開けには、直径の大きな尺五寸玉と尺玉を連打する構成が組まれていた。前回2015年の大会でフィナーレを飾ったのと同じ内容で、11年の空白をつなぐ演出として用意されたものだ。プログラムは全6部で組まれていた。第1部の題は「東京湾大華火祭 再び」。尺玉と尺五寸玉の冠花火を同時に上げ、復活を告げる幕開けとした。第2部「祝 中央区制・港区政80周年」では、両区のシンボルマークや「8」「0」の文字を夜空に描く花火が用意された。
中盤は趣向を変える。第3部「光と音の贈り物」は音に特徴のある花火や笛付きの花火、第4部「夜空を彩る秋の華」は錦や菊の花火に、江戸時代から続く「和火」を組み合わせた構成だった。第5部「令和に咲く江戸の粋」には日本煙火芸術協会の花火師15人が参加し、作品はすべて尺玉。尺玉は上空で直径300メートルほどに開くこともある大玉で、名だたる花火師が腕を競う見せ場として組まれていた。
最後の第6部「グランドフィナーレ~万感の想いを込めて~」は、約3千発を集中して打ち上げる予定だった。午後7時前にフィナーレを迎えると、会場の歓声と拍手はひときわ大きくなった。
選手村とコロナ禍で休止、経費は前回の約4倍に
東京湾大華火祭は1988年に始まり、2015年までに27回を数えた夏の湾岸の風物詩だった。流れが止まったのは2016年。主会場の晴海に東京五輪・パラリンピックの選手村を建てることになり、中央区は「数年間は休止」との方針を示した。そこへ2020年からのコロナ禍が重なる。区の担当者によると、11年後の今年を最初から目指していたわけではなく、想定より再開に時間がかかったという。
再開へ動き出したのは2022年ごろだ。コロナ禍が落ち着き始めると区民から再開を望む声が届くようになり、区は会場の設営や警備にかかる費用の調査を始めた。
壁になったのはお金だった。前回約4億円だった経費は、物価の高騰で約8億円かかる見通しになる。そこで隣の港区が共催に応じ、両区の80周年記念事業として2026年の開催が決まった。経費はその後も膨らみ、現在は約16億円を見込む。前回のおよそ4倍だ。主催者側は、経済効果が経費を上回るとみている。2006年の調査では、約74億円の効果があったとされる。
晴海の主会場だった場所は、選手村を経て「晴海フラッグ」というマンション群に生まれ変わった。観覧会場の収容人数は、前回の約16万9千人から約11万人に減っている。
完全チケット制、料金は5000円から1万円
今大会は「完全チケット制」を打ち出し、当日券は売らなかった。チケットを持たずに歩道などで立ち止まって見ることもできないと、主催者は事前から繰り返し呼びかけていた。
観覧料金は、会場からの見え方に応じて5000円から1万円。中央区と港区の全会場、江東区の一部会場は各区の区民優先会場とされ、区民が自分の区の会場を申し込む場合は5000円を差し引く仕組みだ。発券や発送の手数料は購入者の負担だった。
港区が6月に出した資料では、会場ごとの収容予定は次のとおりとなっていた。
| 区分 | 主な会場 | 収容予定 |
|---|---|---|
| 港区民優先 | 竹芝客船ターミナル、日の出ふ頭、芝浦ふ頭、芝浦南ふ頭公園、お台場海浜公園 | 約3万9000人 |
| 中央区民優先 | 晴海ふ頭公園、晴海客船ターミナルなど | 約4万2000人 |
| 江東区民優先 | 豊洲公園 | 約2500人 |
| 一般 | 豊洲ぐるり公園、有明親水海浜公園など | 約2万4500人 |
観覧エリアは晴海・豊海、港、台場、豊洲、有明に分かれ、会場ごとに入場ゲートと順路が決められていた。一般向けの先着チケットは、大会当日の24日までに販売を終えている。
開催月を8月から10月へ移したのも大きな変更点だ。夏の大会は台風などで中止になるおそれがあり、比較的天候が安定する時期を選んだという。ただ、荒天なら中止で順延はない決まりで、雨の予報が出た当日は主催者にとって気の抜けない一日になった。
午後から湾岸で大規模な交通規制
当日は警視庁が、会場周辺で大規模な交通規制を敷いた。規制は午後3時ごろから始まり、場所によって午後9時ごろまで続く予定だった。対象は首都高速の10号晴海線と11号台場線の一部区間、都道の環状2号線、晴海地区、お台場海浜公園の周辺など。歩道でも晴海大橋や豊洲大橋、レインボーブリッジが規制され、橋の上はチケットなしで見る場所として使えなかった。
警視庁は会場周辺の混雑を見込み、公共交通機関で来るよう求めていた。都営バスも、一部の系統で運行区間の短縮や停留所の休止があった。晴海側の会場は都営大江戸線の勝どき駅などが最寄りとなるが、会場ごとに使う駅や入場ゲート、順路は異なっていた。
来年以降は未定、区は「区民の支持」を判断材料に
次回の開催は決まっていない。中央区の平川康行・地域振興課長は開催前、報道の取材に「11年前からのつながりを感じ、『これこれ、東京湾はこれだよ』と思ってくれたら」と話していた。今回の成功と区民の支持が得られれば、来年度以降も続けたい考えだ。
港区の担当者も、にぎわいづくりや経済への波及効果が見込めるとして、来年度以降の共催を検討するとしている。
雨の中で1万2千発を上げきった11年ぶりの大会。大会の公式サイトは24日付で「東京湾大華火祭は終了いたしました」と告知した。湾岸の空に再び花火が上がるかどうかは、両区の判断にかかる。
[文/構成 by 真壁ひろと]











































































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