ティム・カリーさん、25日に死去 80歳、『ロッキー・ホラー・ショー』や1990年テレビ版『IT/イット』ペニーワイズ役

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英俳優のティム・カリーさんが8月25日、米ロサンゼルスの自宅で死去した。80歳だった。『ロッキー・ホラー・ショー』のフランクン・フルター博士、1990年のテレビ映画『IT/イット』のペニーワイズ役で知られる。長年のマネージャーが死去を確認したが、死因は明らかにされていない。
自宅で息を引き取る、死因は非公表のまま
カリーさんは現地時間8月25日、ロサンゼルス・トルーカレイクの自宅で息を引き取った。死去を確認したのは、長年のマネージャーを務めるマーシャ・ハーウィッツ氏だ。自宅で安らかに旅立ったという。
ハーウィッツ氏は声明で「彼は生涯、型にはめられることも、他者の期待に縛られることも拒み続けた」とたたえた。「50年にわたってコメディ、ホラー、ドラマ、音楽を自在に行き来し、無数の個性的な役柄でファンを、そして自分自身をも楽しませてきた」とも述べている。
死因は明らかにされていない。米メディアTMZによると、警察が同日午後11時23分ごろに自宅へ駆けつけたが、事件性は確認されなかった。
舞台『ヘアー』からロッキー・ホラーへ
本名はティモシー・ジェームズ・カリー。1946年4月19日、イングランド北西部チェシャー州グラッペンホールで生まれた。バーミンガム大学で演劇と英文学を学んだ。
俳優としてのキャリアは1968年、ロンドン・ウエストエンドのミュージカル『ヘアー』への出演で始まる。この舞台で出会ったのが、後にカリーさんの人生を決定づける役を書き上げる脚本家リチャード・オブライエンだった。
1973年、ロンドンのロイヤル・コート劇場で初演されたミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』で、性の境界を越えるマッドサイエンティスト、フランクン・フルター博士を演じて注目を集めた。舞台はロンドンの大劇場、そしてブロードウェイへと進出し、カリーさんは一貫して主演を務め続ける。1975年公開の映画版では、スーザン・サランドンやバリー・ボストウィックと共演。フランクン・フルター役は、カリーさん最大の当たり役となった。
1990年には、スティーヴン・キング原作の2部構成テレビ映画『IT/イット』(米ABC)で、不気味な道化師ペニーワイズを演じた。低くしわがれた声とニューヨーク訛りを駆使し、従来の道化師のイメージを覆す怪演を見せる。全米で3700万世帯以上が視聴したと伝えられている。
半世紀にわたる怪演人生と受賞歴
クセの強い悪役やコミカルな怪人を演じ分ける力が、カリーさんの持ち味だった。1982年の映画『アニー』では憎めない悪党ルースター・ハニガンを演じ、1985年の『殺人ゲームへの招待』(原題:Clue)では執事ワズワース役でコメディの才も見せつけた。
1993年の『三銃士』ではリシュリュー枢機卿を演じている。『ホーム・アローン2』では、プラザホテルのコンシェルジュ、ミスター・ヘクター役として、主人公ケビン(マコーレー・カルキン)を不敵な笑みで翻弄した。冷戦下の潜水艦を舞台にする『レッド・オクトーバーを追え!』では軍医ペトロフ役、特殊メイクを駆使するダークファンタジー『レジェンド』では悪魔ダークネス役と、振れ幅の大きい役柄を次々にこなす。『マペット・トレジャー・アイランド』では海賊ロング・ジョン・シルバーに独特の低音を吹き込むなど、声優としての活躍も幅広かった。
舞台俳優としての評価も高い。1981年のブロードウェイ版『アマデウス』でモーツァルト本人の役を演じ、トニー賞にノミネートされたのを皮切りに、1993年の『マイ・フェイバレット・イヤー』、2005年の『スパマロット』(アーサー王役)でも同賞の候補に挙がった。生涯で3度のトニー賞ノミネートと、英国のローレンス・オリヴィエ賞への2度のノミネートを重ねている。声優として出演したアニメ『ピーター・パンと海賊たち』のフック船長役では、1991年にデイタイム・エミー賞を受賞した。2015年には、俳優や舞台関係者を支援する米アクターズ・ファンドから、カリーさんに芸術貢献賞が贈られている。
共演者たちが相次いで追悼のコメント
訃報を受け、共演者たちが次々に追悼のコメントを寄せた。『アニー』で共演したキャロル・バーネットは自身のInstagramで「アニーで一緒に過ごした時間は、本当に素晴らしかった」とつづり、「彼ほど愛すべき悪役を演じられる俳優はいなかった」と振り返っている。
『殺人ゲームへの招待』で共演したマイケル・マッキーンはX(旧Twitter)で、ティム・カリーさんと交わした最後の会話は人生や愛、笑いについてだったと明かした。「彼のような人物が私たちの人生にいてくれたこと自体が、恵みだった」と結んでいる。
『ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー』で共演したスーザン・サランドンは、Instagramで「彼はなんて愉快で、セクシーで、唯一無二な人だったことか」と振り返った。「でも私が一番好きだったのは、彼の心の温かさだ。車いすの生活になってからも、ファンにはずっと優しく気前が良かった」ともつづっている。最近もブロードウェイでフランクン・フルター役を演じたルーク・エヴァンスも「ティム・カリーはただ一人しかいない。それはこれからも変わらない」とInstagramに投稿した。
脳卒中を超えてなお愛されたキャリア
カリーさんは2012年7月、マッサージの施術中に重い脳卒中を発症した。緊急手術で脳内の血栓を取り除いたものの、以後は車いすでの生活を余儀なくされ、思うように動けない状態が続いたが、表舞台から完全に退くことはなかった。
声優としての仕事を続けたほか、2020年のハロウィーンには、政治資金集めを兼ねたオンラインイベントでフランクン・フルター博士を再び演じている。俳優セス・グリーンやウィルマー・バルデラマ、ロザリオ・ドーソン、バンド「フォール・アウト・ボーイ」のパトリック・スタンプらと共演し、車いす姿のままファンを楽しませた。
生涯独身を貫き、子供はいなかった。フランクン・フルター博士、そしてペニーワイズ。振れ幅の大きい二つの怪演が、半世紀を超えるキャリアの中でひときわ大きな足跡を残した。葬儀や追悼式典についての詳細は、この記事の時点で明らかになっていない。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]


































































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