フロムダスクが12番人気でCBC賞優勝、レースレコード 中井裕二騎手はJRA重賞初制覇

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
12番人気のフロムダスク(牡6)が8月9日、中京競馬場の第62回CBC賞(GIII、芝1200m)を制した。鞍上の中井裕二はデビュー15年目でJRA重賞初制覇。勝ちタイム1分6秒5は、中京競馬場で行われたCBC賞としては歴代最速だ。2着にレイピア、3着にレッドエヴァンスが続いた。
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12番人気の一撃、中京の芝で刻んだ最速タイム
8月9日、中京競馬場で第62回CBC賞(GIII、芝1200m、ハンデ)が行われた。1番人気に支持されたディアナザールを尻目に優勝したのは12番人気のフロムダスク(牡6、栗東・森秀行厩舎)。鞍上は中井裕二だった。
道中は好位につけ、直線に入ると早めに先頭へ進出する。後続の追い上げをしのぎ切り、2番人気のレイピア(牡4)に2馬身差をつけてゴールした。3着には3番人気のレッドエヴァンス(セ5)がクビ差で続く。1番人気のディアナザールは9着に終わり、人気馬の凡走が目立つ結果となった。
勝ちタイムは1分6秒5(良)。CBC賞は開催競馬場が年によって異なり、全体のレースレコードは2022年に小倉競馬場でテイエムスパーダが記録した1分5秒8が最速となる。ただしCBC賞を中京競馬場で行った場合に限ると、それまでの最速は2018年にアレスバローズが記録した1分7秒0だった。フロムダスクの1分6秒5は、この中京開催でのレコードを0.5秒更新している。
デビュー15年目、遅咲きコンビが重賞初V
中井は1993年6月25日生まれ、京都府亀岡市の出身だ。2012年3月3日に中京競馬場でデビューし、今年でキャリア15年目を迎える。長く第一線で乗り続けてきたベテランだが、重賞制覇には縁がなかった。それだけに、初めてつかんだ重賞タイトルの重みは大きい。
フロムダスクも同じく重賞初制覇だった。2歳だった2022年、GIIの京王杯2歳ステークスで2着に入り素質の高さをうかがわせたが、その後は勝ち星に恵まれない時期が続く。5歳秋の2025年11月、京都の清水ステークスでようやく2勝目を挙げると、直前の一戦となる鞍馬ステークスではアクシデントに見舞われながらも上がりの脚を使い、5着に踏みとどまった。中井もレース後、この前走の内容を手応えに挙げている。馬主はサイバーエージェント会長の藤田晋氏だ。
「下だけは見ずに」涙誘った優勝コメント
中井は勝利後、レースを振り返った。
「乗せていただいた藤田オーナーをはじめ、森厩舎のスタッフの方々とは長くお付き合いさせていただいているので、馬の仕上がりを信じて乗りました。道中はリズムよく運べましたし、前走の鞍馬ステークスでは、アクシデントがありながらも、終いに良い競馬をしていたので、スムーズに運べたら、勝てると思っていました」
重賞初制覇の心境を問われると、言葉に実感がこもった。
「勝たせていただいた時の喜びは一瞬で、辛くしんどい日々が多いのですが、下を見ないで、上だけ向いて努力してきて良かったです」
2着レイピアの横山武史は「この暑さとハンデのわりに頑張ってくれました。いつも堅実に走ってくれますし、きょうも頑張ってくれています」とねぎらう。3着レッドエヴァンスの西村淳也は「いいスタートでした。2着は欲しかったです。また頑張ります」と悔しさをにじませた。
称賛相次いだ人柄、ネットも反応
中井のコメントは、レース結果以上に大きな反響を呼んだ。スポーツ報知は、苦労の末に重賞初勝利をつかんだ33歳騎手のインタビューに「ええ人すぎる」といった称賛が相次いだと伝えている。
なぜ、これほどまでに反響が広がったのか。華やかな戦績を積み重ねてきた騎手ではなく、日の目を見ない時期を長く過ごした一人が、地道な努力の末につかんだ栄冠だったからだ。飾らない言葉が、多くの競馬ファンの共感を集めた。
夏のスプリント路線、次なる舞台は
CBC賞は1965年に創設された中京競馬場の伝統的なハンデ重賞だ。創設当初はダート1800mで行われていたが、現在は舞台を芝1200mに移し、夏のスプリント路線を占う一戦となった。春の高松宮記念、秋のスプリンターズステークスという2つのGIの間をつなぐ位置づけで、短距離馬にとって重要なステップレースの一つに数えられる。
中京開催でのレコードを持っていたアレスバローズは、2018年にCBC賞と北九州記念のGIII2競走を連勝した実力馬だった。その後は成績が振るわず2019年10月に競走馬登録を抹消。種牡馬生活を経て、現在は熊本の牧場で余生を送っている。
森秀行厩舎は、フジヤマケンザンの香港国際カップ制覇やシーキングザパールのフランスGI制覇など、日本調教馬の海外遠征を切り開いてきた実績で知られる。その厩舎に所属するフロムダスクは米国産で、父はBolt d’Oro。血統的な素質を、6歳にして開花させた。
12番人気という低い評価を覆したフロムダスクと、15年越しに重賞初制覇を果たした中井。次走以降どの舞台を目指すのかはまだ発表されていない。遅咲きのコンビが見せた快走は、夏競馬に鮮やかな足跡を残した。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]






































































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