星野世那、DeNAが1位単独指名 滋賀・大津市出身、草津シニアから近江、大商大へ

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10月22日のプロ野球ドラフト会議で、DeNAが大阪商業大学の左腕・星野世那(22)を1位で単独指名し、交渉権を手に入れた。滋賀県大津市の出身で、地元の少年団と草津リトルシニアを経て近江高校へ進んだ。高校では山田陽翔(現西武)の控えだった投手が、大学4年間で最速151キロのエース左腕に育った。
抽選なしの一本釣り、DeNAが1位で交渉権
ドラフト会議は10月22日、東京都内のホテルで開かれた。DeNAは1巡目で大阪商業大学の星野世那投手を指名し、他球団との重複はなく、抽選を経ずに交渉権が確定した。外れ1位ではなく、最初の入札での単独指名だった。この日は12球団で新人選手76人、育成選手51人の交渉権が決まっている。
確定したのはあくまで交渉権で、入団は今後の交渉を経て正式に決まる。DeNAはこの日、星野を含めて計7人を指名した。2位以下は保西雅則(日本航空石川高)、杉本寛斎(ブリティッシュ・コロンビア大)、小金井凌生(青森大)、木口永翔(上武大)、神里陸(ENEOS)、坂口渉(Honda)と続く。
星野は2004年6月14日生まれの22歳。身長179cm、体重78kgの左投左打で、ストレートの最速は151キロ。角度のある直球と、チェンジアップを生かした緩急で打ち取る投球が持ち味だ。
DeNAには、苦い記憶がある。前年のドラフトでは1位で佐々木麟太郎(スタンフォード大)を指名したが、ソフトバンクと重なり、抽選で交渉権を逃した。その後に指名し直したのが青山学院大学の小田康一郎だった。会見で相川亮二監督は「非常に楽しみな選手」と星野を評し、昨年の経緯に触れながら、抽選にならずに済んだことへの安堵を口にした。
大津市の少年団から、草津リトルシニア、近江へ
野球を始めたのは地元・大津市の仰木スポーツ少年団だった。大津市立仰木中学校に通いながら、中学では硬式の草津リトルシニア(草津シニア)でプレーし、滋賀の強豪・近江高校へ進んでいる。
| 時期 | 所属 |
|---|---|
| 小学生 | 仰木スポーツ少年団(滋賀・大津市) |
| 中学生 | 大津市立仰木中学校/草津リトルシニア(草津シニア) |
| 2020〜2022年度 | 近江高校(滋賀) |
| 2023〜2026年度 | 大阪商業大学 |
| 2026年10月 | DeNAが1位単独指名、交渉権を獲得 |
近江では1年秋からベンチに入った。同学年には山田陽翔がいた。後に西武へ進む右腕がエースとしてマウンドを守り、星野は主に控えの立場で、在学中に3度甲子園の土を踏んでいる。3年時の2022年は春のセンバツで準優勝、夏の甲子園でも4強入りしたチームの一員だった。
ただ、本人にとっては悔しさの残る高校時代だった。山田の控えとして試合に出られないことも多く、センバツ決勝の大阪桐蔭戦では救援でマウンドに上がったが、チームは大敗した。センバツ準優勝のときに味わった悔しさが、大学で野球を頑張る原動力になったという。
山田も、同期の吉報を「楽しみです」と心待ちにしていた。
大商大で開花、リーグMVPから大学日本代表へ
関西六大学野球連盟に所属する大阪商業大学では、1年秋にリーグ戦デビューを果たした。富山陽一監督のもとで、自分の弱い部分を鍛え直してもらったと星野は振り返っている。
転機は2年時に訪れる。2024年6月の全日本大学野球選手権で早稲田大学を相手に好投し、全国大会で存在感を示した。同じ年の秋のリーグ戦では最優秀防御率のタイトルを手にしている。
東京ドームで行われた早大戦では、9回途中まで相手に得点を許さず、11三振を奪った。東京六大学の王者を相手に、クロスファイアとチェンジアップで真っ向から渡り合った。4年生になった2026年6月の大学関西オールスターでも、多くの球団のスカウトが見守る前で5回を無失点に抑え、ドラフト候補としての評価を固めた。
4年春はリーグ戦で4勝を挙げて優勝に貢献し、最優秀選手(MVP)に選ばれた。7月には侍ジャパン大学日本代表にも名を連ね、ワールドカレッジベースボールチャンピオンシップ(WCBC)に出場している。高校時代は控えだった左腕が、大学で日本代表まで上り詰めた。
ドラフト当日、名前を呼ばれた星野は目を丸くし、驚きと喜びに包まれた。1位で指名された瞬間について、本人は「正直、このような順位で呼んでいただけるとは思っていなかった。喜びを通り越して、時が止まったような。周りが真っ白になりました」と明かしている。指名後は仲間から胴上げで祝福された。
決め手は「タフさ」、相川監督が期待を語る
DeNAが1位を星野に絞ったのは、会議当日の昼過ぎだった。相川監督は会見で、最終決定がぎりぎりの段階だったことを明かしている。
評価のポイントとして相川監督が挙げたのは体の強さだ。「何しろタフ」と表現し、右打者にも左打者にも内角を突ける投手で、先発でも中継ぎでも1年間投げ抜けると聞いていると説明した。
DeNAでは、1位で入団した東克樹や今永昇太(現カブス)といった左腕がエースに育ってきた。相川監督は会見で、こうした素晴らしい先輩たちの一人になってほしいと期待を寄せた。
球団の評価も高い。木村洋太球団社長は、最も評価していた投手が結果として一本釣りになったという受け止めを示した。長谷川竜也編成部長も、木村社長と星野を今年の左腕でナンバーワンと見ていたことを明かし、プロでもチームを勝たせられる投手になってほしいと注文をつけた。担当スカウトは、ユニークな一面と芯の強さをあわせ持つ人柄を評価している。
指名あいさつは日本シリーズ前日の電話
翌23日には、長谷川編成部長らが東大阪市の大阪商業大学を訪れて指名あいさつを行った。DeNAは24日に横浜スタジアムで開幕する日本シリーズでソフトバンクと戦う予定で、相川監督はその準備のさなかに電話で星野と言葉を交わしている。相川監督はタフさを評価していると伝え、一緒に優勝を目指そうと語りかけた。
星野は「やっと実感が沸きました。きびしい世界で勝負する覚悟が決まった」と話し、少しでもチームの優勝に貢献できるよう、プレーで応えたいと意気込んだ。テレビの取材には「ベイスターズのスターになれるように」と答え、照れ笑いを浮かべる場面もあった。
大津市で野球を始めた少年が、地元の少年団、草津リトルシニア、近江高校と滋賀で力を蓄え、大阪の大学で全国区の投手になった。DeNAとの交渉がまとまれば、星野は横浜で新たなスタートを切る。
近江で同じ時間を過ごした山田は、すでに西武でプロの道を歩んでいる。高校時代はエースの背中を追った左腕が、プロのマウンドでかつての同期と顔を合わせる日も見えてくる。日本シリーズを戦うチームに、最速151キロのタフな左腕が加わろうとしている。
今年のドラフト候補の顔ぶれは、週刊ベースボールの増刊「2026ドラフト候補選手名鑑」にもまとめられている。
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[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]













































































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