鈴木敏夫さん、ジブリ風AI画像を語る 宮崎駿さんは生成AIを知らないと述べ取材拒否の理由も

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スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(78)が朝日新聞の独占インタビューに応じた。生成AIが作った「ジブリ風」画像が話題になった当時、取材依頼を断り続けた理由を明かし、宮崎駿監督が生成AIの存在自体を知らないという事実にも触れている。創作の裏側が見えてくる内容だ。
鈴木敏夫氏が明かした「取材拒否」の真相
朝日新聞は2026年9月6日、鈴木敏夫氏(78)への独占インタビューを配信した。記事に添えられた鈴木氏の写真は同年8月6日、東京都渋谷区で撮影されたものだ。生成AIとの比較を通じて、宮崎駿監督の創作手法やAI時代のジブリ作品の価値について語った内容だ。
生成AIが作った「ジブリ風」の画像が一時期インターネット上に大量に出回り、複数のメディアから鈴木氏への取材依頼が相次いだ。しかし鈴木氏はその多くを断っている。朝日新聞の取材に「当時、取材依頼が殺到したけれど、みんなすぐに飽きると思ったのであえて応じなかった。やはりそうなった」と振り返った。
実際、AI生成の「ジブリ風」画像を巡る熱狂は長くは続かなかった。鈴木氏はその理由について「ある種のアニメーションもAIで簡単に作れるけど、多少の知識がある人ならば全部見破る。あんまり意味はないし、おもしろくもない」と説明している。技術的な目新しさはあっても、見る側はすぐに”作り物”だと気づいてしまう、という見立てだ。
世界を席巻した「ジブリ風AI画像」ブームの正体
「ジブリ風AI画像」が世界的なブームになったのは2025年3月にさかのぼる。米オープンAIが対話型AI「ChatGPT」に新たな画像生成機能を追加し、写真を「ジブリ風にして」と依頼するだけで、あっという間にそれらしい絵に変換できるようになった。
新機能は精度の高い構図と一貫性のある描写を実現し、SNS上では変換した画像を投稿する動きが爆発的に広がった。オープンAIのサム・アルトマンCEOも自身のSNSのプロフィール画像をジブリ風に変えている。一方で、著作権への懸念から反発も相次いだ。SNS上にはスタジオジブリが生成AIアプリに停止を求めたとする警告文まで出回ったが、記載されたメールアドレスが無効だったことなどから、後に偽物と判明している。
ジブリ独特の絵柄を誰でも簡単に模倣できる状況は、当のスタジオにとって歓迎できるものではなかったはずだ。実際、当時取材にあたったBuzzFeed Japanに対し、スタジオジブリの広報担当者は2025年3月28日、「弊社から特にコメントする事はございません」とだけ答えている。今回鈴木氏が明かした”取材を断った理由”は、あの時のスタジオの淡々とした対応の裏側を、当事者自身の言葉で説明するものだ。
宮崎駿はなぜ生成AIを「知らない」のか
インタビューで最も注目されたのは、宮崎駿監督についての一言だった。鈴木氏によると、宮崎は「君たちはどう生きるか」の制作時期から、外部の情報を遮断して創作に向き合ってきたという。ニュースやインターネットから距離を置き、自らの内側にある発想だけを頼りに絵を描き続けるスタイルだ。
その結果、宮崎はそもそも生成AIの存在自体を知らない。鈴木氏はそう明かした。世界中で議論を呼ぶ技術を、当の”元祖”は認識すらしていない。皮肉にも聞こえる話だ。
宮崎とAI技術をめぐっては、2016年11月にNHKが放送したドキュメンタリー「終わらない人 宮崎駿」でのやり取りが知られる。動画配信大手ドワンゴの川上量生会長(当時)が、AI技術を使ったキャラクターの動きのデモ映像を見せた際、宮崎は「極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」と語り、強い不快感を示した。当時披露されたのは”人工生命”と呼ばれる技術で、厳密には現在の生成AIとは異なるが、機械が生み出す表現に対する宮崎の一貫した距離感を示す出来事として語り継がれている。
AI時代のジブリの「価値」、鈴木敏夫の答え
インタビューでは、AIに「AI時代のジブリはどんな存在になるか」を尋ねる場面もあった。回答は、人間が作品を作るとはどういうことかを示す文化的な存在になる、という内容だった。鈴木氏はこの答えを「AIもちゃんと考えていますね」と評価し、皮肉ではなく素直に受け止めた様子がうかがえる。
そのうえで鈴木氏は、宮崎の表現は「AIやCGでは再現できない」と言い切った。効率よく情報を集め、最適解を導き出そうとするAIの手法と、あらゆる情報を遮断したうえで手描きの線に向き合う宮崎のやり方は対照的だ。鈴木氏の発言からは、技術を頭ごなしに否定せず、両者の違いを冷静に見極めようとする姿勢がにじむ。
今後の展望
生成AIが動画や画像を高速に生み出す時代になっても、宮崎の制作スタイルが変わる兆しは今のところ見当たらない。情報を遮断し、時間をかけて手描きで積み上げる手法は、今後も変わらないだろう。
鈴木氏の発言は、ジブリ側がAIを敵視するでも礼賛するでもなく、距離を保ちながら見つめている姿勢を映し出す。ジブリ風画像のブームが去った後も、本家の作品づくりは変わらず続く。次に宮崎が新作を発表する際、その手法が改めて話題になるだろう。
[文/構成 by MediaDogs編集部]


















































































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