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藤尾翔太がチーム離脱、FC町田ゼルビアが発表 浦和戦の約2時間半前、移籍先は未発表

藤尾翔太がチーム離脱、FC町田ゼルビアが発表 浦和戦の約2時間半前、移籍先は未発表

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

FC町田ゼルビアは8月23日、FW藤尾翔太(25)が移籍を前提とした手続きと準備のためチームを離脱すると発表した。同日夜の浦和レッズ戦のキックオフまで、残り約2時間半というタイミング。移籍先は明かされていない。藤尾は試合後にスタンドを周回し、ファンへ別れを告げた。

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キックオフ約2時間半前に届いた一報

町田はクラブ公式Xで、藤尾の離脱をこう告知する。

「この度、藤尾翔太選手が移籍を前提とした手続きと準備のため、チームを離脱することとなりました。今後につきましては、正式に決定次第、改めて皆さまにお伝えさせていただきます」

移籍について伝えられたのはこれだけだった。移籍先も移籍の形態も伏せたまま、報道各社の配信は23日午後5時すぎに始まる。町田と浦和の2026/27明治安田J1リーグ第3節は同日午後7時30分、MUFGスタジアム(国立競技場)でキックオフを迎える予定になっていた。試合開始まで約2時間半。しかも町田にとっては、第3節にしてようやく回ってきたホーム開幕戦だった。

藤尾は浦和戦のメンバーに入っていない。クラブは離脱の告知と合わせて、試合終了後に選手が行うスタンド周回へ藤尾が参加すると伝えた。ピッチではなくスタンドの前で、町田での最後の時間を過ごす段取りになる。

J2優勝と天皇杯初制覇を支えた3年半

J1初出場初得点の相手も浦和だった

藤尾翔太は2001年5月2日生まれ、大阪府和泉市の出身だ。184センチ79キロの体格で、利き足は右。センターフォワードを主戦場にしながら、右ウイングやセカンドストライカーもこなす。町田では背番号9を背負っていた。ドイツの移籍情報サイト、トランスファーマルクトによる推定市場価値は80万ユーロ、日本円でおよそ1億5000万円と評価されている。

話は6年近く前にさかのぼる。2020年9月5日、ヤンマースタジアム長居。セレッソ大阪U-18から同年にトップチームへ昇格した19歳の藤尾は、J1第14節の浦和戦でリーグ戦デビューを飾る。決めたのは後半アディショナルタイムの1点だった。これがJ1初出場初得点になり、C大阪は3-0で快勝している。

その後は水戸ホーリーホック、徳島ヴォルティスへ育成型の期限付き移籍でJ2を渡り歩き、いったんC大阪へ戻った。出場時間を求めて動き続けた数年だ。そして2026年8月23日、同じ浦和との一戦のあとに、藤尾はスタンドを回ってサポーターへ感謝を伝えた。J1で最初のゴールを奪った相手と、町田での最後の一戦で顔を合わせる巡り合わせになる。

33試合8得点でJ1昇格を引き寄せた

藤尾が町田に来たのは2023年3月、C大阪からの育成型期限付き移籍だった。町田は当時J2で、黒田剛監督の1年目。前線から追い回すハードワークと決定力で33試合8得点を挙げ、クラブ史上初のJ2優勝とJ1昇格を引き寄せた。

2024年1月に完全移籍へ切り替わると、J1でも点を重ねる。同年夏にはU-23日本代表としてパリ五輪に出場し、本大会で2得点を挙げた。日本はベスト8まで進んでいる。U-23代表では通算18試合4得点を残した。

町田での最大の仕事は2025年11月22日に来た。舞台は天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会の決勝で、相手はヴィッセル神戸だった。藤尾は前半6分に先制点を押し込み、後半11分には左足のミドルシュートで3点目を決める。町田は3-1で勝ち、クラブ初のメジャータイトルを手にした。藤尾自身は大会通算5得点で得点王に輝いている。

アジアでも足跡を残した。日本時間2026年4月26日、初出場のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)決勝。サウジアラビア・ジッダでアル・アハリと対戦した町田は延長前半に失点し、0-1で敗れてアジア初制覇に届かなかった。それでも決勝トーナメントを無失点で勝ち上がったチームの前線に、藤尾はいた。

町田でのクラブ通算成績は142試合28得点。J2からJ1へ、そしてアジアの決勝までを一緒に駆け上がった3年半だった。

途中出場が続いた今季 厚みを増した前線

今季の藤尾は開幕から2試合続けて途中出場で、得点はない。8月15日にフクダ電子アリーナで行われた第2節のジェフユナイテッド千葉戦も、ベンチスタートだった。理由は前線の顔ぶれにある。

町田のFW陣には、2026年W杯にオーストラリア代表として臨んだテテ・イェンギ、同国の元代表ミッチェル・デューク、日本代表経験を持つ西村拓真、エリキ、徳村楓大が並ぶ。浦和戦で最前線に先発したのは相馬勇紀で、開幕戦でも得点していた。日刊スポーツによると、町田はW杯北中米大会の日本代表FW小川航基(29)をオランダ1部NECナイメヘンから獲得することも確実にしている。同じストライカー型が増えれば、25歳の出場時間はさらに削られる。

関連記事:小川航基、J1町田が獲得へ動くとスポーツ報知が報道 年俸3億円超(推定)の条件提示でクラブは未発表

スポニチアネックスは、途中出場が多い状況を受けて藤尾が出場機会を求めて移籍を決断した、と報じた。

移籍先は未発表 柏移籍の報道が相次ぐ

クラブが移籍先を明かさない一方で、報道は柏レイソルの名前で一致している。スポニチアネックスは24日未明、23日にクラブ間で既に合意していることが分かったとして、近日中に正式発表される見通しだと伝えた。日刊スポーツも同じ24日未明、複数の関係者の話として柏移籍が確実になったと報じる。デイリースポーツも24日、柏が完全移籍で獲得すると伝えた。

柏は2025年の明治安田J1リーグで2位に入り、2026/27シーズンのACLE出場権を得ている。Jリーグは特別大会「明治安田J1百年構想リーグ」の最終順位が確定した6月6日に、アジア各大会の出場クラブを発表した。柏がACLの舞台に立つのは2018シーズン以来で、ACLエリートには初めての参戦になる。スポニチアネックスによれば、柏は藤尾がACLEで決勝まで戦った経験を高く評価したという。

ただし、24日午前の時点で町田と柏のどちらも公式サイトで移籍を発表していない。去就がはっきりするのは、両クラブの正式なリリースが出てからだ。

スタンド周回で告げた別れ 町田は首位を守った

浦和戦は町田が3-1で勝った。前半8分に中村帆高が先制し、前半終了間際に渡邊凌磨へ追いつかれたものの、後半9分に西村拓真、同16分にネタ・ラヴィが決めて突き放す。入場者数は47,781人を数えた。町田はJ1で初の開幕3連勝を飾り、勝ち点9で首位を守っている。3試合で奪った得点は12に達した。浦和は2002年以来となる開幕3連敗を喫している。

この一戦には移籍がらみの縁も重なっていた。町田は今季の開幕前に浦和から松尾佑介を完全移籍で獲得し、2023年まで浦和でプレーしてその後ベルギーへ渡った明本考浩も、Jリーグ復帰先に町田を選んだ。逆に林幸多郎と新井栄聡は町田から浦和へ移っている。この日は明本が町田の左サイドで先発し、林は浦和の最終ラインに入った。

試合が終わると、藤尾はチームメートとともにスタンドを回り、ファン・サポーターへ感謝を伝えた。スポーティングニュース日本版は、突然の離脱を惜しむ投稿がSNSで相次いだと伝えている。

黒田監督は試合後、送り出す側の心境をこう語っている。

「今日は藤尾翔太の最後の日となりました。彼もFC町田ゼルビアの功労者ですので、彼を送り出すのに最高の送り出し方ができたと嬉しく思います」

主将のDF昌子源も、天皇杯の記憶をたぐり寄せて藤尾の功績を口にした。「なんといってもまずは天皇杯。あいつのあれ(得点)がなければ、僕らの初タイトルはなかった」。将来、対戦相手として顔を合わせる場面もありうると水を向けられると、冗談めかして「対戦したら絶対に削ります」と続けている。

黒田監督は7月3日のキックオフミーティングで、今季の目標にJ1優勝を掲げた。その船出となる3連勝を、チームは主力ストライカーの離脱と同じ日に手にした。町田で3年半を過ごしたストライカーの次の行き先が公式に伝わるまで、あと少しかかる。

[文/構成 by スポーツライター ミカ]

寄稿者

Mika
元ブロガーで日本代表戦や海外サッカーのニュースを中心に、スポーツ・エンタメ分野の記事を執筆してきたWEBライター。これまで執筆した記事は2,000本以上。試合日程や結果、選手のプロフィール、移籍情報、国際大会の仕組みなど、日本代表や欧州リーグに関する記事を長く執筆しており、所属クラブが頻繁に変わる選手、複雑な大会方式、海外との時差がある試合日程などを、初めて読む人にも伝わる形へまとめることを得意としている。主な執筆分野は、日本代表、Jリーグ、海外リーグ、チャンピオンズリーグ、ワールドカップ、海外移籍。

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