松井秀喜監督、擬音で打撃指導 小浜佑斗は「パッ、パッ、パーン」、増田陸には約20分

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
巨人の松井秀喜監督(52)が11月3日、川崎市のジャイアンツ球場などで行われている秋季キャンプで、選手への打撃指導を本格的に始めた。荒巻悠、相沢白虎、小浜佑斗、増田陸の4選手に、身ぶりと擬音を交えて助言を送っている。小浜は「パッ、パッ、パーン」と言われたと明かし、増田陸は約20分のマンツーマン指導で、ゴムに例えたスイングの感覚を教わった。
第2クール初日、見るだけの3日間から一転
秋季キャンプは10月30日に始まり、11月3日が第2クールの初日だった。練習日で数えると4日目にあたる。
第1クールの3日間、松井監督は選手の動きを見ることに徹していた。技術の助言を送った相手は、自分から質問に来た知念大成だけだったと報じられている。それがこの日は、自分から動いた。午前は室内で打撃練習をしていた荒巻を手招きして呼び、午後は相沢、小浜、増田陸と続けて指導している。
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指導を受けた4人は次のとおりだ。
| 選手 | 年齢・ポジション | この日の指導 |
|---|---|---|
| 荒巻悠 | 23歳・ | 室内での打撃練習中に呼ばれて助言 |
| 相沢白虎 | 22歳・ | 松井監督が自らバットを持って助言 |
| 小浜佑斗 | 25歳・ | 打撃練習の後に「パッ、 |
| 増田陸 | 26歳・ | 本人の求めに応じて約20分のマンツーマン指導 |
伝え方には共通点がある。言葉で細かく説明するより、実際に体を動かして見せ、そこに擬音を重ねていく。恩師の長嶋茂雄さんを思わせる教え方だ。松井監督は1993年に巨人へ入団した後、長嶋さんから「4番1000日計画」と呼ばれる指導を受けて育った。日米通算507本塁打を放った打者が、その教え方で若手に感覚を渡し始める。
小浜佑斗が聞いた「パッ、パッ、パーン」
小浜は取材に「パッ、パッ、パーン」と、この日言われた言葉を再現した。「動作も加えてだったんで」と続け、分かりやすかったと話している。
狙いはトップ、打撃でいう「割れ」の作り方だった。トップは、バットを振り出す直前に構えが一番深くなる位置のこと。下半身が投手側へ踏み出しても上半身とバットが後ろに残り、体が前後に割れたように見えるので「割れ」とも呼ばれる。報道によると、小浜はトップで1回止まるくらいのイメージで、ボールをしっかり見る時間を作り、その割れを保ったまま打ちにいく方がよいと伝えられたという。
松井監督は、ここでもゴムを例に使った。引っ張ったゴムは、そのまま手を離せば勢いよく飛んでいく。だが、引っ張った後にゆっくり緩めてから離すと、勢いはほとんど残らない。トップで力をためた状態から、ねじった体を一気にほどいて振る。それがスイングの勢いを最大にするという説明だった。
擬音を交えた教え方をする指導者は、これまで珍しかったという。小浜はイメージしやすいと話し、打撃ではリズムが大事だと思うとも語った。来季でプロ2年目。報道によると、小浜は松井監督について、遠すぎて話しかけるのもためらうほどの相手だと明かしつつ、向こうから話しかけてくれると自分からも行きやすいと感謝を口にしたという。
増田陸は約20分、ゴムの例えで「回る」感覚
この日いちばん長く教わったのは増田陸だった。自分から教えを求め、約20分にわたって松井監督と向き合っている。
増田陸が明かした内容も、ゴムの例えが中心だ。ゴムを最大限に引っ張った状態から、その場で一気に回る。体全体で大きく動いていくのではなく、止まった状態からその場で回転する。松井監督はその回る瞬間を、擬音を交えて伝えたという。増田陸は「ゴムを最大限に引っ張った状態から」と言われた言葉を明かし、そこから一気に回れるのが一番だと教わったと話した。
指導の行き着く先はスイングの速さだった。報道によると、増田陸は目付けの問題だと説明し、スイングスピードが上がればボールをより長く見られるようになると言われたという。言葉だけで伝えるのは難しい、とも話していたと報じられた。
身ぶりを見て、音で覚える。増田陸はこの日のうちに練習で試し、習得できれば打撃の幅がかなり広がると手応えを口にしたと伝えられている。
松井監督「納得してもらえる答えを用意したい」
指導を始めた理由について、松井監督は報道陣に、選手それぞれに課題があるはずだと話した。そのうえで「納得してもらえる答えを用意したい」と語っている。報道によると、分からない状況では話ができないとも述べ、第1クールの3日間で気づいた点を選手に伝えた。
動いたのは野手のグラウンドだけではない。報道によると、松井監督はジャイアンツ球場に着くとすぐ、投手陣が秋季キャンプを行うジャイアンツタウンスタジアムへ移り、選手の動きを確かめたうえで杉内俊哉投手チーフコーチや内海哲也投手コーチらと意見を交わしたという。打撃の指導と投手陣の視察を、1日のうちに両方こなしている。
キャンプが始まってからの方針は一貫していた。最初は見て選手の特徴をつかみ、聞かれたら答える。その見る期間が3日間で終わり、第2クールから会話と助言が増え始めた。
就任までの流れも短かった。巨人は10月23日に松井監督の就任を発表し、30日の秋季キャンプ初日に新しいコーチ陣を明らかにした。1軍には再びヘッドコーチを置き、高橋由伸が就いている。
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高橋ヘッドコーチは11月3日、パーカーにユニホームのズボン姿でグラウンドに立った。ユニホームでの現場復帰は監督を務めた2018年以来、8年ぶりになる。報道によると「監督の必要とするものを常に提供する」と、松井監督を支える考えを示したという。
増田陸と小浜佑斗の今季
増田陸は茨城県の明秀学園日立高等学校から2018年のドラフト2位で巨人に入った内野手だ。NPBの記録によると、2026年は63試合に出て打率.236、6本塁打、16打点。プロ8年目の今季は、試合数こそ前年の87から減ったが、本塁打は自己最多を更新した。
小浜は沖縄県出身。沖縄県立中部商業高等学校から社会人の沖縄電力を経て、2025年のドラフト5位で巨人に入団した。NPBの登録名は「小濱佑斗」。ルーキーイヤーの今季は31試合に出場し、打率.200、1本塁打、9打点だった。その1本塁打は7月24日、甲子園球場での阪神戦の延長10回に放ったプロ初本塁打で、首位攻防戦の初戦を制する決勝2ランになった。
レギュラーを争う2人にとって、新監督から直接教わる機会は大きい。
11月3日は「ゴジラの日」
この日は文化の日で、1954年に映画「ゴジラ」の第1作が公開された日でもある。そこから11月3日は「ゴジラの日」とされる。そう知らされた松井監督は「文化の日にゴジラ誕生ね」と笑ったという。
現役時代の愛称は「ゴジラ」。その日に始まった本格指導は、師匠ゆずりの擬音とゴムの例えで、若手の打撃に手を入れていく。2027年シーズンへ向けた準備は、秋季キャンプで続く。
[文/構成 by スポーツ担当ライター TAKU]








































































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