前田大然、プレミア初ゴール マンC戦でドンナルンマとの1対1制し、日本人14人目の得点者に

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
イプスウィッチ・タウンの日本代表FW前田大然(28)が、現地時間10月17日のマンチェスター・シティ戦でプレミアリーグ初ゴールを決めた。0-1の前半21分、DFマルク・グエイとの競り合いに勝って抜け出し、GKジャンルイジ・ドンナルンマとの1対1を左足で制した。日本人のプレミアリーグ得点者は前田で14人目となる。試合はイプスウィッチが2-3で敗れた。
先制から2分後、首位マンCに追いついた同点弾
プレミアリーグ第7節、マンチェスター・シティとイプスウィッチの一戦は、現地時間10月17日午後3時(英国夏時間)、日本時間では同日午後11時にエティハド・スタジアムでキックオフした。前田は先発に名を連ね、5バックの布陣で1トップの斜め後ろに立つシャドーの位置に入った。
均衡が破れたのは前半19分だった。シティのMFフィル・フォーデンがジェレミー・ドクの低いクロスを合わせて先制。ホームの観衆が沸いた直後に、前田が試合を振り出しに戻す。
21分、右サイドでボールを持ったアブドゥル・ウアタラが、シティの最終ラインの裏へスルーパスを送った。前田は並走していたイングランド代表DFグエイの前に体を入れて競り合いに勝つと、そのままペナルティーエリアへ持ち込み、飛び出してきたドンナルンマとの1対1で左足を振り抜く。ボールはGKのニアサイドを抜け、ネットを揺らした。フォーデンの先制点から、わずか2分後の同点弾だった。
データサイトFotMobの集計では、前田がこの試合で放ったシュートはこの1本だけだった。走行距離は9.3km、スプリントは13回を数え、最高速度は時速33.4kmに達している。少ない好機を一発で仕留めた。
だが、シティは崩れなかった。34分にマテオ・コバチッチのクロスをアーリング・ハーランドが頭で押し込んで勝ち越し、後半69分にもハーランドが追加点を奪って3-1とする。ハーランドは85分にもネットを揺らしたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の確認で、直前のプレーにオフサイドがあったとして取り消された。終盤、VARの判定でイプスウィッチにPKが与えられ、ジアン・フレミングがこれを決めて1点差に迫る。12分のアディショナルタイムでも同点には届かなかった。
シティはこれでリーグ開幕から7連勝となった。10月14日の欧州チャンピオンズリーグ(CL)、パリ・サンジェルマン戦で今季公式戦初黒星を喫していたが、リーグ戦では白星を重ねている。
関連記事:ハーランド、パリSG戦でCL通算60得点に到達 出場60試合は史上最速、26歳85日は史上最年少
セルティックから移籍、7試合目でつかんだ初得点
前田は2022年1月に横浜F・マリノスからスコットランドのセルティックへ移った。セルティックでは公式戦212試合で79ゴール38アシストを記録し、5度のリーグ優勝を含む計10個のタイトル獲得に貢献している。移籍直前の2025-26シーズンも公式戦54試合で17ゴールを挙げ、5月23日のスコティッシュカップ決勝では先制点を決めて優勝に貢献した。日本代表では2022年カタールW杯のクロアチア戦に続き、2026年北中米W杯でも1次リーグのスウェーデン戦でゴールを決めた。
イプスウィッチが前田の完全移籍での加入を発表したのは、2026年7月25日だった。契約期間は2029年6月30日までの3年。移籍金は非公表だが、報道によると800万ポンドに最大200万ポンドのボーナスが付くとされる。前田はクラブ史上初の日本人選手となった。
加入時、前田はクラブを通じて「常に走り、僕の力すべてをささげたいと思います」とコメントし、プレミアリーグでのプレーは長年の夢だったと明かしていた。
イプスウィッチは2024-25シーズンにプレミアリーグから降格したが、チャンピオンシップ(2部)では5月2日の最終節でQPRに3-0で勝って2位を確保し、1年でプレミアに戻ってきた昇格組だ。夏にはキーラン・マッケンナ監督に代わり、ギャリー・オニール監督が就任している。
新天地での道のりは平坦ではなかった。開幕から3試合は先発したものの、第4節と第5節は途中出場に回る。第6節で先発に戻り、続く第7節の首位シティ戦で、出場7試合目にしてようやく初ゴールが生まれた。この日は71分までプレーし、アブドゥル・ファタウと交代している。
指揮官「練習で取り組んできた形」と狙いを明かす
試合後、オニール監督はゴールの場面を詳しく説明した。地元メディアの取材に「良いゴールだった。我々が練習で取り組んできた形だ」と語り、この日は攻撃時に前田を普段より高い位置でプレーさせたと明かしている。
狙いはシティの高い最終ラインだった。オニール監督は「マンチェスター・シティは非常に高いディフェンスラインを敷くため、大然とエメルソンのスピードを生かせば、その背後を突けると分かっていた」と説明し、「大然はスピードとフィジカルを生かし、見事なフィニッシュを決めた」とたたえた。一方で「勝ち点を獲得できると信じていたので、本当に悔しい」とも漏らしている。
前田本人も試合後に自身のXを更新した。「プレミアリーグでの初ゴール。夢が叶いました!」と書き込み、多くの人の支えがあってこそのゴールだったと、応援への感謝をつづった。
現地の評価も高い。イプスウィッチの地元サイトTWTDのサポーター採点で、前田は10月18日時点で10点満点の7点台を付けられ、チーム単独トップに立っている。同サイトは「非常に自信に満ちたフィニッシュを見せた」と記している。現地の実況も、ニアの狭い隙間を射抜いたシュートを「本当に素晴らしいフィニッシュだ」と伝えた。
鎌田大地に続き、2節連続で日本人が初得点
日本人のプレミアリーグ得点者は、稲本潤一、中田英寿、香川真司、吉田麻也、岡崎慎司、武藤嘉紀、南野拓実、三笘薫、冨安健洋、遠藤航、菅原由勢、田中碧と続いてきた。前節の第6節では、クリスタル・パレスの鎌田大地がノッティンガム・フォレスト戦で待望のプレミア初ゴールを決め、13人目に名を連ねたばかりだった。
前田はそれに続く14人目となる。日本人選手のプレミア初ゴールが、2節続けて生まれたことになる。
チームは敗れ、イプスウィッチはこの試合を終えて3勝4敗。それでも、首位を走るシティから奪った1点は、残留を目指す昇格組にとって前向きな材料だ。
イプスウィッチの次戦は、現地時間10月23日のホームでのノッティンガム・フォレスト戦。指揮官が用意した「裏を突く」役割で結果を出した前田が、2試合連続ゴールに挑む。
[文/構成 by スポーツライター ミカ]










































































コメントはこちら