カブラル選手、アルゼンチン戦の同点弾がW杯最優秀ゴールに 延長前半13分のカーブシュート

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カーボベルデ代表のDFシドニー・ロペス・カブラル選手(23)=トラブゾンスポル=が、FIFAワールドカップ2026の大会最優秀ゴールに選ばれた。舞台は7月3日、決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦。延長前半13分、ペナルティエリア左からマック・アリスターをかわして放ったカーブシュートが世界一の栄誉をつかんでいる。ファン投票の結果は7月27日に発表され、メッシやムバッペの候補ゴールも抑えた。
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カブラルの一撃、ファン投票で世界一のゴールに
国際サッカー連盟(FIFA)は7月27日、大会最優秀ゴール「ヒュンダイ・ゴール・オブ・ザ・トーナメント」の受賞者を発表した。選ばれたのは、カーボベルデがアルゼンチンと対戦した決勝トーナメント1回戦でカブラルが決めた一撃だ。
試合の舞台は7月3日、米フロリダ州マイアミガーデンズのハードロック・スタジアムだった。前回優勝国アルゼンチンに1点差で追う延長前半13分、カブラルはペナルティエリア左でボールを受けると、相手MFアレクシス・マック・アリスターをかわして中へ切り込む。振り抜いた右足のシュートは、GKエミリアーノ・マルティネスの手が届かないゴール右上へと吸い込まれ、試合は2-2の振り出しに戻った。
受賞を決めたのはファン投票だ。候補にはリオネル・メッシやキリアン・ムバッペ、日本代表FW前田大然(対スウェーデン戦)のゴールに加え、ウズベキスタン代表のエルドル・ショムロドフやハイチ代表のウィルソン・イシドールが決めた得点も並んでいたが、大会初出場のカーボベルデが放った一撃がこれらを抑えて頂点に立った。
人口53万人の初出場国が見せた大健闘
カーボベルデは人口約53万人の島国で、2018年ロシア大会に出た人口約35万人のアイスランドに次ぎ、ワールドカップに出場した国としては史上3番目に人口が少ない(今大会には人口約16万人のキュラソーも初出場し、アイスランドの記録を更新して史上最少人口の出場国となったが、グループステージで敗退している。決勝トーナメントに進出した国としては、カーボベルデが史上最少人口となる)。今大会が初出場ながら、グループステージの3試合をすべて引き分けで終えて2位に入り、決勝トーナメント進出を決めていた。
アルゼンチン戦も、下馬評をよそに際どい展開になった。前半29分にメッシが先制すると、後半14分にはデロイ・ドゥアルテが追いつき、試合は1-1のまま延長戦に突入する。延長前半2分、リサンドロ・マルティネスのゴールでアルゼンチンが勝ち越した。だが、その11分後、今度はカブラルが試合を振り出しに戻す同点弾を突き刺す。
最終的には延長後半にロメロのヘディングがディネイ・ボルジェスに当たったオウンゴールで決勝点となり、アルゼンチンが3-2で振り切って16強入りした。カーボベルデの初出場は決勝トーナメント1回戦で幕を閉じている。なお、この一戦は大会の決勝ではない。アルゼンチンはその後も勝ち上がったものの、7月19日の決勝でスペインと対戦し、延長の末0-1で敗れて優勝を逃した。
ドイツ下部リーグから世界一のゴールへ
なぜ無名に近いDFが、世界最高峰の舞台でこれほどのゴールを生み出せたのか。答えはカブラルのこれまでの歩みにある。
オランダ・ロッテルダム生まれのカブラルは、下部組織のFCトゥウェンテやヘルシンボリを経て、2022年にドイツ5部リーグのロートヴァイス・エアフルトへ加入した。当時の月給は850ユーロほどで、「カーテン代わりにゴミ袋を使っていた」というほど生活は苦しかったという。
そこから流れは大きく変わる。エアフルトの4部昇格に貢献すると、ドイツ3部のヴィクトリア・ケルンへ移籍。2025年にはポルトガルのエストレラ・ダ・アマドーラへ加入し、半年で5得点3アシストを記録、アウェイでのハットトリックも決めて各国のスカウトの目に留まった。同年12月、名門ベンフィカが2030年までの契約を提示してカブラルを迎え入れ、2026年6月にはトルコの強豪トラブゾンスポルへ完全移籍している。
本職はサイドバック(左右両サイド対応、右起用も多い)で、両足を使ったクロスやカットインを得意とする。守備でも粘り強さに加えて時速30キロを超えるスピードを持ち味とする選手だ。カーボベルデ代表としての経験はまだ浅く、代表入りは2023年、初得点は2025年5月のマレーシア戦だった。
ゴールの後には、家族との場面も語り草になっている。カブラルは試合前、母と交際相手に「決めたら駆け寄る」と約束していたという。有言実行でスタンドに駆け寄ると、母は感激のあまり気を失い、周囲が声をかけて支える一幕もあった。
米欧の主要メディアも軒並み速報
FIFA公式に加え、米国のFOXスポーツやABCニュース、中東のbeIN SPORTSなど各国の主要メディアが、この受賞をそろって速報した。前回優勝候補だったメッシやムバッペのゴールも候補に並ぶ中、無名に近い存在だったカーボベルデの一選手が決めた一撃に、海外のファンからも大きな反響が寄せられている。
トラブゾンスポルで迎える新天地
カブラルは、2026年6月付けでベンフィカからトラブゾンスポルへ完全移籍している。3年前までドイツの下部リーグでプレーしていた選手が、世界的な大舞台で最も記憶に残るゴールを決め、公式の栄誉まで手にした。
カーボベルデにとっても、大会初出場で決勝トーナメントに勝ち進み、その中の1点が世界一のゴールに選ばれたという事実は、今後の育成やサッカー人気の追い風になりそうだ。一方のアルゼンチンは、この試合を勝ち上がりながらも決勝でスペインに敗れ、優勝を逃している。それでも、カブラルが決めた同点弾は、この大会で記憶に残る名場面になった。
[文/構成 by スポーツライター ミカ]



























































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