新幹線の包丁持ち込み、JR東海がルールを説明 刃渡り6cm超は直ちに取り出して使用できない状態が必要

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東海道新幹線の車内で年配女性が包丁で梨の皮をむいたとする投稿がSNSで拡散し、JR東海がルールを説明した。刃渡り6cmを超える刃物はさやなどに収納し、直ちに取り出して使用できない状態にする必要がある。6cm以下でも車内での使用は禁止で、袋への収納が必要だ。果物をむく目的でも例外は認められない。
6cm超の刃物は「取り出せない状態」が必須
JR東海は、東海道新幹線の車内への刃物の持ち込みについて、報道の取材に応じて基準を説明した。回答は7月27日までに配信された記事で明らかになった。
刃渡りが6cmを超える刃物は、悪意を持って使われたり、誤って他の乗客に触れたりした場合に重大な結果を招く危険性が特に高い。このため車内に持ち込む際は、直ちに取り出して使用できない状態にしておく必要がある。具体的には、刃先をさややケースに収納するか、段ボールなどで刃先を覆った上で刃物全体を新聞紙などに包み、丈夫な袋やカバンにしまっておく。小売店で購入した際の梱包状態をそのまま保っていれば、それでもよい。
一方、刃渡り6cm以下の刃物についても、車内では使用せず、袋などに収納しておくことが必要だ。JR東海の担当者はこの点について、「したがって、果物をむく等の目的であっても、車内で刃物を使用することはできません」と説明している。長さの違いで梱包の厳しさは変わっても、車内で刃を出して使うこと自体は一律に認められない。
梨むき投稿と北陸新幹線の通報が発端
発端は、東海道新幹線の車内で年配の女性が座席で包丁を取り出し、梨の皮をむいて食べていたとする目撃投稿がSNSで拡散したことだった。「昭和の光景」だと懐かしむ声がある一方で、現在のルールに照らせば適切ではないと指摘する声も出て、受け止めは割れた。
6月にも、北陸新幹線をめぐって刃物の通報があった。6月19日午後2時15分ごろ、東京発金沢行きの「かがやき537号」が停車していた大宮駅に、乗客から「荷物から刃物の柄のようなものが見える」との連絡が入った。埼玉県警がホームで所持品を確認すると、30代の男性のリュックから包丁のようなものが見つかっている。列車は約20分後に運転を再開し、影響を受けた乗客は約600人に上った。男性にけがはなかった。
相次いだこれらの出来事を受け、JR東海に対しあらためて車内での刃物の扱いを問う取材が寄せられ、今回の説明につながった。JR東海の担当者は「手回り品の詳細なルールは駅のポスターや弊社ホームページでご案内しております」とも述べ、乗車前の確認を呼びかけている。
銃刀法とは別、鉄道運輸規程が定める基準
車内への刃物持ち込みルールの根拠は、国土交通省が定める鉄道運輸規程(昭和17年鉄道省令第3号)第23条だ。国土交通省は2018年6月9日に起きた東海道新幹線のぞみ号車内殺傷事件を受け、同年12月に同規程を改正し、車内への刃物の持ち込みについてルールをはっきりさせた。あわせて「刃物を鉄道車内に持ち込む際の梱包方法についてのガイドライン」を公表し、6cm超・6cm以下それぞれの梱包例を具体的に示している。
ここでいう「刃物」とは、包丁やナイフ、牛刀、鎌、はさみ、のこぎりなどを指す。日本刀や剣、あいくちといった「刀剣類」はこれに含まれない。刀剣類は銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)第3条で所持そのものが原則禁止されており、鉄道運輸規程とは別の、より厳しい枠組みで規制されている対象だ。
6cmという長さの基準は、鉄道運輸規程だけのものではない。銃刀法第22条にも、正当な理由のない刃渡り6cm超の刃物の携帯を、鉄道車内かどうかを問わず原則禁止する定めがある。違反した場合は2年以下の懲役または30万円以下の罰金の対象になる。鉄道車内での梱包ルールが乗車時の取り扱いを定めたものであるのに対し、銃刀法の携帯禁止は公共の場での所持行為そのものを規制するものだ。同じ6cmという数字を使いながらも、根拠となる法令と適用の場面はそれぞれ異なる。
2025年4月1日には、国土交通省や警察庁、JR6社、日本民営鉄道協会などが共同で「列車内への危険物持込禁止のご案内」をまとめた。適切に梱包されていない刃物を含む危険物の持ち込みは法令等で禁止されており、持ち込もうとした場合は乗車を断る対応も明記されている。
「昭和の光景」に割れた受け止め
SNS上でこの投稿が拡散すると、受け止めは一様ではなかった。ゆったりとした車内の一場面を懐かしむ声がある一方、今のルールに照らせば望ましくない行為だとする声も上がり、賛否が分かれた。
JR東海が今回あらためてはっきりさせたのは、梱包さえしていれば車内で刃物を使ってよいわけではないという点だ。果物をむくという穏やかな目的であっても、車内での使用そのものが認められていない。持ち込みが想定されているのはあくまで移動のために携行する状態であり、車内で刃を出して使うことは、6cmの長短にかかわらず前提とされていない。
JR各社に共通するルール、乗車拒否もありうる
今回JR東海が説明した基準は、東海道新幹線だけの独自ルールではない。鉄道運輸規程はJRや私鉄、第三セクターを含む鉄道事業者に共通して適用される国の省令で、各社はこれを踏まえた旅客営業規則を定めている。2025年4月1日からの共同案内でも、危険物を持ち込もうとした場合に列車への乗車を断る対応が明文化された。
今回のようにSNSでの目撃投稿や、手荷物から刃物が見えたとする通報が相次いだことで、鉄道事業者が持ち込みルールを説明する場面も増えている。刃物を新幹線や在来線に持ち込む際は、購入時の梱包を保つか、さややケースに収納した上で丈夫な袋にしまうなど、周囲に不安を与えない扱いが求められる。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
































































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