ムヒ、発売100年でギネス世界記録 『最も長く市販されている虫さされかゆみ止めブランド』に認定

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かゆみ止め薬「ムヒ」が発売から100年を迎え、2026年7月25日、『最も長く市販されている虫さされかゆみ止めブランド』としてギネス世界記録に認定された。製造販売元の池田模範堂(富山県上市町)によると、初代ムヒは1926年、缶入りの軟こうとして発売されたという。
富山の式典で公式認定証を授与
認定式典は7月25日午後2時、富山市の富岩運河環水公園メインステージで開かれた「ムヒ百歳祭」の中で行われた。ギネスワールドレコーズ公式認定員の寅巴里(トラバリー)・アイニが記録の認定を宣言し、池田模範堂の代表取締役社長・池田嘉津弘に公式認定証を手渡した。会場は大きな拍手に包まれ、集まった住民らとともに100年の節目を祝う瞬間になったという。
発売の1926年から2026年まで、ちょうど100年。同じブランド名のまま市販薬として売られ続けてきた期間の長さそのものが、今回の記録として認められた。
虫刺されに悩む養蚕業の労働者のために誕生
ムヒの始まりは、養蚕業が盛んだった時代にさかのぼる。蚕を育てる現場では、殺虫剤をまくと蚕まで死んでしまうため使うことができない。そのため桑畑などで虫刺されに悩まされていた労働者のために開発されたのがきっかけだった。商品名は、比べるものがないほど優れているという意味の「無比」にちなんで名付けられたという。
発売当初のムヒは、缶に入ったワセリン軟こうだった。1926年は大正から昭和へと元号が変わる年でもあり、ムヒはその節目の年に誕生した。虫刺されという身近な悩みに、当時としては珍しい発想で向き合った一品といえる。
模倣品を乗り越え家庭の常備薬に
発売翌年の1927年、ムヒはチューブ入りの製品に切り替わった。使いやすさが評価されて人気を集める一方、模倣品も相次いだという。1931年には白いクリーム状の製品が登場し、爆発的な売れ行きを記録。家庭の常備薬としての地位を築いていく。
1962年にはテレビCMを開始し、広告展開を強化していった。1970年には赤と白を基調にした「ムヒS」を発売。現在まで続く定番デザインの原型となった。1990年には「ムヒパッチ」を発売し、アンパンマンとのコラボレーションを実現。医薬品のパッケージにアニメキャラクターを起用した、初めての例となった。
海外にも活躍の場を広げ、1962年には香港とマカオへの輸出を始めた。1971年には液体タイプの「ムヒL」を発売し、1988年には「液体ムヒ」へと呼び名を改めた。2017年からは台湾への輸出も加わっている。
現在は、ダニやノミ、毛虫、ムカデ、クラゲなど幅広い虫さされ・かゆみに対応する「ムヒアルファEX」、乳幼児向けの「ムヒベビー」など、用途に応じた製品群に育っている。缶入り軟こう1品から始まったブランドは、100年をかけて一つの製品群へと広がった。
「暮らしに寄り添う薬づくりを」と社長
池田模範堂は1909年、富山で配置薬(置き薬)を扱う商いとして創業した。富山は古くから薬売りの土地として知られる。ムヒもその歩みの中から生まれ、以来100年にわたって製造が途切れることなく続いてきた一品だ。
池田はプレスリリースでコメントを寄せた。「初代ムヒの発売から100年。この記録は当社だけのものではなく、ムヒを夏の相棒として選び続けてくださったお客さま一人ひとりとともにつくった記録だと感じています」とし、「虫さされに悩む人々を救いたいという創業の想いを胸に、101年目からも、暮らしに寄り添う薬づくりを続けてまいります」と続けた。
記念商品や環境配慮の新パッケージも
100周年に合わせ、池田模範堂は特設サイトを開設している。7月25日と26日には、富山県内の企業8社と組んだ記念商品17点が登場。連動会場の富山市親水広場で販売されたほか、メイン会場では1回100円の巨大カプセルトイの景品としても展開された。会場では色とりどりのランタンが夜空に放たれる「ランタンナイト」も行われ、節目を祝う二日間となった。
記念事業の一つとして、若手研究者を表彰する「池田模範堂賞」も新たに設けた。2024年6月1日に制度を立ち上げ、2025年10月20日に開いた第1回の授賞式では、富山大学と富山県立大学の研究者3人を表彰している。対象は薬学の専門研究に限らず、健康科学に関わる研究全般の博士論文で、受賞者には富山ガラス工房の作家が手がけたグラスや装飾品が贈られた。富山のガラス産業は、もともと薬瓶づくりから広がったとされる。
環境への取り組みも進めている。主力商品「ムヒS」は2025年3月下旬の出荷分から、パッケージに同梱していた説明文書を廃止し、内容をパッケージ内側に記載する仕様に変えた。この見直しで、年間およそ4トンの紙の使用量削減につながるという。
池田模範堂は、2035年に向けたビジョンとして「ワクワク創造企業」への転換を掲げている。虫さされのかゆみ止めという一つの分野で世界に例のない実績を積み重ねてきた歴史を土台に、101年目からの歩みを進めていく。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]



































































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