安青錦、大関復帰場所で巴戦制し劇的優勝 本割は熱海富士に敗れるも史上初の”即V”

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大相撲名古屋場所は26日、愛知・IGアリーナで千秋楽を迎えた。本割で関脇安青錦(22)=安治川部屋=は同じ関脇の熱海富士(23)=伊勢ケ浜部屋=に敗れたが、大関霧島を含む3人が12勝3敗で並び、優勝決定巴戦へ突入。安青錦が2連勝で制し、3場所ぶり3度目の優勝をつかんだ。
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熱海富士に土をつけられるも12勝3敗で3人が並ぶ
千秋楽の本割、安青錦は熱海富士に押し出されて土をつけられた。これで安青錦、熱海富士、大関霧島の3人が12勝3敗の横並び。優勝の行方は、同日夕方に組まれた3人による巴戦へ持ち越された。
巴戦はまず熱海富士と霧島の一番から始まった。制したのは熱海富士だ。安青錦はここで初めて土俵に上がると、本割の借りを返すように熱海富士から白星をもぎ取り、王手をかけた。そのまま迎えた霧島戦も寄り切りで下し、2連勝で優勝を手中に収めた。低く当たって頭をつけながら左下手を引き、左足を掛けて崩しながらの寄り切り。優勝が決まったのは午後6時4分過ぎだった。この日は幕内だけでなく十両・幕下・三段目でも優勝決定戦が組まれる異例の一日となり、幕内の取組開始が午後4時10分過ぎまでずれ込んだ影響で、NHKの大相撲中継は予定を20分超えて放送された。
巴戦は本来、同じ星で並んだ力士が複数いる場合の優勝決定方式だ。まず2人が対戦し、勝者がもう1人に挑む。連勝が生まれるまで対戦は続き、負ければその場で脱落する。安青錦は最初の対戦こそ見送られたが、2番目の相手として登場するといずれも制し、最短の2番で優勝を決めた。
全休からの再挑戦、11日目に復帰の条件を満たす
安青錦は前回の夏場所を左足首のけがで全休していた。当時は大関の地位にあったが、直前の3月の春場所ですでに7勝8敗と負け越して角番に入っており、夏場所の全休が2場所連続の負け越しとなって陥落した。今場所は関脇からの再挑戦だった。
大関は2場所連続で負け越すと陥落する規定があり、全休は当然ながら負け越し扱いとなる。一度離れれば通常は複数場所をかけて再昇進をめざすことになり、長い道のりを覚悟しなければならない立場だ。
だが今回は特例措置が適用され、1場所で10勝以上を挙げれば次の場所での復帰が認められる仕組みが用意されていた。安青錦はこの条件を、千秋楽を待たずにクリアしている。11日目の7月22日、東前頭2枚目の豪ノ山を寄り切りで下して10勝目を挙げ、9月の秋場所での大関復帰が決まった。本割で熱海富士に敗れた時点で、復帰そのものはすでに確定済みだったことになる。
その復帰が決まった場所で優勝まで果たしたのは史上初めてだという。特例による1場所での大関復帰自体、実現した力士は多くない。安青錦は特例復帰を果たした7人目の力士で、過去には貴ノ浪、武双山、栃東らが名を連ねる。師匠の安治川親方は夏場所全休を決めた5月15日の時点で「来場所は10勝ではなく、優勝を目指す」と語っており、有言実行の結果でもあった。
痛めた左足親指、それでも掴んだ白星
安青錦は8日目の相撲でも土俵際の駆け引きを見せている。隆の勝を押し出して勝った直後にバランスを崩し、左足の親指を新たに痛めた。以降も休場せず出場を続け、万全とは言えない状態のまま千秋楽までこぎ着けている。
それでも土俵を降りる決断はしなかった。テーピングで固めながらの出場が続き、立ち合いの踏み込みにも影響が出かねない状況の中、それでも勝ち星を重ねていった。
優勝インタビューでは「やり切ったなという感じです」と第一声を残した安青錦。大関から転落した悔しさの中でも「自分はここで終わる人間じゃない」という思いを支えにしてきたという。
熱海富士は3度目、霧島は2場所連続の準V
一方で、優勝を逃したのが熱海富士と霧島だ。熱海富士は2002年9月3日生まれ、静岡・熱海市の出身。地元の名を四股名に持つ関脇で、飛龍高校を経て伊勢ケ浜部屋に入門した。今場所は横綱豊昇龍を寄り倒す、11日目には大の里も破るなど2横綱を破る力強さを見せ、本割は12勝3敗の成績を残した。それでも優勝決定戦での敗退は今回で3度目となり、初優勝はまたも持ち越しとなった。
霧島にとっても、決して楽な結果ではない。2場所連続で優勝決定戦に進みながら、いずれも制することができていない。大関の看板を背負う立場だけに、名古屋の悔しさをどう秋場所につなげるかが問われる。
秋場所で大関に、めざすは番付の頂点
安青錦は9月の秋場所から、番付上も名実ともに大関の地位へ戻る。今場所は関脇としての優勝だったが、これで肩書と実績の両方がそろった。大関は横綱に次ぐ地位で、番付の最上段に名を連ねる力士はわずかしかいない。ただし在位が保証されるわけではなく、年に6場所、常に成績を問われ続ける立場でもある。
今後については「安青錦らしく我慢強く相撲を取って、一番上の番付を目指していきます」と語った。一番上の番付とは、大関のさらに先にある横綱を指す。左足の状態がどこまで回復するか、そして大関としての初陣をどう戦うか。秋場所への注目は、すでに始まっている。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]



































































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