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名城大・木村真桜、全日本大学女子駅伝の最長5区で区間賞 「不破さんを超えたい」1年生の茨城キリスト高時代と出身中学、都大路1区の経歴

名城大・木村真桜、全日本大学女子駅伝の最長5区で区間賞 「不破さんを超えたい」1年生の茨城キリスト高時代と出身中学、都大路1区の経歴

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

名城大1年の木村真桜が10月25日、第44回全日本大学女子駅伝で最長9.2kmの5区を28分50秒で走り、区間賞を手にした。大学駅伝デビュー戦で、区間記録保持者の不破聖衣来、サラ・ワンジルに次ぐ区間歴代3位のタイム。名城大は大会新記録の2時間2分21秒で、3年ぶり9度目の優勝を飾った。

全日本大学女子駅伝の最長5区で区間賞 名城大3年ぶりVを決めた28分50秒

木村は茨城県の泉丘中学校から茨城キリスト教学園高等学校へ進み、全国高校駅伝(都大路)では3年連続で1区を任された。インターハイには一度も出場していない。高校の全国大会では目立つ結果を残せなかった選手が、大学1年の秋に日本一のチームの勝負区間を担うまでの道のりを、出身中学から順にたどる。

大会は弘進ゴムアスリートパーク仙台を発着点とする6区間38.0kmのコースで、雨が降る中、12時10分にスタートした。名城大は2区の近藤希美(3年)が12分36秒の区間新記録で先頭に立ち、4区を終えた時点で2位に42秒のリードを持っていた。

5区で襷を受けたのが木村だった。50秒後方からは、前回この区間を28分25秒で走った大東文化大4年のサラ・ワンジルが追ってくる。それでも差は詰まらない。木村は28分50秒で区間賞を取り、区間2位のワンジルに18秒先着、リードを1分08秒まで広げて6区へつないだ。

日本学生陸上競技連合の公式記録によると、名城大の区間成績は次のとおりだ。

区間(距離)選手(学年)タイム区間順位
1区(6.6km)真柴愛里(1年)21分09秒2位
2区(4.0km)近藤希美(3年)12分36秒1位(区間新)
3区(5.8km)力丸楓(4年)18分59秒2位
4区(4.8km)村岡美玖(4年)16分02秒3位
5区(9.2km)木村真桜(1年)28分50秒1位
6区(7.6km)橋本和叶(2年)24分45秒1位

区間賞は2区、5区、6区の3つ。アンカーの橋本和叶も区間賞で締め、2位の大東文化大に1分10秒差をつけてゴールした。名城大は2023年に史上最長の7連覇を成し遂げたあと、2024年は4位、2025年は3位にとどまっていた。

膝裏の痛みを抱えたデビュー戦 「不破さんを超えたい」と監督に伝えていた

万全の状態で迎えたレースではなかった。報道によると、木村はレースの1週間前から膝の裏に痛みがあり、最悪の場合はレースをやめることも想定していたという。米田勝朗監督は細かい指示を出さず、「好きなように走っていいよ」と送り出していた。

レース後の取材に対し、木村は胸の内を明かしている。

「走る前は正直、サラさんに追われるのは不安というか怖い気持ちもあった」

区間賞でチームに貢献できたことは良かったとしつつ、「個人としては満足のいく走りはできなかった」とも口にした。別の報道では、「レースは楽しんで伸び伸び走れた」と振り返り、「もっとレベルアップをしたい」と話したと伝えられている。

目標に置く相手ははっきりしている。拓殖大1年だった2021年、5区で28分00秒の区間記録を出した不破聖衣来だ。木村はその走りを見て「凄いなあ」と感じ、大学に入ってタイムが伸びるにつれ、「不破さんを超えたい」と考えるようになった。米田監督には「不破(聖衣来)さんと勝負したいんです」と伝えていたという。全日本と富士山女子駅伝の区間記録、さらに不破の学生記録を、この4年間で破りたいと話す。

28分50秒は、5区で29分を切った史上4人目の記録だ。日本人選手に限れば、不破に次ぐ2番目のタイムになる。

順位選手(当時の所属)5区のタイム年
1不破聖衣来(拓殖大1年)28分00秒2021年
2サラ・ワンジル(大東文化大)28分25秒2025年
3木村真桜(名城大1年)28分50秒2026年

米田監督は木村を「すごく感性が強い、走りの感覚を自分の中で凄く持っている子」と表し、この日の走りを「100点満点だった」とたたえた。監督の見立てでは、木村は集団の中よりも単独で走るほうが力を出せるタイプだという。

出身中学は茨城県の泉丘中学校 全国中学生クロカンで初の全国タイトル

最初の全国タイトルは、中学3年の冬だった。泉丘中学校3年だった2023年2月5日、滋賀県の希望が丘文化公園で開かれた第8回全国中学生クロスカントリー大会の女子3年の部(2km)に出場し、6分47秒で優勝している。1kmを過ぎたあたりから長いスパートをかけ、そのまま逃げ切った。

中学時代、トラックの全国大会には出られなかった。個人で全国の舞台に立ったのは、このクロスカントリー大会が初めてだった。

レース後には「初めて個人で全国大会に参加したので、このような結果でとてもうれしいです」と喜び、高校では「インターハイでも活躍できるような強い選手になりたいと思います」と次の目標を口にしている。

名城大の公式サイトの紹介記事によると、中学生の頃は、東京五輪の男子3000m障害で7位に入った三浦龍司に憧れていたという。

高校時代は茨城キリストで都大路3年連続1区 インターハイ出場はなし

高校は、茨城県日立市にある茨城キリスト教学園高等学校に進んだ。「茨城キリスト」の呼び名で知られ、都大路に28回出場している女子駅伝の強豪校で、木村は1年生から3年間、エース区間の1区を走り続けた。

茨城県高校駅伝は3年連続で1区区間賞

県大会では、3年間すべてで1区の区間賞を取った。1年生だった2023年10月28日の茨城県高校駅伝は、1区6kmを20分16秒で走り、2位に1分03秒の差をつけている。2年生の2024年は19分46秒で、後続に27秒差の区間賞スタートだった。

3年生の2025年10月25日には、1区を19分05秒で走って区間新記録を打ち立てた。茨城キリストはこの年、6年連続27回目の優勝を飾り、28回目の都大路出場を決めている。続く関東高校駅伝でも、木村は1区の区間賞を取った。

都大路は3年連続1区、インターハイには届かず

全国の舞台では、思うような結果に届かなかった。京都で開かれる全国高校駅伝では3年連続で1区を任されたが、同じ紹介記事によると、2年時は区間16位、3年時は区間12位だった。

インターハイにも、個人では一度も出場していない。木村自身は、地区大会に向けた調子の合わせ方に失敗し、実力も足りなかったと分析している。高校で取り組んだ種目は、3000mまでが中心だった。

中学3年の冬に掲げたインターハイでの活躍は、高校では果たせなかった目標になる。

名城大を選んだ理由と日本インカレ10000m2位、5000mの記録

進学先に名城大を選んだ理由は、勝てるチームで走りたいという気持ちだった。

「あまり全国で活躍するような結果を出せていません。でも大学でやるからには優勝を目指すチームでやりたいと思いました」

2026年4月に名城大人間学部へ入学した。学業では、英語の教員免許の取得を目指している。

入学前の3月20日には、京都産業大学の競技会で初めて5000mを走り、15分46秒58をマークした。4月24日の日本インカレ(天皇賜杯第95回日本学生対校選手権)では、これも初挑戦の10000mで32分31秒56を出し、2位に入った。優勝したワンジル(31分23秒69)には届かなかったものの、日本人選手ではトップだった。

序盤から集団を抜け出し、ほぼ一人で走りきったレースだった。木村は「初めての10000mで分からない部分もありました。とにかくサラさんの背中だけを見て走りました」と語る一方、日本選手権の参加標準記録(32分11秒00)に届かなかったことから「悔しさのほうが大きいです」とも話している。

その10日後、5月4日のゴールデンゲームズinのべおかでは、5000mで15分44秒21と自己記録を縮めた。大学での伸びについて木村は、長い距離に挑んだことで自分の持ち味が生きていると感じているという。

木村真桜の主な経歴 泉丘中から名城大までの年表

中学3年から大学1年の秋までの主な成績をまとめた。

時期所属・学年大会・できごと成績
2023年2月泉丘中3年第8回全国中学生クロスカントリー大会 女子3年(2km)優勝(6分47秒)
2023年10月茨城キリスト1年茨城県高校駅伝 1区(6km)区間賞(20分16秒)
2023年12月茨城キリスト1年全国高校駅伝(都大路)1区を担当
2024年10月茨城キリスト2年茨城県高校駅伝 1区区間賞(19分46秒)
2024年12月茨城キリスト2年全国高校駅伝(都大路)1区区間16位
2025年10月茨城キリスト3年茨城県高校駅伝 1区区間賞・区間新(19分05秒)
2025年秋茨城キリスト3年関東高校駅伝 1区区間賞
2025年12月茨城キリスト3年全国高校駅伝(都大路)1区区間12位
2026年3月高校卒業前京都産業大学競技会 5000m15分46秒58(初の5000m)
2026年4月名城大1年日本インカレ 10000m2位(32分31秒56・日本人トップ)
2026年5月名城大1年ゴールデンゲームズinのべおか 5000m15分44秒21
2026年10月名城大1年第44回全日本大学女子駅伝 5区(9.2km)区間賞(28分50秒)

中学3年のクロスカントリーで全国の頂点に立ってから、3年8か月。高校の全国大会で届かなかった区間上位を、木村は大学駅伝の最長区間で取り返した。

「不破以来の衝撃」の反応も 次は12月の富士山女子駅伝で2冠へ

日本テレビ系の生中継でレースを見た人たちの反応も大きかった。報道で紹介されたX(旧Twitter)の投稿には、「末恐ろしい……これからの成長に大注目です」「木村真桜選手すごいな……まだ1年生か…」「木村真桜まじか 不破以来の衝撃」「これは将来のオリンピックメダリストや」といった書き込みが並ぶ。

名城大が次に目指すのは、12月の富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝)だ。チームが掲げる目標は2冠で、木村も「富士山ではさらにレベルを上げて、もっといい走りができるように戻りたいと思います」と意気込んだ。

米田監督は、木村に4年生のときに一番強くなってほしいと伝えているという。木村自身も、入学直後の春の時点で将来は世界で戦える選手になりたいと話し、「今の結果だけに縛られないで、先を見て、小さな積み重ねを大事にして頑張っていこうと思っています」と語っていた。泉丘中、茨城キリストで力をつけたランナーの大学4年間は、まだ始まったばかりだ。

[文/構成 by 凪]

寄稿者

凪
凪(なぎ)です。時事ニュースからスポーツ、社会の話題まで、その日いちばん気になる出来事を短く分かりやすく整理しています。Web記事を書き始めて7年。結果や数字は公式の発表で確かめてから書き、見出しだけで誤解されない記事を心がけています。好きなものは朝のコーヒーと、深夜のスポーツ中継。

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