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エンボロ退場のVAR介入をIFABが『誤り』と認定 2026-27シーズンからプロトコル変更

エンボロ退場のVAR介入をIFABが『誤り』と認定 2026-27シーズンからプロトコル変更

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国際サッカー評議会(IFAB)は7月28日、FIFAワールドカップ準々決勝アルゼンチン対スイス戦でのVAR運用について、誤りがあったと発表した。スイスのFWブレール・エンボロに出た2枚目のイエローカードによる退場処分が対象だ。IFABは、ファウルの有無そのものをVARで覆すことはできないルールだったと説明している。今後は明らかな誤審であれば介入できるよう、2026-27シーズンからプロトコルを変更する。

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後半27分の一場面、シミュレーションで2枚目

問題の場面は、日本時間7月12日にカンザスシティ・スタジアムで行われたW杯準々決勝、アルゼンチン対スイス戦の後半27分に起きた。ペナルティーエリア内でエンボロが倒れると、主審は接触があったと判断し、近くにいたアルゼンチンの選手へ警告を示した。ここでVARが介入し、接触はなかったとして主審に確認を促している。主審はアルゼンチン選手への警告を取り消し、シミュレーションを行ったとしてエンボロにイエローカードを提示した。エンボロは前半にもすでに警告を受けていたため、この2枚目で退場となった。

試合は前半10分にリオネル・メッシのコーナーキックからアレクシス・マック・アリスターが頭で合わせ、アルゼンチンが先制。後半にダン・エンドイェが同点に追いつくも、エンボロの退場でスイスは数的不利に立たされた。1-1のまま延長戦へもつれ込み、延長後半にフリアン・アルバレスとラウタロ・マルティネスが得点し、アルゼンチンが3-1で勝ち切っている。

IFABの見解、ファウル自体は覆せない

IFABが問題視したのは、2枚目ではないイエローカードに対するVAR確認の範囲だ。IFABは「2枚目のイエローカードではない警告については、ファウルを犯した選手の特定ミスを確認する場合にのみVARで確認できる」と説明した。ファウルそのものの有無を再確認したり、判定を変えたりする権限は、本来この場面には与えられていなかったという。つまり、警告の対象を誤って別の選手に出していたかどうかを確かめる範囲を超えて、ファウルがあったかなかったかという判定内容にまで踏み込んでしまったことが問題だった。

エンボロはこの退場に対し、ピッチ上で涙を見せている。29歳、スイス代表では65試合15得点という実績を持つストライカーだけに、大舞台での不本意な退場劇は本人にとっても大きな痛手となった。

2026-27シーズンからプロトコルを変更

IFABは今回の事案を受け、今後は「明らかに誤った2枚目のイエローカードによる退場」についてはVARが介入できるよう、2026-27シーズンからプロトコルを変更すると発表した。従来はファウルの有無そのものへの介入が認められていなかった領域に、一定の見直しが加わる形だ。ルール改正の詳細な運用基準は、シーズン開幕までに各協会へ周知される見通しとなっている。

大会の記憶に残る誤審騒動

今大会のベスト8で最も物議を醸した判定のひとつが、公式に「誤り」だったと認められた形になった。エンボロ本人や所属先のスタッド・レンヌにとっても、名誉を取り戻す発表になったと言える。すでに勝敗が確定した試合の結果自体が覆ることはないが、同様の事態を防ぐための制度改正には一定の意味がある。次のシーズンからVARの運用がどう変わるのか、開幕後の実際の試合で検証されることになりそうだ。

[文/構成 by スポーツライター ミカ]

寄稿者

Mika
元ブロガーで日本代表戦や海外サッカーのニュースを中心に、スポーツ・エンタメ分野の記事を執筆してきたWEBライター。これまで執筆した記事は2,000本以上。試合日程や結果、選手のプロフィール、移籍情報、国際大会の仕組みなど、日本代表や欧州リーグに関する記事を長く執筆しており、所属クラブが頻繁に変わる選手、複雑な大会方式、海外との時差がある試合日程などを、初めて読む人にも伝わる形へまとめることを得意としている。主な執筆分野は、日本代表、Jリーグ、海外リーグ、チャンピオンズリーグ、ワールドカップ、海外移籍。

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