森下翔太、前夜の死球から一夜 30日は登録抹消されず試合前練習に姿、球団は「左前腕部の打撲」と発表

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
阪神の森下翔太外野手(26)が8月29日の巨人戦(甲子園)で左手首付近に死球を受け、途中交代した。球団は「左前腕部の打撲」と発表し、骨折は回避した。一夜明けた30日、出場選手登録は抹消されず、黒いテーピングを巻いた状態で試合前練習に姿を見せている。
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7回に148キロ、左手首直撃で途中交代
阪神と巨人の一戦は8月29日、甲子園で行われた。7回1死走者なしの場面、打席の森下に、巨人3番手投手・赤星優志の6球目が内角高めに抜ける。148キロの直球が左手首付近を直撃し、森下はその場に崩れ込んだ。
和田ヘッドコーチとトレーナーが駆け寄ると、森下はしばらくして自らベンチへ下がった。プレー続行は難しいと判断され、代走の福島圭音が途中出場する。患部をアイシングしながら、森下が口にしたのは短い言葉だった。
「今は言えることがありません。様子を見てという感じです」
試合は阪神が4-1で制した。その後、森下は西宮市内の病院で受診し、診断結果は「左前腕部の打撲」だった。骨に異常は見つからず、最悪の事態は免れた。
危険球ならず継続の赤星、藤川監督は猛抗議
死球の瞬間、阪神ベンチも色めき立つ。藤川球児監督はダッグアウトを飛び出し、土山球審や巨人の橋上監督代行のもとへ詰め寄った。長いやり取りが続いたが、今回の死球は顔面や頭部、ヘルメットへの直撃ではなく、危険球には当たらないと判定される。顔や頭部への直撃で球審が危険と認めた場合に限り、投手は即座に退場となる規定だ。今回はこの基準に届かず、赤星はそのままマウンドに立ち続けた。
森下が死球を受けたのは、これで今季16度目。リーグ最多だ。巨人戦だけで見ても5死球に達しており、対戦のたびに際どい場面が繰り返される。試合後、藤川監督は「故意じゃないし、グラウンド上は熱いですけど」と冷静に受け止める一方、今年4月ごろにNPBへ「肩甲骨から手首にかけてのプロテクター」の着用を提案していたことを明らかにした。
「私としては阪神の選手も守りたいし、他球団の全員の選手を守りたい。選手が故障して、グラウンド上でチーム同士が争いごとになるっていうのは、こんな時代ですから全く求めてない」
藤川監督の言葉には、勝敗を超えた思いがにじむ。もっとも、現行規則の下で、こうした防具の導入は簡単ではないという。
一夜明けの30日、黒テープで練習参加
一夜明けた30日、森下はいつも通り甲子園に入り、試合前練習に姿を見せた。左手首付近には黒いテーピングが巻かれていたが、グラウンドではストレッチやキャッチボール、フライの捕球練習までこなした。屋外での打撃練習は見送り、場所を室内練習場へ移す。
「痛いですけど、折れていなければ野球はできるので」
森下ははっきりとそう言い切った。出場選手登録が抹消されることはなく、この日も一軍に籍を置いたままだった。ただし、スタメンからは名前が消える。今季2度目の先発落ちだ。
右翼の代役は限られる。前日に代走から右翼へ入った福島圭音、そしてこれまでも森下不在時に右翼を守ってきた高寺望夢ら、若手選手に出番が回る。
外野席でファン衝突、甲子園騒然
死球の瞬間、異様な空気が甲子園を包んだ。テレビ中継には、外野スタンドで阪神ファンと巨人ファンが小競り合いになる様子が映し出される。両軍監督のやり取りは長引き、球場全体がざわついた。
伝統の一戦らしい緊迫感が漂う瞬間だったが、試合の流れが乱れることはなかった。阪神は4-1で巨人を下した。
先発を外れ9回途中出場、本塁打王争いの行方
森下は今季ここまで117試合に出場し、打率3割0分3厘はリーグ2位、本塁打31本はリーグ単独トップに立つ。70打点を積み上げ、阪神打線の中心を担う主砲に成長した。首位打者を走るのはチームメートの佐藤輝明で、打率3割2分2厘。本塁打は森下、打率は佐藤がそれぞれ先行し、阪神の中軸コンビが二つのタイトルを分け合う争いを繰り広げている。
神奈川県横浜市出身、182センチ93キロの体格を誇る森下は、東海大相模高校から中央大学へ進み、2022年のドラフト会議で阪神から外れ1位指名を受けた。2023年の開幕戦でプロデビューを果たし、その年の日本シリーズでは新人記録となる7打点をマークした。2年目の2024年は12死球でリーグ最多を記録しながらも、129試合に出場して16本塁打を放つ。3年目の2025年には自己最多の23本塁打を放ち、初の全試合出場も果たした。外野手として初のベストナインとゴールデングラブ賞、クライマックスシリーズMVPに輝き、チームの優勝にも貢献した。
30日の試合、森下はスタメンを外れながらも、9回に守備固めとして右翼の守備についた。打席には立たなかったが、この一戦で阪神は3-1で巨人を下し、直接対決を3連勝で締めくくっている。試合後、森下は「今日に関しては何もしていません。(勝てて)良かった」と短く語り、患部の詳しい状態は明かさなかった。
阪神は8月30日時点で優勝マジックを21に減らし、2位巨人とのゲーム差を4.5に広げた。この3連勝で対巨人戦は7連勝となり、89年ぶりの記録だという。先発した才木浩人も6回無失点の好投で自身8勝目を挙げ、巨人戦11連勝はプロ野球記録に並んだ。
ペナントレース終盤、チームの中心打者がどこまで万全な状態を取り戻せるか。9月以降の戦いを占ううえでも、目が離せない。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]











































































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