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花巻東、夏の甲子園で3年ぶり8強 英明戦の4点は適時打ゼロ、内野ゴロと犠飛だけで奪った

花巻東、夏の甲子園で3年ぶり8強 英明戦の4点は適時打ゼロ、内野ゴロと犠飛だけで奪った

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花巻東(岩手)が8月16日、第108回全国高校野球選手権大会3回戦で英明(香川)を4-0で下し、3年ぶりの8強入りを決めた。先発・赤間史弥が6回を無失点に抑え、救援の萬谷堅心(3年)が残り3回を締めて完封リレー。4得点はいずれも内野ゴロと犠牲フライによるもので、適時打は1本もなかった。

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英明を4-0で下し、3年ぶりの8強へ

2回戦で岡山学芸館を破って迎えた3回戦、第12日第3試合として甲子園球場で行われたこの一戦、先発した3年生左腕の赤間史弥は6回を94球、5安打2奪三振でまとめ、無失点のまま降板した。7回からマウンドを継いだ萬谷堅心は3イニングを1安打のみに抑え、そのまま完封リレーとなった。打線に目立った長打はなかったが、走者を得点圏に送り込む粘りで加点を重ねた。投打がかみ合い、花巻東の夏8強進出は2023年以来3年ぶりとなった。指揮を執る佐々木洋監督は、大谷翔平や菊池雄星を育てた指導者としても知られる。

適時打ゼロでも4点、内野ゴロと犠飛が生きた

先制点は2回に生まれた。1死から6番久保村冠太(2年)が英明の失策で出塁すると、7番菊地輝の右前打で一気に三塁まで進む。1死一、三塁から8番斎藤蒼梧(2年)が遊ゴロを放ち、三塁の久保村が生還して1-0とした。安打は絡んだものの、実際に得点を生んだのはゴロだった。

3回も花巻東は加点を重ねる。1番戸倉光揮の中前打を足がかりに、2番粒来琉雲がピッチャーゴロを打つも併殺崩れとなって出塁し(戸倉が二塁で封殺)、3番赤間の右前打と好走塁で1死二、三塁とすると、4番古城大翔(3年)の遊ゴロの間に三塁走者の粒来が生還して2-0。一塁から一気に三塁を陥れたこの走塁について、佐々木洋監督は試合後「三塁コーチャーの橋本(銀士)がいい判断をしたんじゃないかと思ってベンチで褒めていた」「果敢に攻める姿勢が非常によかった」と評価した。ここまでの2点、決め手はどちらも内野ゴロだった。

均衡が動かないまま迎えた6回、花巻東は機動力で仕留めた。8番斎藤の打席でダブルスチールを成功させ1死二、三塁とすると、斎藤自身が中犠飛を放ち、三塁走者の萬谷が生還。3-0とリードを広げた。8回には5番萬谷の送りバントを絡めて1死二、三塁を作り、6番久保村が左犠飛。犠牲フライで赤間が生還し、4-0とした。

長打が生まれたわけではない。3番赤間、4番古城大翔という高校通算30本を超える本塁打を誇るクリーンアップを擁しながら、この日はその一振りに頼らず、2本の内野ゴロと2本の犠牲フライだけで4点を積み上げた。

赤間ー萬谷が継投完封、機動力も光る

投げては赤間が試合を作った。3回表には自ら招いた満塁のピンチを無失点で切り抜けるなど、粘りの投球が光った。3つの四死球で走者を背負う場面もあったが、要所は締めて6回を無失点にまとめる。前戦の岡山学芸館戦で先制打を含む2安打に4盗塁を記録する”三刀流”ぶりを見せていた赤間は、この日も3回に自ら右前打を放ち、投打で気を吐いた。7回からの萬谷も動じず、そのまま無失点で試合を締めくくった。

攻撃面で目を引いたのは6回のダブルスチールだ。一塁走者と二塁走者が同時にスタートを切り、まんまと二、三塁を奪う。二塁走者だった萬谷について佐々木洋監督は「非常に盗塁が上手な選手ですが、次の回からマウンドに上がる予定だったので走らせるか迷ったんですけど、追加点が大事だったので。フリースチールで『いける時いってね』というサインは出していました」と明かした。得点の中身については「すごいガンガン打って取った感じでなかったんですけど、なんとか1点ずつ取るという野球」「グシャグシャっとしながらでしたけど、ウチらしい野球かなという感じはします」と語った。

センバツ8強校、夏は全て姿消す

敗れた英明にとって、この一戦は大きな意味を持っていた。今春のセンバツでベスト8に進んだ8校には大阪桐蔭や中京大中京なども名を連ねる。このうち6校はすでに地方大会で姿を消しており、夏の甲子園に出場できたのは英明と花咲徳栄のみだった。その英明も3回戦で敗れ、8校はすべて夏の準々決勝進出を逃す結果となった。春夏連続でベスト8に進んだチームが1校もなかったのは2015年以来11年ぶりだという。

試合前、英明の香川純平監督は花巻東の中軸打線について「すごいクリーンアップ」と警戒しつつ、「逃げて歩かしてというのでは野球にならない」と正面から勝負する方針を示していた。先発した3年生エースの冨岡琥希は2試合ぶりの先発登板。実際に球はストライクゾーンへ集まったが、要所で内野ゴロと犠牲フライを許し、無得点のまま3回戦で夏を終えた。

花巻東、準々決勝は横浜に決まる

花巻東はこれで3年ぶりの夏8強入りを決めた。準々決勝の相手は横浜に決まった。横浜は同日第12日第4試合で霞ケ浦(茨城)を5-2で下している。佐々木監督は「強いチームしかいませんので、一戦必勝で来ましたので上を見ずにやっていきたいと思います」と気を引き締めた。

適時打がなくても、走者を送り、粘って一つずつ得点を重ねる。今大会の花巻東らしさが凝縮された戦いぶりだった。次のステージへ駒を進める。

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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