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琵琶湖三市同時花火大会が中止、実行委が発表 消防への申請は8日時点で確認されず、観覧券の扱いは検討中

琵琶湖三市同時花火大会が中止、実行委が発表 消防への申請は8日時点で確認されず、観覧券の扱いは検討中

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滋賀県の長浜市・彦根市・高島市で8月22日に開催予定だった「琵琶湖三市同時花火大会」が、8月9日に中止となった。運営する実行委員会は、準備や運営体制を整えるのが難しいと判断したと説明した。開催に欠かせない消防への申請は8日の時点でも確認されておらず、有料観覧券を買った客への対応は検討中のままだ。

実行委が中止発表、消防申請は8日時点で未確認

琵琶湖三市同時花火大会実行委員会は8月9日、公式サイトとSNSで大会の中止を発表した。長浜・彦根・高島の3会場で計1万発以上を同時に打ち上げるとうたい、8月22日の開催に向けて1月下旬から有料観覧席を売り出していた。実行委員会は「開催日までに大会を実施するために必要な準備・運営体制を整えることが困難であると判断した」と説明し、延期や振替開催は行わず、今後の開催予定もないとした。

中止の背景には、行政手続きの遅れがあった。火薬類取締法に基づき、大規模な花火の打ち上げには消防への使用許可申請が要る。彦根市消防本部によると、1万発規模の場合は1カ月ほど前に火薬の使用許可を申請しないと間に合わないが、8月7日の時点で申請を受理していないという。8日になっても状況は変わらなかった。申請なきまま、開催まで残り2週間。

1月下旬の販売開始から中止までの経緯

大会は夜間市を併設し、全席指定・事前販売制で来場者を絞り込む大人向けの花火大会として売り出されていた。観覧券は7000円から1万9000円で、公式サイトとSNSで1月下旬から販売が始まった。出店希望者からは1件あたり5万円の出店料も集めていたという。

雲行きが変わったのは8月に入ってからだ。4日夜にはナイトマーケット出店者向けのオンライン説明会が開かれ、実行委員会はこの場で予定通り開催する方針を示した。ところが翌5日、「関係機関との最終調整を行っている」として観覧券の新規販売を一時停止し、開催の可否は9日に案内すると発表した。大会名に「三市」を含んでいたため、自治体が関わっていると誤解した市民からの問い合わせが相次ぐ。これを受け、6日には長浜市、彦根市、高島市の3市がそろって注意喚起に乗り出した。9日、実行委員会は中止を発表した。

琵琶湖のような一級河川で花火大会を開くには、河川法に基づく水面・河川区域の使用手続きに加え、火薬類取締法に基づく消防への使用許可申請が欠かせない。テントなど簡易な設備の設置なら短期間の一時使用届で済む場合もあるが、1万発を超える規模になると必要な手続きは格段に増える。安全性を審査する期間を確保するため、大規模な打ち上げほど早めの申請が求められる仕組みだ。

3市がそろって「関与していない」と表明

3市の声明は表現こそ違うが、共通して関与の否定という一点を強調していた。彦根市は「SNS等で案内されている琵琶湖三市同時花火大会については、彦根観光協会および彦根市は関係しておりません」と発表した。長浜市と長浜米原観光協会は、SNSで拡散されている大会は市や協会が主催・共催するものではないと明記し、市が関わる花火大会は木之本大花火大会など別のイベントに限られるとした。高島市の説明も同様で、市とびわ湖高島観光協会が主催・共催等に関与する花火大会はないという内容だった。

出店を予定していた事業者からは戸惑いの声が上がった。4日の説明会に参加したという事業者は、質疑応答の時間もないまま30分ほどで会が終わったと明かし、主催者宛てのメールに返信がないことも語った。すでに出店料5万円を振り込み、仕入れの準備も進めていた段階だったという。

中止発表で実行委員会は、観覧券購入者や出店者への対応について「法的専門家への相談を行いながら、対応内容の確認・整理を進めております」と説明した。個別の問い合わせへの回答は、詳細が固まるまで控えるとしている。

SNSでは詐欺を疑う投稿が相次いだ

実行委員会が中止を発表する前から、SNS上では大会の実態を疑う投稿が広がっていた。ある投稿者は「購入を検討の方は本当に慎重になってください」と呼びかけ、疑念を示す投稿を重ねた。別の利用者は大会の会場や運営体制を独自に調べ、「開催直前としては気になる点がいくつも出てきました」とつづった。

SNS上に広がる不信感。3市が関与を否定した6日以降は、地元紙のアカウントも「3市とも主催・共催などには関与していない」と報じ、投稿は広く拡散した。中止発表後も、観覧券の代金がどうなるか分からないまま落胆する購入者の投稿がSNS上に相次いだ。

“返金”の明言なく対応は依然検討中

焦点は観覧券や出店料の扱いに移っている。実行委員会は公式サイトの特定商取引法に基づく表記で「主催者側の判断により大会が中止となり、延期開催も行われない場合に限り、チケット代金を全額返金いたします」と定めていたほか、出店者に対しても中止の場合は返金する意向を示していたと報じられている。しかし9日の正式な中止発表では”返金”という言葉自体は使われず、法的専門家への相談を進めながら対応内容を整理するとの説明にとどまった。購入者や出店者にとっては、いつ、どのような形で結論が示されるのか見通しが立たない状態が続く。

地名や自治体名を冠しながら実際には行政の関与がないイベント。前売り券や参加料を先に集める形式のイベントでは、主催の実態がはっきりしないまま告知だけが先行し、開催間際になって問題が表面化するケースがたびたび指摘されてきた。主催者の実態や自治体との共催関係を購入前に確かめることが、被害を防ぐ手がかりになる。実行委員会が次にどのような案内を出すかに、購入者や出店者だけでなく周辺の3市も関心を寄せている。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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