山本匠真が男子100mで優勝、予選で自己新の10秒04 日本グランプリシリーズ3勝目

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
8月9日、山梨・富士山GXスタジアムで行われた男子100m決勝を、山本匠真(24)=広島大院=が10秒10で制した。予選では自己ベストの10秒04をマーク。2026年の日本グランプリシリーズは織田記念、布勢スプリントに続く3勝目となった。
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予選自己新10秒04、決勝は10秒10で優勝
大会は日本陸上競技連盟が認定する「第8回富士北麓ワールドトライアル2026」、日本グランプリシリーズの山梨大会にあたる。男子100m予選2組、山本は桐生祥秀(30)=日本生命=、そして日本記録保持者の山縣亮太(34)=セイコー=と同じレースを走った。追い風1.5メートルの中、桐生が10秒03で1着に入り、山本は10秒04で2着に続いた。山縣は10秒21で組4着にとどまり、決勝進出はならなかった。今年6月の日本選手権予選でマークした自己ベスト10秒12を、0秒08更新する走りだった。
決勝は追い風0.3メートルとやや条件が落ちる中でのレースとなる。それでも山本はスタートからリズムを崩さず、そのまま先頭でフィニッシュ。10秒10で今季3勝目をつかんだ。2着には筑波大2年の西岡尚輝が10秒14(追い風0.3メートル)で続き、大学生ランナー同士の争いが決勝を締めくくった。予選を全体トップで通過した桐生は、この日は予選のみで競技を終えている。
予選から決勝まで、レースの経緯
桐生は予選後の取材に「状態も良いのでタイムが出ると思っていた。風が収まって、今シーズンのベストで良かった」と充実の表情を見せた。自己ベスト9秒98を持ち、日本歴代3位に位置する桐生にとって、10秒03は今季の日本最高記録でもある。
一方で桐生は決勝を欠場し、この日のレースを終えた。次戦は5日後の8月14日から、福井県で開催される「Athlete Night Games in FUKUI」を予定している。決勝のメンバーが絞られる中、山本は落ち着いたレース運びで先頭に立ち、そのまま押し切った。
半導体研究の院生ランナーが重ねた1年
山本は2002年6月20日生まれ、広島県廿日市市の出身だ。広島国泰寺高校時代の自己ベストは10秒98。広島大学工学部を卒業後、現在は同大学院先進理工系科学研究科の博士課程前期に在籍し、半導体の研究に取り組んでいる。2024年の世界リレーでは男子4×100mリレーの日本代表に入り、決勝で4位となった。同年の日本選手権は100mで8位(10秒31)にとどまっている。
2026年シーズンは着実に記録を伸ばした。4月29日の織田記念では10秒37(向かい風0.2メートル)で優勝し、地元広島でのグランプリシリーズ初制覇に「実はグランプリは初優勝。それを地元で飾ることができて、すごくうれしいです」と喜びを語っている。6月の日本選手権では予選で当時の自己ベスト10秒12をマークし、自己最高となる4位に入った。7月5日の布勢スプリントでは10秒17(追い風0.3メートル)で優勝してシリーズ2勝目を手にすると、7月12日の「THE GAME in OSAKA」100m Sクラスでも10秒15で勝ち切り、勢いに乗ったまま夏を迎えていた。
陸上100メートルを題材にした劇場アニメ「ひゃくえむ。」では、”努力型”のキャラクター・小宮のフォームモデルを務めたことでも知られる。江里口匡史、鵜澤飛羽、朝原宣治らとともに実際の走りを3DCGで再現し、作画のベースに使われた。半導体研究との両立について、山本は「陸上は全然学んでなくて…でも、それがいい息抜きになっていますね」と話している。
標高1000mの高地レースと世界陸上標準
富士北麓ワールドトライアルの舞台、富士山GXスタジアムは標高約1000メートルに立地する。空気が薄い高地は好記録が出やすいとされ、桐生は前年2025年大会でも9秒99をマークしていた。今大会では100mハードルの中島ひとみが予選・決勝ともに12秒62をマークし、日本記録を樹立している。
関連記事:中島ひとみ、100mH予選で12秒62の日本新記録 決勝も12秒62で優勝、日本タイ記録
日本陸上競技連盟によると、2027年の北京世界選手権に向けた参加標準記録は男子100mで9秒95に設定されている。マラソンなど一部種目を除き、有効期間は8月23日から2027年8月22日までだ。今回の富士北麓での記録は、この期間より前のレースにあたる。
参加標準の有効期間は8月23日から
参加標準記録の有効期間は8月23日に始まる。ここから各選手にとって、記録そのものが直接の価値を持つレースが続いていく。桐生は前述の福井大会を経て、9月のアジア大会には男子4×100mリレーでの出場を予定しているという。
山本にとっても、今季3勝目という結果は大きな自信になる。高校時代の自己ベストは10秒98だった。大学進学後に少しずつ短縮し、今年6月には10秒12まで縮めている。今回の10秒04で、自己ベストをさらに一段引き上げた。北京世界選手権に向けた参加標準の窓が開く中、研究者とランナーの二足のわらじを履く院生ランナーの挑戦は続く。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]




































































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