有明高校、春夏を通じて甲子園初出場で初の8強 8回に4点を奪い3試合連続の逆転勝ち

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熊本の有明が8月16日、甲子園の3回戦で東日本国際大昌平を4―1で下した。1点を追う8回に一挙4点を奪う逆転劇だった。今大会が甲子園初出場だった有明は、1回戦から3試合連続の逆転勝ちで初めてベスト8に進んだ。
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8回に一挙4点、初出場から歴史をつくった
1点を追う8回2死満塁。打席に立った代打・広沢遼太朗が放った一打が、有明の夏を変えた。
第108回全国高校野球選手権大会は8月16日、甲子園で3回戦4試合があった。熊本代表の有明は東日本国際大昌平(福島)と対戦し、4―1で勝利した。春夏を通じて甲子園初出場だった有明にとって、この白星は初のベスト8進出を意味した。
東日本国際大昌平は初回、1死三塁から適時打を放って先制した。有明は反撃できないまま試合を進めたが、流れは8回に変わる。セーフティバントと四球で走者を出すと、重盗を絡めて進塁し、死球も重なって2死満塁とした。ここで代打・広沢が左前へ2点適時打を運び、試合をひっくり返す。続く6番・栄井も右前に運んで2点を追加した。この回一挙4点を奪い、4―1と逆転に成功した。
試合前、高見一茂監督は「いろんな方から応援のメッセージをいただいている。その期待にしっかりと応えられるように頑張っていきたい」と力を込めていた。荒尾市の高校としても初めての甲子園出場であり、創部30年目での初のベスト8進出となった。
3試合連続の逆転劇、支えた両左腕
初戦の相手は京都代表の立命館宇治。8月7日の1回戦は、6回を終えて0―3とリードを許す苦しい試合だった。だが7回に2点を返すと、9回に2死満塁から1番・永田晴輝が走者一掃の適時二塁打を放つ。この回一挙4点。6―3で逆転勝ちを収めた。
2回戦の相手は長崎日大。九州対決となったこの試合も、2回に先制点を許す苦しい立ち上がりだった。だが有明はその裏に2点を返して逆転すると、3回にも加点する。3―2で逃げ切り、2試合連続の逆転勝ちとなった。1回戦、2回戦とも先発は左腕の工修哉(3年)、途中からエースの斉藤遼汰郎(3年)がマウンドを継いだ。
3回戦を前に、有明にアクシデントが起きる。先発予定だった工が試合前練習中、味方の振ったバットが左手に当たり負傷。大会本部発表によると「左手甲の骨折」で全治(加療)1〜2カ月の診断だった。工は「ごめん、任せたよ」と斉藤にマウンドを託し、斉藤は今大会初めての先発を急きょ任される。
初回に1点を失った斉藤だったが、2回以降は走者を背負いながらも粘り強く後続を断った。許した安打はわずか5本。9回を投げ切ったときの球数は109球に達した。最速146キロの直球を武器にするエースが、仲間の分まで投げ抜いた完投劇だった。守っては永田と實田の二遊間コンビが、堅実な守備で投手陣を支えてきた。この完投が、打線の逆転劇を呼び込んだ。
「チームをやっと救えた」広沢が見せた執念
8回に逆転打を放った広沢は、この日が甲子園初打席だった。「小さな力だけど、勇気を与えられた」と声を弾ませ、「チームをやっと救えた」と目を潤ませる場面もあった。ベンチで出番を待ち続けた時間が、報われた瞬間だった。
高見一茂監督は代打の起用について「一か八か、広沢にかけた。期待に応えてくれた」と語った。試合後には「毎日まじめにコツコツと練習をやっていた。それがしっかり出せた」と選手たちの努力をたたえている。
敗れた東日本国際大昌平の江井康胤監督は「先制点は取れましたが追加点がとれなかったのが敗因です」と唇をかんだ。8回に先発から2番手へ継投した判断についても「わかっていたが勢いを止められなかった。やりたい野球をされてしまった」と有明の勢いを認めた。両校はともに甲子園初出場同士の対戦であり、初めてベスト8の扉を開けたのは有明だった。
「有明旋風」に地元も沸く
初出場校の快進撃に、SNSでも反響が広がった。「涙が止まらん」「すごい」といった投稿のほか、熊本を元気づける存在として有明を称える声が相次いだ。地元・荒尾市では3回戦に合わせてパブリックビューイングが開かれ、地域を挙げて選手たちを後押しした。有明高校は選手たちの移動費や宿泊費を賄うため、募金活動やクラウドファンディングを進めており、荒尾市も市民に協力を呼びかけている。甲子園という舞台が、学校だけでなく街全体を巻き込む夏になった。
熊本地震から3週間弱、届いた白星
有明が甲子園を目指していた最中の7月28日、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生した。気象庁は「令和8年熊本地震」と命名し、宇城市と八代郡氷川町で震度7を観測した。熊本県内で震度7が観測されたのは、2016年の熊本地震以来だった。
有明ナインが甲子園に向けて出発したのは、その2日後の7月30日だった。地震の影響で新幹線の一部区間が運休し、予定を変更してバスで学校からJR博多駅へ移動する事態にもなった。それでも選手たちは予定通り甲子園入りし、白星を積み重ねてきた。
高見監督は3回戦後、「僕らが少しでもこの球場で頑張ることで、熊本の人たちの力に、少しでもなれば」と語った。初出場、初のベスト8という結果以上に、熊本の人々に届けた白星の意味は大きい。
準々決勝は8月18日、有明は第4試合で群馬代表の健大高崎と対戦する。健大高崎も16日の3回戦で栃木代表の佐野日大に4―1で逆転勝ちし、12年ぶりとなる自校最多タイの8強入りを決めたばかりだ。同じ日に同じスコアで逆転勝ちを収めた両校が、次はベスト4を懸けて向き合う。一戦ごとに逆転劇を重ねてきた有明ナインの夏は、まだ終わらない。
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[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]






































































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