長屋竣大、母校・浜松開誠館高等学校を訪問 ロッテ3位右腕、浜松開誠館からプロ野球へ歩んだ経歴

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10月のプロ野球ドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから3位指名を受けたENEOSの長屋竣大投手(23)が11月4日、母校の浜松開誠館高等学校(静岡県浜松市)を訪れ、指名を報告した。同校の野球部からプロ野球選手が生まれるのは初めて。長屋は「高校の3年間がなければ、プロに進むこともなかった」と感謝を口にした。
11月4日、卒業以来の母校で指名を報告
長屋は11月4日午後、浜松市中央区松城町にある浜松開誠館高等学校を訪れた。2020年度の卒業生で、高校を出てから母校に足を運ぶのはこれが初めてだったという。
学校では高林一文理事長、校長、高校野球部の佐野心監督と懇談し、理事長と佐野監督から花束を受け取った。職員室にもあいさつに回り、卒業時の担任教員と再会している。卒業アルバムを開いて当時を懐かしむ場面もあった。
学校は同じ日、公式サイトに「野球部OB」の来校を伝える記事を載せた。長屋の指名を「本校野球部として史上初となるプロ野球選手の誕生」と紹介し、夢に向かって努力を重ねた先輩の姿が在校生に勇気と希望を与えるとして、今後の活躍を応援すると結んでいる。
懇談で長屋は、高校の3年間を「開誠館での3年間を通して人間的に成長することができた」と表現した。高校時代に自分で考えて動く習慣が身につき、大学の自由な環境でも何が大切かを考えて行動できたという。その経験が社会人になった今も生きていると話した。
同校が大切にする主体性を重んじる校風についても、長屋は「自分で考えて練習する習慣がつきました」と感謝している。地元のテレビ取材には、開誠館で学んだ3年間のおかげでプロに行けたと述べ、学校に「ありがとうございました」と伝えたいと語った。
京都から浜松へ、高1の秋に内野手から投手に
長屋は2003年2月13日生まれ、京都府京都市の出身。中学時代は硬式の京都北シニアでプレーし、高校は地元を離れて静岡県の浜松開誠館高等学校へ進んだ。
中学までは内野手だった。転機は高校1年の秋で、コーチから投手への転向を勧められる。そこから最速146キロの右腕に育ち、エースとしてチームを引っ張った。
3年生の2020年夏は、新型コロナウイルスの影響で全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)が中止になった年だ。静岡県では代わりに独自の大会が開かれ、浜松開誠館はこの夏季静岡県高等学校野球大会で準優勝した。甲子園につながらない大会で、長屋は県内2位までチームを導いた。
本人は投手転向を自身の野球人生で一番の分かれ道に挙げる。「投手じゃなければプロはなかった。人生で一番の転機になりました」と、高1の秋の決断を語った。
立命館大学でのけが、ENEOSで最速154キロ
高校卒業後は立命館大学に進んだ。大学では最速152キロの本格派右腕として注目を集めたが、4年生だった2024年6月、右肘の靱帯を再建するトミー・ジョン手術を受けている。
2025年4月にENEOSへ入社してからの1年目は、リハビリに充てた。公式戦に戻ったのは社会人2年目の2026年4月、JABA京都大会だった。西関東予選では3試合に登板したが、ENEOSは本大会への出場を逃す。それでも第97回都市対抗野球大会には東芝の補強選手として呼ばれ、1回戦の日本生命戦で8回から登板。8回と9回を完全に抑えて3三振を奪い、自己最速の154キロを計測した。試合は延長10回のタイブレークの末、東芝が日本生命に3-6で敗れている。
10月の日本選手権関東代表決定戦でも、三菱重工Eastを相手に2回を無失点に抑えた。150キロを超える直球を軸に、フォーク、チェンジアップ、スライダーを投げ分ける。
ロッテの担当スカウトは中川隆治氏。球団は長屋を「躍動感あふれる投球フォームと、最速150キロ超の力強いストレートが最大の魅力の本格派右腕」と評価した。高めへ伸び上がるような直球に加え、チェンジアップとフォークの精度が高いという。トミー・ジョン手術からの復帰途上にあり、制球力とスタミナがさらに伸びれば先発の適性も見込めるとして、早い時期の一軍入りに期待を寄せている。
ドラフト会議は10月22日に開かれ、ロッテは長屋を3位で指名した。ロッテが支配下で指名した6人のうち、社会人は長屋ひとりだった。10月31日にはENEOS等々力クラブハウスで球団の指名あいさつを受け、11月4日の母校訪問はその4日後になる。
指名あいさつのあと、長屋は球団を通じて「少しずつプロへの実感が湧いてきています」とコメントした。プロ入りの決断を後押ししてくれたENEOSにも感謝し、活躍して恩を返したいと話している。
関連記事:長屋竣大、ロッテのドラフト3位で指名あいさつ「少しずつプロへの実感が湧いてきています」
恩師・佐野心監督「腹をくくって頑張って」
長屋を高校時代に指導した佐野心監督は、浜松開誠館の教諭でもある。現役時代は外野手として中日ドラゴンズでプレーした元プロ野球選手だ。
その佐野監督が、教え子に向けてプロの世界の厳しさに触れながら「腹をくくって頑張って」とエールを送った。
佐野監督のもとで、浜松開誠館は長屋の卒業後にも結果を残している。2023年夏には静岡大会を制し、創部26年目で初めて甲子園の土を踏んだ。
第105回全国高校野球選手権記念大会を前に、チームは2023年7月31日に静岡県庁を訪れている。佐野監督はこのとき、初出場で選手も自分も緊張するだろうと認めつつ、「遠州の空っ風」を甲子園球場で吹かせたいと抱負を語った。8月10日の初戦では東海大学付属熊本星翔高等学校に逆転勝ちし、甲子園初勝利も手にしている。
その野球部から、初めてプロ野球選手が出る。在校生にとっては、自分たちと同じグラウンドで汗を流した先輩がプロの扉を開いたことになる。浜松開誠館は学校法人誠心学園が運営する中学校・高等学校で、浜松市中央区松城町に校舎がある。夏の甲子園初出場から3年、今度は卒業生がプロ野球の世界へ進む。
マリンの風をフォークに生かす
ロッテの本拠地はZOZOマリンスタジアム(千葉市)で、海からの強い風で知られる球場だ。長屋はこの風を自分の武器に結びつける。
「マリンスタジアムの強い風を、自信のあるフォークに生かしたい。対戦したい選手はソフトバンクの近藤選手です」
起用については、先発でも中継ぎでも任された場所で活躍し、1年間しっかり戦えるように準備したいと話した。身長175センチ。高1の秋に投手を始めた右腕が、浜松開誠館から初めてプロ野球の世界へ進む。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]








































































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