出羽ノ龍が新入幕、第2の故郷・福岡の九州場所へ 出羽海部屋から11年ぶり、母校は希望が丘高

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日本相撲協会が10月26日に発表した大相撲九州場所の新番付で、モンゴル出身の出羽ノ龍(25)=出羽海=が西前頭14枚目に新入幕を果たした。秋場所は東十両筆頭で10勝5敗。出羽海部屋からの新入幕は2015年九州場所の御嶽海以来、11年ぶりとなった。高校3年間を福岡で過ごした25歳は、その福岡を第2の故郷と呼び、昇進の喜びを口にした。
西前頭14枚目、出羽海部屋から11年ぶりの新入幕
九州場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎え、11月22日に千秋楽となる。年6回ある本場所のうち、九州で開かれる唯一の場所だ。各部屋は場所の前後に福岡県内などへ宿舎を構え、そこで稽古を積む。番付発表の10月26日、出羽ノ龍は福岡県新宮町にある出羽海部屋の宿舎で、師匠の出羽海親方(元幕内・小城乃花)とともに会見に臨んだ。
会見では、今年中に幕内へ上がることを目標にしてきたと明かし、「達成できた」と笑顔を見せた。高校3年間を過ごした福岡を第2の故郷と表現し、その土地で昇進できたことを素直に喜んだ。
大相撲の番付は上から幕内、十両、幕下と続き、十両以上の力士が「関取」と呼ばれる。幕内は最上位の階級で、テレビ中継の主役となる土俵だ。秋場所は十両の最上位である東十両筆頭で10勝5敗。2桁の白星を積み上げ、幕内の座を自力で引き寄せた。番付表では最上段に名前が載る立場になる。日本相撲協会の力士プロフィールでは、身長181センチ、体重154キロ。得意は突き・押しだ。
出羽海部屋から新入幕力士が出るのは、2015年九州場所の御嶽海以来11年ぶり。御嶽海はのちに大関まで昇進した。偶然にも、11年前と同じ九州場所での新入幕になる。
同じ番付では、出羽ノ龍のほかに嵐富士(伊勢ケ浜)と旭海雄(大島)も新入幕を果たした。新入幕は3人で、出羽ノ龍と旭海雄はともにモンゴル出身だ。三役では美ノ海が沖縄県出身として初めての新小結に昇進し、義ノ富士が再び小結に返り咲いた。41歳の玉鷲、北の若、大青山の3人は再入幕を決めている。
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母校は福岡県中間市の希望が丘高等学校
出羽ノ龍の本名はトムルバートル・テムレン。2001年3月7日、モンゴルのウランバートルで生まれた。高校から日本へ渡り、福岡県中間市にある私立の希望が丘高等学校へ相撲留学した。
希望が丘高等学校は1968年創立の私立高校で、相撲部は2001年に創部した。福岡県の資料によると、同部の後輩は2024年度の全国高校総体の100キロ級で準優勝し、2025年9月の世界相撲選手権ではジュニア男子中量級で優勝している。出羽ノ龍はその相撲部で3年間を過ごし、大相撲の世界へ進んだ。
同じ学年には、卓球の早田ひながいた。パリ五輪の女子シングルスで銅メダル、女子団体で銀メダルを手にした、北九州市出身のトップ選手だ。競技は違っても、2人は希望が丘高等学校の同級生として同じ校舎で高校生活を送った。
早田との間には、ちょっとしたエピソードがある。出羽ノ龍が十両昇進を決めた2025年11月、早田はインスタグラムで祝福のメッセージを送った。その文面は「幕内昇進おめでとうございます」。十両を幕内と取り違えた、一足早い祝福だった。
それから1年。
出羽ノ龍は、本当に幕内へ上がった。勘違いだった祝福は、1年遅れで現実の出来事になる。高校の同級生から届いた言葉に、ようやく番付が追いついた。
初土俵も十両昇進も新入幕も九州場所が節目に
福岡とのつながりは、高校時代だけで終わらない。出羽ノ龍の初土俵は2019年九州場所、つまり福岡の土俵だった。
その後は順調な道のりばかりではなかった。2022年1月の初場所中に首を痛め、翌場所は全休。幕下上位では壁に当たり、なかなか関取の座に届かなかった。その間に、おっつけから左四つに持ち込んで攻める取り口を磨いたという。足踏みの時期を越え、幕下上位で迎えた2025年九州場所の後、11月26日に開かれた番付編成会議で、2026年初場所での新十両昇進が決まった。この発表の会見も、福岡県新宮町の出羽海部屋宿舎で行われている。出羽ノ龍は「少しずつ力がついて上がることができた」と話し、師匠の出羽海親方は「苦しい思いをして精神的に成長した」と弟子の変化をたたえた。
十両に上がってからの勢いは目立った。2026年3月の春場所では東十両10枚目で11勝4敗とし、同じ11勝4敗の若ノ勝との優勝決定戦を寄り切りで制して十両優勝。関取として初めての賜杯を手にした。
7月の名古屋場所は西十両3枚目で9勝6敗と勝ち越し、番付を十両の頂点まで押し上げる。そして9月の秋場所、東十両筆頭で10勝5敗。九州場所での初土俵から7年、九州場所後に決まった新十両から1年で、九州場所の新入幕にたどり着いた。
初土俵、十両昇進の決定、新入幕。3つの節目がすべて九州場所と重なる。高校時代を含め、出羽ノ龍の土俵人生は福岡の地と切り離せない。
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新入幕の目標は勝ち越し、来年の九州は三役で
九州場所に向けて、出羽ノ龍が掲げた目標ははっきりしている。まずは新入幕の場所で勝ち越すこと。そのうえで、さらに上の成績を目指すと話した。西前頭14枚目は幕内の下位にあたり、勝ち越せば番付を上げられる一方、大きく負け越せば十両へ戻る可能性もある。最初の15日間が、幕内に定着できるかどうかの分かれ目になる。
視線はその先にも向く。来年、九州へ戻ってくるときには三役に上がっていたいと語り、1年後の九州場所を次の目標に据えた。新十両から1年足らずで幕内まで駆け上がった勢いを、幕内の土俵でも保てるかが問われる。
幕内では、十両とは違う相手が待つ。突き・押しを得意とする25歳にとって、立ち合いの圧力が一段上がる幕内力士との対戦は、新しい試練になるだろう。十両優勝を果たした春場所のように白星を重ねられれば、番付は一気に上がる。九州場所で初土俵を踏み、九州場所の後に関取の座をつかみ、九州場所で幕内に上がった力士が、1年後の九州場所にどの地位で戻ってくるのか。
母校の希望が丘高等学校で相撲に打ち込んだ日々から、7年余り。高校3年間を過ごした福岡で迎える、初めての幕内の場所だ。11月8日の初日、第2の故郷の土俵で、出羽ノ龍の幕内生活が始まる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]








































































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