玉川徹氏、ホームレス巡る発言を生放送で謝罪 電通・ユダヤ人発言に続く失言、局関係者が語る起用継続の理由

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏が10月22日、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)の生放送で、ホームレスの人々を引き合いに出した自身の発言を謝罪した。2022年の「電通」発言、2026年4月の「ユダヤ人」発言に続き、玉川氏の発言を巡る謝罪となった。それでも出演が続く背景として、週刊誌の取材に応じたテレビ朝日関係者は視聴率と出演料の2点を挙げている。
薄毛特集のパネルコーナーで出た発言、約30分後に謝罪
問題の発言が出たのは、22日の放送で秋の抜け毛や薄毛を取り上げたパネルコーナーだった。玉川氏は、薄毛に悩む男性には生活習慣の見直しやシャンプーよりも病院を勧めるべきだと主張し、その流れでホームレスの人々の髪を例に挙げた。生活習慣で髪が決まるのなら、ホームレスの人はみな薄毛になるはずだ、という趣旨の発言だ。
その場で話題は止まらなかった。司会の羽鳥慎一アナウンサーが髪を洗う頻度に触れると、玉川氏はホルモンの影響を挙げ、医学の力を借りるよう語っている。
流れが変わるのは番組の終盤だった。約30分後、羽鳥アナが「先ほどのパネルコーナーの中での発言について、玉川さんからです」と切り出し、玉川氏が次のように述べた。
「先ほど私の発言で、ホームレスの方々に対して大変不適切な表現がありました。反省しております。深くおわび申し上げます」
言い終えると、玉川氏は深々と頭を下げた。
玉川氏は1989年にテレビ朝日へ入社し、ディレクターやリポーターとして番組づくりに携わってきた。2023年に定年退職したあとも、局の外の立場で「羽鳥慎一モーニングショー」への出演を続けている。
「電通」から「ユダヤ人」まで、過去の主な謝罪を時系列で整理
番組内での謝罪は今回が初めてではない。処分や局の対応につながった主な件を並べると、次のようになる。
| 時期 | 出来事 | その後の対応 |
|---|---|---|
| 2022年9月28日 | 安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が読んだ弔辞について「電通が入ってます」と発言 | 翌29日、事実ではなかったとして番組で謝罪 |
| 2022年10月4日 | テレビ朝日が定例会見で処分を発表 | 出勤停止10日間の懲戒処分。番組を担当する幹部2人もけん責処分 |
| 2022年10月19日 | 謹慎明けに番組へ出演 | 原因は自身の慢心とおごりだったと謝罪。今後は現場を取材して報告する形で出演すると表明 |
| 2023年4月 | コメンテーター席に本格復帰 | 同年に定年退職し、以後も出演を継続 |
| 2026年4月10日 | 米国とイランの協議にクシュナー氏が加わる件で「ユダヤ人ですよね?」と発言 | 駐日イスラエル大使が抗議の書簡を送付 |
| 2026年4月15日 | テレビ朝日が番組公式サイトに謝罪文を掲載 | 玉川氏の名前は出さず「コメンテーター」と表記 |
| 2026年4月28日 | テレビ朝日社長の定例会見 | 改めて謝罪し、偏見を助長しない番組作りに努めると表明。出演は継続 |
| 2026年10月22日 | 薄毛特集でホームレスの人々を引き合いに出した発言 | 同じ放送の終盤に本人が謝罪 |
社員として処分を受けた2022年の「電通」発言
2022年の件は、国葬を巡る論評の中で出た。玉川氏は菅前首相の弔辞について「電通が入ってます」と述べたが、翌日の放送で事実ではなかったと認めて謝罪している。テレビ朝日は10月4日の定例会見で出勤停止10日間の懲戒処分を発表し、当時の篠塚浩社長は「番組および会社の信用を傷付け、損害を与えたことによる処分」と理由を説明した。
謹慎明けの10月19日、玉川氏は15日ぶりに番組へ出演した。事実に基づかない発言をした原因は自身の慢心とおごりにあったと語り、コメンテーターとしてではなく、取材した内容を報告する立場で番組に関わっていくと伝えた。半年後の2023年4月、玉川氏はコメンテーターとして番組に本格復帰している。
局の対応が二転した2026年4月の「ユダヤ人」発言
2026年4月10日の放送では、トランプ米大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏がイランとの協議に出席するという話題で、玉川氏が「トランプ家の代表として入っているとしか見えないし、ましてやユダヤ人ですよね?」と発言した。イスラエルのネタニヤフ首相に近いクシュナー氏が交渉に加わることについて、専門家に見解を求める場面だった。
「人種差別ではないか」との指摘に対し、テレビ朝日は13日の時点で「ご指摘には当たらないと考えております」とコメントしていた。翌14日、駐日イスラエル大使のギラッド・コーヘン氏が自身のXで、ユダヤ人であることを理由に外交交渉から排除すべきだと示唆する発言だと批判し、テレビ朝日に正式な書簡を送ったと明かす。
局の対応が変わったのは15日だった。番組公式サイトに「差別と受けとられかねない、誤解を招くものでした」「不快な思いをされた皆様にお詫びいたします」とする謝罪文を掲載し、差別の意図はなかったが説明が不十分で表現に配慮が足りなかったと説明した。ただし、謝罪文に玉川氏の名前や発言の文言はなかった。4月28日には社長が定例会見で改めて謝罪し、属性で人物が判断されることはあってはならないとして、差別や偏見を助長しないよう丁寧な番組作りに努めたいと述べた。局幹部は、玉川氏が深く反省していると説明し、出演は続くことになった。
それでも起用が続くのはなぜか、関係者が語った理由
失言のたびに謝罪を重ねながら、なぜ出演は続くのか。
4月の「ユダヤ人」発言のあと、週刊誌がテレビ朝日関係者の話として伝えた理由は、大きく分けて二つだった。
視聴率を支える存在という見方
一つは番組の数字だ。関係者の話では、玉川氏は長く視聴率を支えてきた存在とされ、問題発言があっても数字は落ちていないという。
取材から出演までこなす「兼任」の強み
もう一つは起用の形だ。玉川氏は自ら取材したネタを番組に持ち込み、ディレクターとリポーターの役割を兼ねてきた。定年後も同じ番組と契約を結び直しており、タレントを起用するより出演料を抑えられる点が局にとっての利点だと、関係者はみている。
番組の外での人気を伝える報道もある。地方局のイベントでは、玉川氏の応援うちわを手にしたファンの姿もあったという。
社員だったころとの立場の違い
局の対応の違いに目を向ける指摘もある。2022年の「電通」発言では、社員だった玉川氏に懲戒処分が下され、社長が会見で説明した。一方、定年退職後の「ユダヤ人」発言では、局は謝罪文で名前を伏せ「コメンテーター」とだけ表記した。
週刊誌の取材に応じた記者からは、社員ではないぶん局が距離を置いているのではないか、という見方も出ている。
社長会見での謝罪から半年、今回は本人が即日謝罪
テレビ朝日の社長が「ユダヤ人」発言を改めて謝罪し、丁寧な番組作りを掲げてから、約半年が過ぎた。
22日は、パネルコーナーから約30分後の番組終盤に羽鳥アナが謝罪の場を設け、本人が同じ生放送の中でおわびする対応となった。視聴率と出演料の面で番組を支える存在だと局の関係者が語るなか、4月に社長が掲げた「丁寧な番組作り」が今回の発言を受けてどう生かされるのか、局の今後の説明が待たれる。
[文/構成 by 飯田タツヤ]







































































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