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『聲の形』再上映、公開10周年で10月30日から 本作初のドルビーシネマ上映が決定

『聲の形』再上映、公開10周年で10月30日から 本作初のドルビーシネマ上映が決定

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2016年公開の映画『聲の形』が、公開10周年を記念して10月30日から再上映される。本作初のDolby Cinema版もあわせて上映され、初日には東京・丸の内ピカデリーで入野自由と早見沙織が登壇する舞台挨拶が開かれる。原作者・大今良時の描き下ろしイラストも公開された。

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10月30日から再上映、Dolby Cinema版は本作初

公式サイトが9月17日に発表した。2016年9月17日に公開された映画『聲の形』が、公開10周年を記念して10月30日から再上映される。あわせて本作としては初となるDolby Cinemaでの上映も決まった。告知文には「もう一度、この“聲”を届けたい ぜひ劇場にお越しください。」と添えられている。

発表と同時に、10周年記念再上映の予告映像も公開された。

上映劇場も発表済みで、公式サイトの劇場情報ページには9月17日時点で全国44館が掲載されている。内訳はDolby Cinemaが8館、Dolby Atmosが20館、通常版が16館。Dolby Cinema上映館は、舞台挨拶の会場でもある東京・丸の内ピカデリーのほか、新宿バルト9、T・ジョイ横浜、MOVIXさいたま、ミッドランドスクエア シネマ、T・ジョイ梅田、MOVIX京都、T・ジョイ博多の計8館。一方で再上映の終了日は公表されていない。

公開から年月を重ねた作品を、当時なかった上映形式で劇場にかけ直す動きは近年目立つ。過去には『もののけ姫』が4K IMAX版で再上映され、初日から3日間で10万人を集めた例もある。家庭のテレビや配信で観られる作品を、あえて劇場で観る理由をどう作るか。再上映を仕掛ける側は、そこに答えを出す必要がある。

関連記事:「もののけ姫」4K-IMAX再上映 初日3日で10万人動員、なぜ今“劇場”なのか

丸の内ピカデリーで入野自由と早見沙織が舞台挨拶

再上映初日の10月30日には、丸の内ピカデリー Dolby Cinema(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン別館5F)で「映画『聲の形』10周年記念舞台挨拶」が開かれる。18時30分の回の上映開始前に実施され、登壇者は石田将也役の入野自由と西宮硝子役の早見沙織の2人。公式サイトは「予定・敬称略」とし、予告なく変更となる場合があると注記している。

チケット料金は3,200円(税込)の均一料金で、別途各種手数料がかかる。販売はローソンチケット(Lコード36060)。先行抽選のエントリー期間は9月17日18時から10月4日23時59分までで、当落確認と発券開始は10月17日15時から。一般発売は先着で、10月21日18時から10月28日23時59分まで受け付ける。いずれも1人2枚までの制限がある。一般発売は限定数の先着販売のため、無くなり次第終了となる。

特別興行のため、シニア・学生・小人などの各種割引と各種招待券は使えない。前売券やムビチケカードからの引き換えも受け付けない。全席指定で、途中入退場はできない。転売対策として、チケット券面に購入者氏名が印字される場合があり、入場時に身分証明書と照合する場合があるとも案内されている。

「一枚膜がとれたような印象」 スタッフが語るDolby Cinema版

Dolby Cinemaは、映像のDolby Visionと音響のDolby Atmosを組み合わせた上映形式だ。ドルビーの日本語公式サイトによると、映像側はプロジェクターを2台使って「ドルビービジョン4Kレーザー投影」を実現し、2D作品も3D作品も映像の鮮明さとディテールを高める。音響側のドルビーアトモスは、観客の周囲を音が動き回る立体的な音場を作る。要するに、明るい部分と暗い部分の差を広く取れる映像と、平面ではない音。その2つを同じ劇場で成立させる規格だ。

音響監督の鶴岡陽太は「映画『聲の形』はアニメーション映画のマスターピースの一つとしてアーカイヴするべき作品であると常々思ってきました」とコメントを寄せた。そのうえで「アーカイヴするなら、最終形態として長く残るような最新のフォーマットにしておきたいと考えてきました」と、Dolby Cinema版に踏み切った理由を説明している。10周年という機会に実現へこぎ着けた関係者への感謝も添えた。

撮影監督の髙尾一也は仕上がりをこう語る。「Dolby Cinema版では輝度と暗部の見え方が格段に違いますから一枚膜がとれたような印象です。光の印象は自分たちが表現したかった物により近づいた感じです」。さらに「特に川の光がホント綺麗です」と、劇中で繰り返し映る水面の描写を挙げた。

髙尾は制作当時の姿勢にも触れている。「10年たっても僕は映画『聲の形』を制作していた時と変わらない想いでアニメーションを制作しています」「言葉にできない想いが多いからアニメーションを制作しているのだな、と改めて思います」。10年後の登場人物にも思いを寄せ、将也や硝子が幸せな気持ちでいてほしいと書き添えた。

120館から始まり興行収入23億円

2016年の公開時、本作は120館規模でスタートした。全国数百館規模で始まる大作アニメと比べれば小さい船出だった。そこから口コミが広がってロングランとなり、興行収入は23億円を超える。翌年の第40回日本アカデミー賞では優秀アニメーション作品賞に選ばれた。同じ賞の枠には『君の名は。』『この世界の片隅に』『ルドルフとイッパイアッテナ』『ONE PIECE FILM GOLD』が並び、最優秀は『この世界の片隅に』が受けている。

アニメ映画の当たり年として語られる2016年のなかで、本作は『君の名は。』のような社会現象型のヒットとは別の伸び方をした。公開規模を後から広げ、観た人が人を呼ぶ形で数字を積み上げる。その伸び方が、10年後の再上映につながる土台になった。

劇場を離れてからも露出は続く。2021年にはNHK BSプレミアムと総合テレビで放送され、2024年には日本テレビ系「金曜ロードショー」でも放送された。地上波での再放送のたびにSNSで反応が集まる作品でもある。

原作は週刊少年マガジン、129分の劇場版に

原作は大今良時の漫画『聲の形』。週刊少年マガジン(講談社)で2013年から2014年にかけて連載され、単行本は全7巻にまとまった。聴覚に障害のある転校生・西宮硝子と、彼女をいじめたガキ大将の石田将也が、小学校時代のすれ違いを抱えたまま高校生になって再会する。重い題材を扱いながら、原作は「このマンガがすごい!2015」オトコ編で1位に選ばれ、第19回手塚治虫文化賞新生賞も受けた。

劇場版は2016年9月17日公開、上映時間は129分。監督は『けいおん!』シリーズや『たまこラブストーリー』『リズと青い鳥』を手がけた山田尚子で、近年はテレビアニメ『平家物語』や劇場版『きみの色』(2024年)を監督している。脚本は吉田玲子、キャラクターデザインは西屋太志、音楽は牛尾憲輔、美術監督は篠原睦雄、色彩設計は石田奈央美が担当した。主題歌はaikoの「恋をしたのは」。

キャストは石田将也役の入野自由、西宮硝子役の早見沙織に加え、西宮結絃役の悠木碧、永束友宏役の小野賢章、植野直花役の金子有希、佐原みよこ役の石川由依、川井みき役の潘めぐみ、真柴智役の豊永利行が並ぶ。小学生時代の将也を演じたのは松岡茉優だ。

アニメーション制作は京都アニメーション。同社は2019年7月、第1スタジオで放火事件に見舞われ、36人が犠牲となった。その後も制作を続け、2026年2月には社長の八田英明が死去し、共同代表を務めていた長男の八田真一郎が同月に社長へ就いた。

関連記事:八田真一郎氏、京アニ新社長に就任 父の遺志継ぎ「京アニであり続ける」学歴や経歴とは

大今良時が描いた映画館の2人、舞台・大垣ともコラボ

再上映の発表にあわせ、原作者の大今良時が10周年を祝う描き下ろしイラストを公開した。描かれているのは、映画館を訪れた将也と硝子の睦まじい姿。結絃が撮影したことを思わせる構図になっている。作中で写真を撮り続けた妹の視点を借りて、10年後の2人を映画館に立たせる。原作者らしい祝い方だ。

キャスト2人もコメントを寄せた。入野は「10年経った今も色褪せず、世界中で愛されるこの作品に携われたことを光栄に思います」とつづり、「まだこの作品に出会ったことがない皆様に、この先も『聲の形』が届きますように!」と続けた。10年前の自分へのメッセージとして「『聲の形』で繋がった縁は、今までもこれからも、ずっとずっと続いていくよ!」とも書いている。

早見は「あのとき、西宮硝子という1人の人間の人生を共に歩めたことは、私の中で何ものにも代えがたい、大切な時間です」と振り返った。この10年、さまざまな人から本作について話しかけられる機会があったといい、「そのたびに、『聲の形』という作品が多くの方の心に何かを残したのだと改めて実感してきました」と明かす。そのうえで「これまでに観てくださった方にも、この機会に初めてご覧になる方にも、ぜひ映画館でじっくりと作品を味わっていただけると幸いです」と呼びかけた。

劇場の外でも動きがある。物語の舞台となった岐阜県大垣市とのコラボが決まり、開催期間は2026年10月10日から2027年1月9日まで。作品ゆかりの場所を巡りながら楽しめる内容になるとされ、詳細は後日発表される。

10年前、120館から静かに始まった作品が、今度は最新の上映形式で戻ってくる。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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