山下美夢有、プレーオフ制し国内メジャー3冠 ソニー日本女子プロゴルフ選手権で吉澤柚月を下す

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国内女子ゴルフのメジャー第2戦、ソニー日本女子プロゴルフ選手権の最終日が9月13日、石川県加賀市の片山津ゴルフ倶楽部白山コースで行われ、山下美夢有(25)=花王=が大会初優勝を飾った。通算9アンダーで並んだ吉澤柚月(22)=三菱電機=とのプレーオフを、18番の1ホール目で制した。国内メジャーは3大会目のタイトルで、史上11人目の3冠。JLPGAツアーでは2年ぶりの通算14勝目となった。
2打差4位から69、正規18番のパーでプレーオフへ
首位の勝みなみと2打差の通算6アンダー、4位タイで最終日を迎えた山下は、最終組の1つ前の組でスタートした。1番パー5でいきなりバーディーを奪い、2番のボギーの後は8番から2連続バーディー。通算8アンダーで折り返した時点で、勝、吉澤と首位に並んでいた。
後半に入って通算9アンダーまで伸ばしたが、15番のボギーで一歩後退する。それでも直後の16番パー5で、残り100ヤードを48度のウェッジで30センチにつけ、すぐにバーディーを取り返した。
最終18番はティーショットが右の深いラフにつかまり、2打目でグリーンを狙えない。山下は迷わずフェアウェイに刻み、残り88ヤードの3打目を52度のウェッジでピンそば1メートルへ運んでパーを拾った。5バーディー、2ボギーの69。「最後まで何があるか分からない中、最後のパーパットは大きかったと思います」と、このパーセーブの重みを語っている。
1組後ろの最終組でも、優勝争いは最後までもつれた。勝は16番でイーグルを奪って首位に並んだが、17番パー3で3パットのボギーをたたく。8月のAIG女子オープンを制した桑木志帆も17番でバーディーを返したものの、あと1打が届かなかった。
2位タイから出た吉澤は、2バーディー、ボギーなしの70。18番のバーディーパットはカップに届かなかったが、パーで通算9アンダーとし、山下との一騎打ちに持ち込んだ。
プレーオフは1ホール目、明暗を分けたティーショット
プレーオフは18番パー4で行われた。正規のラウンドでラフに入れた山下は、打ち方を変えずにフェアウェイをとらえる。2打目をピンの奥5メートルほどに乗せ、2パットでパーとした。
吉澤のティーショットは右の深いラフへ沈んだ。2打目は左のバンカーにつかまり、3打目もグリーン奥のカラーまで。パターで狙った4打目はカップに届かず、この日19ホール目で初めてのボギーとなった。
「プレーオフで力が入ってしまった」。吉澤は勝敗が決まると山下をたたえ、その後に涙をこぼした。
| 順位 | 選手 | 通算 | 最終日 |
|---|---|---|---|
| 優勝 | 山下美夢有(プレーオフ勝ち) | 9アンダー | 69 |
| 2位 | 吉澤柚月(プレーオフ負け) | 9アンダー | 70 |
| 3位タイ | 仲村果乃 | 8アンダー | 68 |
| 3位タイ | 竹田麗央 | 8アンダー | 70 |
| 3位タイ | 桑木志帆 | 8アンダー | 71 |
| 3位タイ | 勝みなみ | 8アンダー | 72 |
| 7位タイ | 畑岡奈紗 | 6アンダー | 65 |
| 7位タイ | 河本結 | 6アンダー | 70 |
| 7位タイ | 岩井明愛 | 6アンダー | 70 |
母の故郷・石川で手にした「特別な試合」のタイトル
開催地の石川県は、山下の母の出身地だ。米ツアーを主戦場にする今も墓参りなどで訪れる土地で、今季初めて出場した国内ツアーの舞台がここだった。優勝インタビューでは、初めて石川でプレーして勝てたことを喜び、ご飯もおいしいと笑顔を見せた。
「公式競技は特別な試合なので、気合いが入ります。アメリカを主戦場にしていますが、こうして帰ってきて、公式競技で優勝できたことをうれしく思います」。日本のタイトルへの思いを、山下はこう明かした。
表彰式のあいさつでは、8月末に県内を襲った大雨の被害にも触れ、早い復旧を願った。
山下は2024年1月の能登半島地震の直後にも、日本赤十字社へ500万円を寄付している。今大会の優勝を受け、石川県へ現金1000万円を寄付することも決めた。会場で観戦した母は涙を流し、優勝したら自分にできることとして寄付をすると娘が話していたと明かした。
サロンパス、リコー杯に続く3冠、残るは日本女子オープン
国内の女子メジャーは、ワールドレディスサロンパスカップ、日本女子プロゴルフ選手権、日本女子オープン、JLPGAツアー選手権リコーカップの4大会。山下は2022年のサロンパスカップ、22年と23年のリコーカップに続き、4度目のメジャー制覇で3冠に届いた。
25歳42日での3冠は、諸見里しのぶの23歳59日に次ぐ歴代2位の年少記録となる。国内メジャーはサロンパスカップが昇格した2008年から4大会となったが、3冠には大迫たつ子や不動裕理らそれ以前の達成者も含まれ、山下で11人目となった。
2022年と23年に国内の年間女王に輝いた山下は、2025年から米女子ツアーに参戦した。1年目にAIG女子オープンで海外メジャー初制覇を果たし、11月のメイバンク選手権も制覇。今季は6月のマイヤーLPGAクラシックで逆転優勝を飾った。
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ただ、連覇がかかった8月のAIG女子オープンは予選落ちに終わる。コーチを務める父から、3打目で100ヤード前後を残す本来の組み立てを思い出すよう促され、3週後のCPKC女子オープンで9打差の完全優勝。米ツアー通算4勝目を挙げ、世界ランキング6位で日本に戻ってきた。
片山津でも、その武器が勝負を支えた。最終日のフェアウェイキープは14ホール中6ホールと苦しんだが、4日間のパーオン率は73.61%で出場選手の1位。ラフに入れたら割り切り、得意な距離を残して打つことを心がけていたと話している。
吉澤柚月は涙の2位、最終組で桑木から受けた言葉
プロ3年目の吉澤は、8月の北海道meijiカップでツアー初優勝を挙げたばかり。2位タイで最終日の最終組に入り、米ツアーでも戦う勝、AIG女子オープン覇者の桑木と優勝を争った。勝とは4日間を通して同じ組で回っている。
プレーオフの直前、吉澤は同組の桑木に、どんな気持ちで臨めばいいかを尋ねている。桑木は前年の今大会で金澤志奈とのプレーオフに敗れた選手で、返ってきたのは「気持ちだけは負けないで」という言葉だった。
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「本当にすごく悔しいです。ラフの状況を把握しきれなかったことがミスかなと思います」。吉澤はそう悔やみつつ、「海外ツアーで戦っている方がたくさんいるなかでのこの順位は、自分にとってすごく意味のあることだと思います」とも口にした。
米ツアー組が11人出場したフィールドで、トップ10には山下を含む5人が入った。3日目に63をマークした竹田麗央、最終日にボギーなしの68で回った仲村果乃も、プレーオフまであと1打の3位タイだった。
国内メジャー4冠の懸かる日本女子オープンは、史上初の記録への挑戦になる。山下は大会後、主戦場の米国へ戻る。「米ツアーもまだ試合が続くので、優勝を目指して自分らしく頑張りたい」と、次の戦いへ目を向けた。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]





































































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