天理高校、高川学園に6-3で逆転勝ちしベスト8 夏の甲子園9年ぶり8強のメンバーと勝因

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第108回全国高校野球選手権大会3回戦で、天理(奈良)が高川学園(山口)に6-3で逆転勝ちし、ベスト8入りを果たした。0-3の3点差から6回に一挙4点を奪う逆転劇で、8強一番乗りを決めている。天理のベスト8進出は、4強入りした2017年大会以来9年ぶりで、大会全体を見渡しても、いち早く準々決勝進出を決めたチームとなった。
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無安打での失点も、機動力への警戒は的中していた
天理の藤原忠理監督は試合前、高川学園の脅威について「やはり1、2、3番の機動力は非常にポイント。1、2、3番の出塁をどれだけ抑えるか。出たときにどれだけ食い止めできるか」と警戒感を示していた。その懸念は初回から的中する。先頭打者の四球と盗塁で無死二塁とされると、犠打で無死一・三塁に進められ、続く打者の遊ゴロの間に三塁走者が生還。安打を1本も許さない形で先制点を奪われる、機動力を絡めた失点だった。
クーリングタイム明けの6回に一挙4点、3点差をひっくり返す
試合は5回を終えた時点で0-3とリードを許す展開だった。5回終了後の暑さ対策のクーリングタイムを挟んだ直後の6回、天理打線が一気に目覚める。3番・関村の中前打でまず1点を返すと、続く打者の四球で満塁とし、そこから連続の押し出し四死球で1点差、同点と着実に加点。1死後には1番DHの山中喜晴が犠飛を放って勝ち越しに成功し、3点差を一挙にひっくり返した。8回には山中の適時二塁打でさらに2点を追加し、最終スコアは6-3となった。高川学園は6回に先発の木下が3連打を浴び、リリーフの宮崎も制球を乱すなど、後半の総崩れが響いた。
4年ぶりの初戦突破から勢いに乗る、藤原監督は甲子園初勝利も経験
天理は1回戦で福山(広島)と対戦し、7-2で快勝して初戦を突破していた。この初戦突破は2022年以来4年ぶりで、長尾はこの試合でも13奪三振を奪う好投を見せている。打線でも4番・金本相有が大会第4号となる本塁打を放つなど、投打がかみ合った内容だった。藤原忠理監督にとっては、この初戦勝利が甲子園における自身初めての白星でもあった。エースの安定感と要所での一発を武器に、天理はこの初戦突破の勢いをそのまま3回戦の逆転劇へとつなげた形だ。
長尾亮大が2試合連続の完投、2戦連続2桁奪三振
先発した長尾亮大(3年)は、5回までに3失点を許しながらも、6回以降は無失点で切り抜けて試合を締めくくった。5安打3失点、奪三振は10個で、初戦の13奪三振に続く2戦連続の2桁奪三振と、2試合連続の完投勝利を記録している。藤原忠理監督は長尾の投球について「中盤から非常にリズムのいい投球になりました」と評価。序盤の失点にも動じず、試合の後半にかけて安定感を増していった投球内容が、逆転勝利を支える土台になった。2試合続けての完投・2桁奪三振という結果は、エースとしての疲労管理と勝負強さの両立を示すものでもある。
「絶対ビッグイニング作れるから」藤原監督の采配とスタンドの後押し
3点を追う展開で迎えたクーリングタイム中、藤原忠理監督は選手たちに「どんどん攻めていくよ」「絶対ビッグイニング作れるから」と声をかけていたことを明かしている。この言葉通り、直後の6回に4点を奪う猛攻が実現した形だ。試合後、藤原監督は「見ている通り、我々は”小粒軍団”ですので」と謙虚に自チームを評しながらも、「全然パワーがありませんので、やっぱりその応援の後押しで力をもらって、あのビッグイニングが作れたなと思いますね」と、スタンドからの声援への感謝を語っている。大型選手が揃うわけではないチームが、選手個々の機動力や小技よりも、むしろスタンドの一体感を武器に強豪相手から逆転勝ちを収めたという点で、監督自身のコメントとも符合する結果となった。
春夏通算81勝で単独6位、夏51勝で単独4位の伝統校
天理は甲子園の常連校で、今回の勝利により春夏通算勝利数は81勝に到達し、広陵・松山商を抜いて単独6位に浮上。夏の甲子園に限れば51勝で仙台育英を抜き、単独4位という記録も打ち立てている。夏の甲子園では1986年と1990年の2度優勝を経験しているほか、1997年にはセンバツでも頂点に立った実績を持つ全国屈指の伝統校だ。4強に進んだ2017年大会以来9年ぶりとなる今回の8強進出は、こうした輝かしい歴史にまた新たな一勝を積み重ねる結果となった。
相手の高川学園は通算5度目の出場、初戦の相性の悪さを克服
対戦した高川学園(山口)は、1984年春に甲子園初出場を果たし、春夏通算では今回が5度目の出場となる山口県の強豪校だ。甲子園での初勝利は2021年夏まで持ち越されるなど苦しい時期もあったが、プロ野球選手の立石正広・椋木蓮・山野太一らを輩出してきた実績を持つ。今大会でも3回戦まで勝ち上がり、機動力を絡めた小技と粘りの投球で、天理を最後まで苦しめる好ゲームを演出した。
準々決勝は8月18日、天理は第1試合の一塁側に
準々決勝は8月18日に行われる予定で、天理は第1試合の一塁側に入ることが決まっている。対戦相手は今後の組み合わせ抽選によって決まる見通しで、これまでの戦いぶりを踏まえると、どの相手と当たっても粘り強い戦いが期待される。9年ぶりのベスト8一番乗りを果たした天理が、エース長尾の粘投とスタンドの後押しを力に変えて、さらに上位進出を果たせるかに注目が集まる。準々決勝を勝ち抜けば、9年ぶりの4強進出という新たな節目も見えてくる。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]



































































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