アスリートナイトゲームズ in FUKUIの男子100m、決勝は山本匠真が10秒05で優勝 予選は守祐陽と鈴木涼太が着差なし

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
陸上の日本グランプリシリーズは全国各地を転戦しながら毎年開催されており、その一戦「アスリートナイトゲームズ in FUKUI 2026」(8月14日〜15日、福井県営陸上競技場)は15日、男子100m決勝を行った。山本匠真が10秒05(追い風0.9メートル)で優勝し、予選では守祐陽と鈴木涼太がともに10秒10で並び、着差なしの同着でともに決勝進出を決めていた。
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2位以下は10秒10〜10秒21、桐生祥秀も10秒12で4位
決勝は2位に林哉太(ノジマT&FC)が10秒10、3位に鈴木涼太(スズキ)が10秒11で続いた。4位には桐生祥秀(日本生命)、5位にデーデー・ブルーノ(セイコー)、6位に西岡尚輝(筑波大)がそろって10秒12で並び、予選で同着だった守祐陽(渡辺パイプ)は10秒21で7位に終わった。上位が10秒0〜1秒台に密集する、レベルの高い決勝となった。2017年に日本人初の9秒台(9秒98)をマークした桐生は、6日前の富士北麓ワールドトライアルで今季自己ベストの10秒03をマークしたばかり。その桐生をも上回る走りで、山本は今大会のトップに立った。2位の林は四日市工高から法政大学に進み、U20日本選手権の100mを制した実績を持つ。2024年から社会人としてノジマT&FCで競技を続けており、スタートの鋭さを武器にする選手だ。
予選3組、守祐陽と鈴木涼太が10秒10の同着
決勝進出をかけた予選では、第3組で守と鈴木がともに10秒10をマークし、同着で組を通過した。短距離の公式記録は100分の1秒単位で計測され、着差が100分の1秒未満に収まった場合は同タイムとして扱われる。わずかな着差も見逃さない写真判定の時代にあって、同一組で同タイムの選手が並んで決勝へ進む場面は珍しく、大会の見どころの一つとなった。1999年6月生まれ、静岡県浜松市出身の鈴木は、2022年世界選手権(オレゴン)の4×100メートルリレー日本代表や、2023年アジア室内選手権60メートル銅メダルの実績を持つ実力者。同着で並んだ予選から、決勝でも3位に食い込んだ。
半導体研究の理系大学院生、高校時代10秒98からの成長
山本は24歳、広島国泰寺高から広島大学工学部を経て、現在は広島大学大学院先進理工系科学研究科で半導体の研究に取り組む理系ランナーだ。高校時代の自己ベストは10秒98だったが、日本学生対校選手権では3年次・4年次に2年連続3位入賞。2024年には世界リレー大会の男子400メートルリレー代表にも入った。アニメ映画「ひゃくえむ。」では、主人公のライバル・小宮の走行フォームのモデルにも採用されている。
6日前には自己新10秒04、2戦連続の10秒0台
山本は8月9日の富士北麓ワールドトライアルで、予選2組で追い風を受けて自己新となる10秒04をマーク。「中盤までは、しっかりはまってトップスピードまで上げられた。自分自身も初めて経験したスピード。ただ最後はちょっと力んでしまった」と振り返り、決勝は10秒10で制していた。それから6日後の福井で2戦連続となる10秒0台での優勝を果たした格好だが、本人は9秒台への期待については冷静な見方を崩していない。「9秒台を出すなら、10秒04とかを、風なしで、高地でない場所で、安定して出せる力が必要になる」と語り、着実な力の底上げを重視する姿勢をのぞかせている。派手な数字を先に追うのではなく、条件のそろわない中でも安定して好タイムを出せる走りを積み重ねる考えのようだ。
関連記事:山本匠真が男子100mで優勝、予選で自己新の10秒04 日本グランプリシリーズ3
日本選手権4位から勢いに乗った2026年シーズン
山本の2026年シーズンは、6月の日本選手権で4位(当時の自己ベスト10秒12)に入ったところから勢いに乗った。雨で中断した布勢スプリントでは10秒17で優勝するなど好記録を重ね、8月に入ると富士北麓での自己新10秒04、福井での10秒05優勝と2戦連続の好走を見せている。理系大学院生としての研究と競技を両立させながら、着実にステップアップを続けている。
桐生祥秀の名を冠した「9.98スタジアム」で世代交代の一夜
会場の福井県営陸上競技場は、2017年の日本学生対校選手権(日本インカレ)で当時東洋大4年だった桐生が日本人初の9秒台となる9秒98をマークしたことにちなみ、福井県が「9.98スタジアム」の愛称を付けた競技場だ。桐生の歴史的快挙を記念して名付けられた舞台で、その桐生をタイムで上回る優勝を果たした山本の走りは、世代交代を印象づける一夜となった。アスリートナイトゲームズ in FUKUIは日本グランプリシリーズの一戦として毎年8月に夜間照明の下で開催されている。同じ15日には女子100mハードルで中島ひとみが12秒60(追い風0.7メートル)の日本新記録で優勝しており、前週の富士北麓で樹立したばかりの自己記録をさらに0.02秒更新した。男女の主力種目で好記録が相次いだ夜となった。研究と競技の両立を続ける山本にとって、今回の優勝は「安定して好タイムを出す力」を積み上げる過程の通過点であり、次戦以降のさらなる記録更新に注目が集まる。9秒台という大台への挑戦がいつ現実味を帯びてくるか、シーズン終盤に向けた走りから目が離せない。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]







































































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