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盧山初雄さん、78歳で死去 極真館の会長で1973年の第5回全日本空手道選手権大会を制した空手家

盧山初雄さん、78歳で死去 極真館の会長で1973年の第5回全日本空手道選手権大会を制した空手家

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極真空手道連盟・極真館は8月3日、会長の盧山初雄さん(78)が同日午後4時48分に死去したと発表した。かねて病気療養中で、容体が急変したという。1973年の第5回全日本空手道選手権大会を制し、”ローキックの鬼”の異名で知られた空手家だった。葬儀は近親者のみの密葬で営み、後日「お別れの会」を開くとしている。

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病気療養中に容体急変、公式インスタグラムで発表

極真空手道連盟・極真館は8月3日、盧山初雄さん=極真館会長=が同日午後4時48分に死去したと公式インスタグラムで明らかにした。かねて病気療養中だったが、容体が急変したという。発表文には「度重なる大病と最後まで気高く闘い抜きました」とあり、晩年まで気力を失わなかった様子がうかがえる。

葬儀は近親者のみの密葬として営み、弔問・香典・供花は辞退するとした。後日、故人をしのぶ「お別れの会」を開く予定だという。著名な指導者の訃報では、近親者のみの密葬を先に営み、日を改めて関係者を広く招く会を開く対応が近年よく見られる。

大山道場に入門、1973年の全日本大会を制す

盧山さんは1948年3月31日、埼玉県行田市の生まれ。高校1年の秋、東京・池袋の大山道場に入門し、極真空手の創始者・大山倍達に師事した。大山は瓦や氷柱を素手で割る演武で名をはせ、極真会館を国内有数の空手団体に育て上げた人物だった。大山が興した極真空手は防具を着けず直接打撃を認めるフルコンタクトルールを特徴とし、当時の空手界では異色の存在として知られていた。空手のほか、太気拳の澤井健一、日本拳法空手道の中村日出夫といった他流の実力者からも指導を受けたという。入門当時の極真会館はまだ分裂前で、大山を頂点とする一つの団体だった。

全日本大会は突きや蹴りの威力を直接競うノックダウン方式で争われ、優勝は空手家にとって最高の栄誉とされてきた。力をつけた盧山さんは1973年の第5回大会に出場し、決勝で山崎照朝を破って優勝を果たした。山崎は極真会館の記念すべき第1回大会を制した実力者だった。1975年には第1回全世界空手道選手権大会に出場し、決勝で佐藤勝昭との激闘の末に敗れ、準優勝に終わった。下段廻し蹴りと三日月蹴りを武器とする戦い方から”ローキックの鬼”、あるいは”ローキックの盧山”と呼ばれた。「巨人の星」「あしたのジョー」の原作者としても知られる梶原一騎の劇画「空手バカ一代」にも実名で描かれ、大山倍達の半生と極真空手の草創期を伝える同作で、その名は幅広い読者に知られていく。

極真分裂を経て極真館設立、2022年に会長へ

大山倍達は1994年に死去し、後継体制を巡って極真会館は複数の組織に分かれ、それぞれが後継を掲げて独自の道を歩む状態が続いた。盧山さんは松井章圭を代表とする新団体で最高顧問・首席師範を務めたが、2002年12月に他の有力支部長らとともに袂を分かち、大山の教えを原点に立ち返って継承するとの理念を掲げて極真空手道連盟極真館を設立した。翌2003年1月の正式発足とともに、盧山さんは初代館長に就任。

館長として組織を率いた盧山さんは2022年4月17日、東京・代々木第二体育館で開かれた式典で館長を退任し、会長に就任。新館長には首席師範だった岡崎寛人、国際本部長には湖山彰夫がそれぞれ就任し、翌日には埼玉・秩父の三峰神社で新館長任命式も執り行われた。国際本部長という役職が示す通り、極真館は国内にとどまらず海外にも支部道場を広げてきた組織だ。盧山さんはあいさつで、大山が遺した「極真空手は永劫不滅」との言葉に触れ、「岡崎寛人、湖山彰夫の後継者に出会えたことは幸せなことです」と後進への信頼を語った。以来、空手の段位で最高峰に近いとされる九段、指導者の称号である範士師範を持つ会長として、団体を見守る立場だった。

私生活は再婚、極真館は岡崎新館長体制で継続

私生活では2021年5月、73歳でウクライナ出身の女性と再婚したことも明らかにしていた。当時の取材では、若さを保つ秘訣について「”恋”と空手修行」と語っており、晩年まで空手への情熱を失わなかった様子がうかがえる。

極真館は今後、二代目館長の岡崎が実務を率い、盧山さんが掲げてきた「原点回帰」の理念を引き継ぐ見通しだ。大山倍達の死去から30年余りが経った現在も、「極真」を名乗る団体は国内外に複数存在し、いずれも源流を大山にたどる。盧山さんはその中でも大山から直接指導を受けた最古参の一人として、極真空手の草創期を体現する存在だった。格闘技専門メディア各社も功績をたどる記事を相次いで配信し、フルコンタクト空手の歴史を築いた指導者の訃報を伝えている。岡崎新館長を中心とする新体制のもと、極真館は設立から20年余りの歩みを次の世代へつなぐ局面だ。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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