the GazettE、「声」「愚鈍の桜」「異端」のデモ音源を公開 入院中のRUKIが発案

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
ヴィジュアル系ロックバンドのthe GazettEが10月29日、制作途中だったアルバムから未発表曲「声」「愚鈍の桜」「異端」の3曲を、デモ段階の音源のまま公式サイトで公開した。9月から入院が続くボーカルのRUKIは自身のXで、公開は自ら発案したものだと明かした。公開は期間限定で、終了日はまだ決まっていない。
未発表の3曲を、デモのまま公式サイトで公開
公開の知らせは10月29日、公式サイトのニュース欄と公式スタッフのXで出た。公式サイトの告知(「the GazettE 更新情報」)は「メンバーの意向により制作途中にありましたアルバムの中から未発表曲でもある『声』『愚鈍の桜』『異端』の3曲のデモ段階の音源を公開させて頂く事となりました」と説明している。
3曲はいずれも、まだCDや配信で出ていない新曲だ。過去の作品を作り直したものではなく、制作中のアルバムに入る予定だった曲を、完成前の形で先に聴いてもらう取り組みになる。
公式サイトのトップページを開くと、3曲の動画プレーヤーが「声」「愚鈍の桜」「異端」の順に縦に並ぶ。それぞれの曲には「Lyric」のボタンがあり、押すと歌詞が表示される。告知は「是非、歌詞も含めてお聴きしていただけますと幸いです」と呼びかけた。
聴くのに会員登録や料金は要らない。ファンクラブ会員向けの限定公開ではなく、誰でも開ける公式サイトの表のページに置かれている。公開期間について告知は「期日は未定ですが期間限定」としており、いつまで聴けるかは決まっていない。
活動を続けるバンドが、デモ段階の未発表曲を公開するのは珍しい。報道でも異例の対応として伝えられた。
RUKIが自ら発案、歌詞は「みんなへの手紙」
公開に合わせ、RUKI、ギターのURUHA、ドラムのKAIの3人が、それぞれ自身のXでコメントを出した。
RUKIは、体調が少しずつ回復に向かう一方で、検査と療養を続けていると報告した。デモ音源の公開は自分が言い出したことだという。デモという完成前の段階で出すことには抵抗があったものの、今の思いを届けたい気持ちのほうが強かったと打ち明けている。
メンバーと力を合わせて形にした3曲について、RUKIは「想いは全て込めたので歌詞も含めてみんなへの手紙として受け取ってくれたら嬉しいです」とつづった。アルバムの完成についても「待たせてしまったとしても、必ず1番良い形で悔いのない様みんなに届けたいです」と記し、「また退院した時にはお知らせさせて下さい」と結んだ。
入院中のボーカルが、未完成の曲をファンに先に届ける。完成品を待ってもらうより、今の言葉を今届けることを選んだ判断だった。
URUHAとKAIが明かした制作の手応え
URUHAは、デモ音源を作った日々を「決して普通では無い環境下でも、こうして曲に対して同じ方向を向いて気持ちをぶつけ合う事ができた事は、本来バンドをやっていく中で求めていた素直に音楽を楽しむ事そのものでもあったのだと気付かされました」と表現した。
KAIは歌詞に触れ、「RUKIから歌詞をもらい、聴いた時、自分にとっては伝えたい想いが沢山詰まっていて、自分の中の答えのように感じました」と明かしている。
the GazettEの作詞はRUKIが担ってきた。ボーカルが病院にいる中でも、3人が同じ曲に向き合い、歌詞と音を一つにまとめた跡が、2人の言葉からも伝わる。
9月23日に救急搬送、10月27日の報告でも入院続く
RUKIの体調の異変を、事務所が初めて伝えたのは9月24日だった。公式サイトの「ご報告」によると、RUKIは体調不良を訴えていたところ、9月23日に突然倒れ、意識障害を伴う状態になり、救急搬送された。医療機関で必要な検査と経過観察を受け、療養のため入院したと説明している。
続く報告は10月27日付で出た。事務所は、病名や詳しい病状について問い合わせが寄せられているものの、本人のプライバシーを考え公表を控えるとした。そのうえで、RUKIの容態は「回復に向かっておりますが、いまだ入院が続いており引き続き検査、療養を行なっております」と伝えている。
デモ音源の公開は、この報告から2日後の10月29日だった。退院の時期について、事務所からの発表はない。
葵の除名発表を経て3人で歩むthe GazettE
the GazettEは2002年3月10日に結成された。2005年12月にシングル「Cassis」でメジャーデビューし、2010年には東京ドームで単独公演を開いた。オリジナルアルバムは2021年5月の「MASS」が最も新しい。
2024年4月15日には、ベースのREITAが亡くなった。
さらに結成24周年の記念日だった2026年3月10日、メンバー一同の名前で、ギタリストの葵を除名し、今後袂を分かつと公式サイトで発表した。発表文は、葵による一方的なバンド活動の放棄や、決まっていたリリースやツアーへの妨害、度重なる背信行為があったと説明している。予定していたリリースは一度見直し、詳細が決まり次第知らせるとした。これに対し葵は同日、自身のXで、2025年9月末でバンドを脱退しており除名による脱退ではないと主張し、活動の放棄や妨害行為も否定した。
関連記事:ガゼット何があった?葵”除名”の裏側 週刊女性が報じた「代表権への執着」「コロコロ変わる金額」の全容とは
現在はRUKI、URUHA、KAIの3人で活動している。発表文で「これからも歩みを止めることなく継続していく所存です」と約束した3人が、新しいアルバムの制作に取り組む途中で、RUKIが倒れたことになる。
「愚鈍の桜」「異端」はバンドの節目と重なる言葉
3曲のうち2曲の題名は、古くからのファンになじみのある言葉でもある。
結成15周年の2017年3月10日、the GazettEは東京・国立代々木競技場第一体育館で記念公演「大日本異端芸者『暴動区 愚鈍の桜』」を開いた。「大日本異端芸者」の言葉は、2004年7月発売の初期作品「大日本異端芸者的脳味噌中吊り絶頂絶景音源集。」の題名にも使われている。
新曲の題名と、かつての公演名や作品名の関係について、バンド側からの説明はない。それでも、15周年の節目に掲げた言葉が、3人で作る新しいアルバムの曲名に並んだ。
公開はいつまで、アルバムの行方は
デモ音源の公開は期間限定で、終了日は未定だ。公式サイトのニュース欄には10月30日時点で、今後のライブやアルバムの発売日の告知は出ていない。
RUKIは退院したら知らせると約束しており、アルバムについては「必ず1番良い形で」届けたいと書いた。3曲のデモは、その完成形がいつ出るかまだ分からない中で、今のthe GazettEを伝える音源になる。
[文/構成 by Webライター 真柴 ことね]

















































































コメントはこちら