MediaDogs

新着記事

辛島航、楽天の投手コーチに就任 引退した36歳が指導者へ、これまでの経歴

辛島航、楽天の投手コーチに就任 引退した36歳が指導者へ、これまでの経歴

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

楽天は10月29日、2027シーズンのコーチングスタッフを発表し、今季限りで現役を引退した辛島航(36)が投手コーチに就任した。楽天ひと筋18年、通算56勝の左腕が、ユニホームを脱いで1か月足らずで指導者に転じる。1軍と2軍のどちらを担当するかは、球団の発表では示されていない。

10月29日の球団発表、5人の投手コーチの一人に

東北楽天ゴールデンイーグルスは10月29日、公式サイトで「新任コーチに関して」と「2027コーチングスタッフに関して」の2本を公表した。辛島の肩書は「投手コーチ」。背番号は空欄のままで、決まっていない。発表文に本人のコメントは載っておらず、10月30日時点で就任についての談話は確認できていない。

投手部門は5人の体制になる。発表された一覧では、辛島を含む次の顔ぶれが並んだ。

氏名背番号新任
青山浩二82-
久保裕也91-
赤堀元之92新任
増井浩俊96新任
辛島航未定新任

一覧の上では、5人とも役職名は同じ「投手コーチ」だ。1軍・2軍の振り分けや担当の分担は書かれておらず、育成選手を受け持つ「育成投手コーチ」には別に石井貴の名前がある。

同じ日に新任として就任が発表されたのは辛島を含めて7人だった。ヘッドコーチに元ロッテの大塚明、打撃コーチに小笠原道大が入り、投手コーチにはハヤテベンチャーズ静岡で指揮を執ってきた赤堀元之と、日本ハムとオリックスで投げた増井浩俊が加わる。内野守備走塁コーチの玉木朋孝、外野守備走塁コーチの波留敏夫も新顔だ。バッテリーコーチの鶴岡慎也は、これに先立つ10月26日に就任が発表されていた。

同じ投手コーチでも、赤堀は辛島とは経歴がまったく違う。静岡高から1988年ドラフト4位で近鉄に入り、引退後はオリックス、ヤクルト、中日などで指導してきた56歳のベテランだ。今季限りで現役を退いたばかりの辛島は、5人の中で最も若い。

関連記事:赤堀元之、ハヤテベンチャーズ静岡を退団し楽天の投手コーチへ 元近鉄の守護神、最優秀救援5度

投手部門では入れ替えもあった。10月28日には小野寺力投手コーチの退団と、塩見貴洋投手コーチの退任が発表されている。監督は今年6月に就任した吉井理人が来季も務め、2軍監督は渡辺直人が担う。

9月23日に引退発表、10月3日に打者1人と対戦

現役に区切りをつけたのは、つい最近のことだった。楽天は9月23日、辛島が今季限りで引退すると発表する。2025年は開幕ローテーションに入りながら2試合で0勝2敗に終わり、同年10月に左肘の手術を受ける。18年目の今季は、引退発表の時点でファームの9試合に投げて3勝1敗、防御率3.67と結果を残したが、1軍のマウンドには上がれずにいた。

関連記事:辛島航が35歳で現役引退 今季1軍登板なし、飯塚高からドラフト6位で入団した18年の成績

最後の登板は10月3日、本拠地・楽天モバイル 最強パーク宮城でのオリックス戦だった。先発としてマウンドに上がり、1番の西川龍馬を左飛に打ち取って役目を終える。試合は楽天が6-0で勝った。

登板の数時間前に開かれた引退会見で、辛島は18年間への感謝を述べ、「やりきった」と心境を語った。今後については、現時点で決まっていることはないとしたうえで、野球に人生を変えてもらい、救われた部分があるとして、何らかの形で貢献していきたいという思いを口にしていた。それから26日後、球団が出した答えが投手コーチへの就任だった。

会見では、9月に亡くなった祖父への思いも口にしている。感謝を伝えたい相手を問われると、一番に野球を教えてくれた祖父を挙げ、目を潤ませた。

関連記事:辛島航、引退試合で先発し打者1人と対戦して現役ラスト登板 会見で「一番は野球を教えてくれたおじいちゃん」

福岡県出身、飯塚高等学校からドラフト6位で入団

辛島は1990年10月18日生まれ、福岡県の出身。福岡県飯塚市にある私立の飯塚高等学校で3年夏にエースを務め、同校にとって初めての甲子園出場をもたらした。甲子園は初戦で敗れたが、その秋の2008年ドラフト会議で楽天から6位で指名される。173センチ、72キロ。プロの投手としては小柄な部類に入る。

速い球で押すタイプではない。緩い球を交ぜて緩急をつけ、打者のタイミングを外す投球で先発として生き残った。

プロ1年目の2009年に救援で1軍デビューし、2年目の2010年は12試合で5ホールドを記録した。3年目の2011年は1軍登板なしに終わっている。

1軍に定着したのは4年目の2012年だ。5月1日の西武戦でプロ初先発し、6回2/3を1失点に抑えて初勝利を挙げた。この年は16試合で8勝5敗、防御率2.53と、1軍で10試合以上に投げたシーズンでは自己最高の防御率を残す。翌2013年は球団初のリーグ優勝と日本一を経験し、10月31日、東京ドームでの巨人との日本シリーズ第5戦では先発で5回を1安打無失点に抑え、延長10回の末に4-2で勝つ試合の土台を作った。

その後もローテーションの一角を担い、2014年は25試合に登板して154回1/3を投げ、自身唯一の規定投球回に到達した。9月7日のロッテ戦では9回2安打無失点でプロ初完封も挙げる。2017年は8勝8敗と五分の星を残し、2019年は27試合に登板して自己最多の9勝を記録した。この年は救援にも回り、2ホールドを挙げている。けがにも苦しみ、2021年と2024年は1軍登板がなかったものの、2022年は6勝4敗、防御率3.40と持ち直している。この年に国内FA権を取ったが行使せず、楽天に残った。

NPB公式記録で見る通算成績

NPBの公式記録による通算成績は、10月3日の最後の登板を含めて次のとおりだ。

項目通算
登板211試合
勝敗56勝74敗
セーブ・ホールド2セーブ10ホールド
投球回1007回
奪三振701
防御率4.00

負け越してはいるものの、投球回は1000回を超えた。主に先発として投げてきた18年の積み重ねが、この数字に表れる。

生え抜き左腕が若い投手陣を見る立場に

楽天は2026年シーズンを58勝84敗1分の6位で終えた。首位のソフトバンクとは34ゲーム差。6月に三木肇監督が休養し、吉井監督がシーズン途中から指揮を執ったが、順位は上がらなかった。

来季に向けて、球団は打撃・守備・投手の各部門に外部から実績のある指導者を集めた。その中で辛島は、2013年の日本一を知る生え抜きとして投手陣に加わる。2009年から2026年まで在籍したチームで、今度は教える側に回るのだ。

173センチの体で、球速に頼らず緩急で1000回を投げてきた。その経験を若い投手にどう伝えていくのか。1軍・2軍の担当や背番号は、今後の球団の発表を待つことになる。

36歳の新人コーチ。会見で語った野球への貢献は、指導者として始まる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター TAKU]

寄稿者

TAKU
ボールを使う競技なら何でも観ます、TAKUです。学生時代はずっとバスケ部、いまは週末にフットサル。スポーツを中心に書くWebライターになって5年です。Bリーグ、バレーボール、ラグビー、テニスを中心に、野球やサッカーも書きます。試合の流れが変わった瞬間を、スコアと一緒に伝えるのが得意です。

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

エンタメ

More

スポーツ

More

ライフハック/実用

More

グルメ

More

社会/ニュース

More
Return Top