ブルワーズが球団創設58年目で初の世界一 MVPはウィリアム・コントレラス捕手

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ブルワーズが現地10月28日(日本時間29日)、ワールドシリーズ第5戦でレイズを4-1で破り、シリーズ4勝1敗で球団史上初の世界一に輝いた。1969年にシアトル・パイロッツとして誕生してから58年目のシーズンでつかんだ頂点だ。シリーズMVPには、5試合で打率.381、4打点を残した正捕手のウィリアム・コントレラス(28)が選ばれた。
第5戦は4-1、本塁打なしで4点を奪って逃げ切り
試合は現地28日午後8時8分(日本時間29日午前9時8分)、フロリダ州セントピーターズバーグのトロピカーナ・フィールドで始まった。レイズの本拠地に4万489人が詰めかけた一戦で、先手を取ったのはブルワーズだった。
2回、22歳の新人遊撃手クーパー・プラットが、レイズ先発のドルー・ラスムッセンから中前適時打を放って先制する。ブルワーズはこの後一度もリードを許さず、この1点がそのまま決勝点になった。
5回にはプラットが再び安打で出塁し、デービッド・ハミルトンの右前適時打で生還。6回はコントレラスが左翼へ適時二塁打を放ってクリスチャン・イエリチをかえし、さらに1死一、三塁からプラットの犠飛でコントレラス自身もホームを踏んだ。4-0。奪った4点は、いずれも本塁打を使わずに積み上げたものだった。
投手陣も崩れない。先発のジェイコブ・ミジオロウスキーは5回2/3を2安打無失点に抑え、6回2死で右ふくらはぎのけいれんのため降板した。後を受けたジョジョ・ロメロとエイブナー・ウリベが7回までをつなぎ、8回からは守護神トレバー・メギルが2イニングを任された。
9回2死からチャンドラー・シンプソンの適時二塁打で1点を返されたものの、最後はリッチー・パラシオスを二ゴロに打ち取り、試合終了。勝利投手はミジオロウスキー、敗戦投手はラスムッセンとなった。4点差で登板したメギルにセーブは付いていない。
シリーズ4勝1敗、黒星は延長12回の第4戦だけ
シリーズはブルワーズの本拠地ミルウォーキーのアメリカンファミリー・フィールドで開幕し、第3戦からトロピカーナ・フィールドへ舞台を移した。5試合の結果は次のとおりだ。
| 試合 | 日付(現地) | 勝者 | スコア |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | 10月23日 | ブルワーズ | 3-2 |
| 第2戦 | 10月24日 | ブルワーズ | 5-4 |
| 第3戦 | 10月26日 | ブルワーズ | 10-1 |
| 第4戦 | 10月27日 | レイズ | 4-3 |
| 第5戦 | 10月28日 | ブルワーズ | 4-1 |
本拠地での2試合は、いずれも1点差の接戦だった。第1戦は初回にイエリチの適時三塁打とコントレラスの適時打で2点を先行し、7回にジャクソン・チョウリオの適時打で3点目を加え、9回の反撃を1点にしのいだ。第2戦は初回に4点を失いながら追い上げ、6回にサル・フリリックの同点ソロ本塁打、7回にプラットの勝ち越し打が出て逆転勝ちした。
関連記事:ワールドシリーズ2026開幕、ブルワーズがレイズに3-2先勝 ともに初制覇懸けた第1戦
敵地に乗り込んだ第3戦は10-1の大勝で、世界一に王手をかけた。第4戦は延長12回表にプラットのソロ本塁打で勝ち越したが、その裏に2点を奪われてサヨナラ負け。シリーズ唯一の黒星を喫したものの、翌日の第5戦できっちり決着をつけた。
関連記事:ワールドシリーズ、ブルワーズが3連勝で世界一に王手 レイズの第4戦先発はジャックス
ポストシーズン全体では11勝2敗。地区シリーズでパドレスを3勝1敗で退け、リーグ優勝決定シリーズではドジャースに4連勝した。レギュラーシーズンもメジャー最多の103勝59敗で、勝ち続けたまま最後まで走り切った1年になる。
MVPコントレラス、打撃と守備の両面でチームを支える
コントレラスはシリーズ5試合で21打数8安打、1二塁打、4打点。打率.381の数字以上に、捕手としての働きが目立った。盗塁を狙った走者を自らの送球で3度刺し、そのうち2つは第1戦だった。
ストライク・ボールの判定に異議を申し立てる自動判定(ABS)チャレンジでも、13回中10回を成功させた。守備側で判定に挑めるのは投手と捕手で、捕手の成功率77%は投手陣の大きな支えになる。捕手のワールドシリーズMVPは、2015年のサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)以来だ。
ベネズエラのプエルトカベジョ出身。2020年にブレーブスでメジャーデビューし、2023年からブルワーズでプレーする。2026年春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではベネズエラ代表として優勝を経験しており、同じ年にWBCとワールドシリーズの両方を制した。チームメートのジャクソン・チョウリオとアントニオ・センザテーラも、同じくベネズエラ代表としてWBCを制しており、同じ年に2つの頂点に立った。
兄のウィルソン・コントレラスは2016年にカブスで世界一になっている。兄弟そろってワールドシリーズを制したのは、メジャー史上10組目となった。
優勝が決まった直後、コントレラスは涙が止まらなかった。表彰式では言葉が出ないと話しながら、チームメートとパット・マーフィー監督、そして全員への感謝を口にしている。
マーフィー監督「2026年のチームは永遠に忘れられない」
就任3年目のマーフィー監督(67)は優勝インタビューで「2026年のチームは永遠に忘れられないでしょう」と選手をたたえた。選手たちは個人の成績を気にせず、団結してその日の試合に勝つことだけを考えていたとも話している。
昨季のリーグ優勝決定シリーズでドジャースに敗れたことも、そこから学んで成長できたという意味で恵みだったと振り返り、今年は違う気構えで臨み、誰にも阻まれるつもりはなかったと語った。最後まで手を緩めなかった、というのが指揮官の見立てだ。
数字もその言葉を裏付ける。ブルワーズはポストシーズン13試合で一度も5点以上を許さず、救援陣の防御率は1.38。新人のプラットはシリーズ7打点を挙げ、新人のワールドシリーズ最多打点に並んだ。6打席連続安打も新人のシリーズ記録となる。チョウリオもシリーズ5試合で11安打を放った。
年俸総額は30球団中19位と報じられている。主力を抱え込むより、若手を育てて戦力を回す編成で、メジャー最多勝と世界一の両方を手にした。
1982年の敗退から44年、レイズは3度目の挑戦も届かず
球団の歴史は1969年、シアトル・パイロッツとして始まった。翌1970年にミルウォーキーへ移転してブルワーズとなり、初めてワールドシリーズへ進んだのは1982年。このときはカージナルスに3勝4敗で敗れ、あと一歩で頂点を逃していた。
それから44年ぶりのワールドシリーズで、ようやく手が届いた。初優勝までに要した57シーズンの待ち時間は、メジャーの球団で4番目に長い。ミルウォーキーに世界一のチームが生まれるのは、1957年のブレーブス以来になる。
一方のレイズも、初の世界一を懸けたシリーズだった。1998年に新球団として誕生し、2008年はフィリーズ、2020年はドジャースにワールドシリーズで敗れている。98勝64敗でア・リーグを制した2026年も届かず、ワールドシリーズは通算0勝3敗。ワールドシリーズ優勝のない球団は、ロッキーズ、パドレス、マリナーズとレイズの4つになった。
2024年、2025年と2年続けてナ・リーグの最優秀監督に選ばれたマーフィー監督は、就任3年目で初めて世界一の指揮官になった。1982年に第7戦で涙をのんでから44年。ミルウォーキーのファンが待ち続けた世界一は、58年目のシーズンで現実になった。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]












































































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