角田楓斗、オリックス1位指名で「新人王を取れるように」 中学は弘前市立第一中、高校は東奥義塾

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10月22日のプロ野球ドラフト会議で、オリックスが富士大の角田楓斗投手(22)を1位で単独指名し、交渉権を獲得した。青森県弘前市出身で、弘前市立第一中学校から東奥義塾高校を経て富士大へ進んだ最速153キロの右腕だ。会見では「1年目は新人王を取れるようにやっていきたい」と抱負を語った。青森県関係の選手がドラフト1位で指名されたのは、2019年の堀田賢慎投手以来7年ぶりとなる。
オリックスが単独1位、抽選なしで交渉権を確定
ドラフト会議は10月22日に開かれ、新人選手76人と育成選手51人の交渉権が決まった。オリックスは1位で富士大の角田楓斗を指名し、他球団と重ならなかったため、抽選なしで交渉権が確定した。
1位の抽選は、オリックスにとって鬼門だった。過去2年はいずれも1位で他球団と重なり、くじを外している。岸田護監督はくじ引き役に消極的で、「2回外していますからね…」と話していた。単独指名で、その出番はなくなった。
オリックスは続く2位で駒沢大の仲井慎、3位で大阪商業大の春山陽登を指名し、支配下6人、育成6人の計12人の交渉権を手にした。1位と2位を大学生投手で固めた指名だ。
投手の補強は、オリックスにとって急ぎの課題だった。今季は2年ぶりのBクラスに沈み、先発陣の立て直しが最優先とされていた。開幕投手を務めた宮城大弥が4月に左ひじを痛めて離脱し、山下舜平大も5月に右ひじの手術を受けたことが響いた。岸田監督は角田について「本当にウチの救世主になってくれると信じています」と期待を込めている。
現時点で決まったのは交渉権の獲得で、正式な入団には今後の交渉と契約が必要になる。
西武・西口監督がドキッとした「か」の読み上げ
角田の名前は、別の球団の監督も気にかけていた。西武は1位で亜細亜大の川尻啓人を単独指名したが、西口文也監督は指名が読み上げられる間、気が気でなかったという。
「ちょっとオリックスさんがね、最初角田(かくた)君の“か”って言った瞬間はね、ドキッとしましたけどね。良かったです」
角田と川尻は、どちらも「か」で始まる名前だ。オリックスの1位が読み上げられた瞬間、西口監督は自軍の本命が先に取られたのかと身構えた。結果はそれぞれの単独指名となり、両球団とも狙った投手を手に入れている。
弘前市立第一中から東奥義塾、富士大で三振を量産する右腕に
角田は2004年9月23日生まれ、青森県弘前市の出身。小学3年で野球を始め、地元の弘前市立第一中学校から東奥義塾高校へ進んだ。身長178センチの右投げ左打ちだ。
東奥義塾では、同学年の中田歩夢とともにチームを引っ張った。中田は2022年の育成ドラフト4位で巨人に入っている。一方の角田は、高校時代に春夏の甲子園へ出場することなく卒業した。
花が開いたのは、岩手県花巻市の富士大に進んでからだ。直球の最速は153キロまで伸び、切れのあるカットボールと組み合わせて三振を奪う。3年春のリーグ戦では1試合19奪三振を記録した。
転機は、高校の仲間の存在だった。東奥義塾で一緒にプレーした中田が巨人から育成指名を受けたことに刺激を受け、本気でプロを目指すと決めたという。富士大には、ドラフト1位指名を目指して入学した。入学後は体づくりに取り組み、球速は高校時代から約10キロ上がった。4年春の北東北大学リーグでは最優秀選手と最優秀防御率のタイトルを手にしている。
4年生の今年は、全国の舞台でも力を見せた。6月9日、東京ドームでの全日本大学野球選手権1回戦の松山大戦に先発し、初回の初球から152キロを計測。NPBのスカウトが見守る中、6回まで無安打無失点に抑え、7回を2安打2失点、14奪三振でチームを勝利に導いた。
試合後は「ゾーンでしっかり勝負できた。球の強さで押していくというか、三振を取るべきところで狙って取ることができた」と手応えを口にした。一方で5つの四死球には「途中で自分の甘さが出てしまった」と反省し、「ダメだった部分も今日はたくさん出ているので、修正してもっとアピールできたら」と次を見ていた。
7月には大学日本代表に選ばれ、台湾・台中で開かれた国際大会で優勝したチームの一員となった。
| 時期 | 所属・主な出来事 |
|---|---|
| 2004年9月23日 | 青森県弘前市に生まれる |
| 小学3年 | 野球を始める |
| 中学 | 弘前市立第一中学校 |
| 高校 | 東奥義塾高校(春夏の甲子園出場なし) |
| 大学3年春 | 富士大でリーグ戦1試合19奪三振 |
| 2026年6月 | 全日本大学野球選手権1回戦で7回14奪三振 |
| 2026年7月 | 大学日本代表に選ばれ、チームが国際大会で優勝 |
| 2026年10月22日 | ドラフト会議でオリックスが単独1位指名、交渉権を獲得 |
会見で語った新人王の目標と、地元・弘前への思い
指名の瞬間は、喜ぶより先に驚きが来た。富士大で開いた会見で、角田は「少し驚いているけれども、素直にうれしい」と話した。続けて「ちょっと驚きすぎて笑う余裕がなくて、きょうまで1位で指名されるかの不安もあった。気持ちが楽になった」と、待つ間の胸の内も明かしている。
プロでの目標ははっきりしている。「1年目は新人王を取れるようにやっていきたい」と語り、将来像には、かつてオリックスのエースで現在はドジャースで投げる山本由伸の名前を挙げた。目指すのは日本一の投手だという。
新しい球団については「明るいチーム。個性的なチーム」と印象を口にした。本拠地の大阪には、まだ行ったことがない。「勉強するというか、自分で感じていく必要がある」と、慣れない土地での暮らしを見つめる。
故郷への思いも語った。同じパ・リーグの楽天は東北を本拠地にしており、弘前市のはるか夢球場で試合を開くことがある。角田は「成長している姿を見せたい。応援してくれている人の期待に応えられるように、日々頑張って、はるか夢で投げられたらなと思う」と、地元のマウンドに立つ日を思い描いた。
青森県関係の選手のドラフト1位は、2019年に青森山田高校から巨人へ進んだ堀田賢慎投手以来、7年ぶりになる。弘前で育ち、東奥義塾で腕を磨いた右腕の名前が、全国の野球ファンの前で1位として読み上げられた。
富士大の先輩・麦谷が待つオリックスへ
オリックスには、富士大の2学年上の先輩にあたる麦谷祐介外野手がいる。2024年のドラフト1位で入団した選手で、角田は「先輩がいるということで心強い」と話した。
富士大は近年、プロへ多くの選手を送り出している。2024年のドラフトでは、オリックス1位の麦谷をはじめ、広島2位の佐藤柳之介、ソフトバンク3位の安徳駿ら6人が指名された。角田にとって、プロは決して遠い世界ではなかった。今回はその流れに続き、富士大の後輩として1位でバトンを受け取った形だ。
北東北の大学リーグから全国、そして日本代表へと階段を上った右腕は、次は大阪で新人王を狙う。今後は球団との入団交渉に入る。
高校時代に甲子園の舞台を知らなかった弘前の投手が、プロ1年目でどこまで投げられるのか。母校の東奥義塾や地元・弘前の人たちも、その一歩を見守っている。
今年のドラフト候補の顔ぶれは、週刊ベースボールの増刊「2026ドラフト候補選手名鑑」にもまとめられている。
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[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]
















































































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