豊昇龍、横綱審議委員会の稽古総見で相撲取らず 右膝手術明けで秋場所の出場可否は未定

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横綱・豊昇龍(27)=立浪=が9月4日、横綱審議委員会の稽古総見に姿を見せたが、相撲は取らなかった。右膝手術明けで、横審の稽古総見を相撲なしで終えるのは本人にとって初めてだという。9月13日初日の秋場所への出場可否は、場所直前まで判断が持ち越される。
右膝にサポーター、相撲は取らず
稽古総見は横綱審議委員会が場所前に力士の稽古ぶりを検分する行事で、9月4日に東京・両国国技館で行われた。横審は日本相撲協会の諮問機関で、外部の有識者が横綱の品格や相撲内容を検分し、必要に応じて激励や注意といった議決を行う機関だ。対象は原則、幕内の前頭8枚目以上に限られる。
「師匠と話し合って、横綱だから顔を出すことにしました」という豊昇龍は、右ひざにサポーターを固定した状態で土俵に上がった。四股やすり足、ダンベルを使った上半身のトレーニングで汗を流し、小結・伯乃富士(23)=伊勢ケ浜=への助言にも回る。対戦形式の稽古には加わらず、関脇・熱海富士(24)=伊勢ケ浜=が胸を借りるぶつかり稽古で胸を出す役に徹した。相撲を1番も取らなかったのは、横審の稽古総見に出るようになって以来のことだ。大関・安青錦も相撲は取らず、高安、藤凌駕、欧勝馬、藤青雲の4人は稽古総見を欠席した。
2場所連続の途中休場と師匠の最後通告
豊昇龍が右ひざの状態を崩したのは、名古屋場所が初めてではない。横綱昇進から在位9場所、この間まだ優勝が一度もなく、名古屋場所の途中休場は在位中4度目を数えた。5月の夏場所は初日に右太もも裏を負傷し、2日目から休場している。
名古屋場所は休場明けで2連勝スタートを切ったが、6日目の伯乃富士戦で右ひざを痛め、10日目には関脇・安青錦にも敗れて4敗目。13日目までに7勝6敗まで持ち直しながら14日目からはまさかの再休場となり、その後の検査で右膝内側側副靭帯の損傷が判明、7月29日に靭帯修復手術を受けた。
手術を公表したのは8月19日で、入院は1週間に及び、8月の夏巡業も全休している。「痛みはあまりないけど、内側側副靭帯なので、内側に入れたら危ない」と、豊昇龍は患部の状態を説明した。師匠の立浪親方も、8月27日の水戸市での取材で危機感をあらわにする。「完璧にしてから場所に出ないと引退という声も出てくる」と明かし、「次に出て優勝でもしなければ厳しいぞ」と本人に伝えたという。この時点では秋場所出場を絶望的とみる報道もあった。
状況が動いたのは9月1日だ。豊昇龍はこの日から四股を再開し、回復ぶりは医師も驚くほどだったという。「筋肉もだいぶ落ちていた。戻さなくちゃいけない」と回復の実感を口にし、「日に日に良くなっているが、万全ではない」とも付け加えた。出場の可否については「ぎりぎりまで分からない」との言葉にとどめている。
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豊昇龍の本音、横審委員長の評価
稽古総見のあと、豊昇龍は報道陣を前に胸中を明かした。「相撲を取りたかったけど、医者にまだ取っちゃいけないと止められている」。医者の指示に従う理由を「僕はこれから先が長いんで」と語り、「ここでけがが悪化したら、もう終わりなので。だから、ちゃんと治していきたい」と続けた。無理を押しての出場には慎重な姿勢を崩さない。
横綱審議委員会の大島理森委員長(元衆院議長)は、豊昇龍について「姿を見せてくれて、ぶつかり稽古で胸を出してくれた」と評価した。「完全に治してやってください」と声をかけたといい、豊昇龍からは「少し良くなってきました」との返答があったという。通常通り稽古で相撲を取った横綱・大の里には「横綱は明確に相撲が取れている。期待したい」と述べ、対応の違いがにじんだ。
日本相撲協会の八角理事長からは「まだまだじゃない。この時期にできないようじゃ、難しいでしょう」と、厳しい声も上がる。
出場可否、判断は場所直前に
秋場所は9月13日初日、27日千秋楽までの15日間、両国国技館で開催予定だ。初日の取組は、両国国技館で場所直前に開かれる取組編成会議で決まる。豊昇龍自身は出場について「直前まで出るかどうか分からないんで。できるだけ出るように準備してますけれど」と話すにとどめた。
夏場所は2日目、名古屋場所は14日目からの休場で、もし秋場所も休場となれば3場所連続の休場となる。現在の横綱は豊昇龍と大の里の2人で、豊昇龍が休場すれば土俵に立つ横綱は大の里ただ1人だ。横綱の地位には出場への重い責任が伴う一方、けがを押した出場が状態の悪化を招くリスクも消えない。豊昇龍は横綱昇進以来まだ優勝がなく、師匠から復帰場所での結果を求められている事情も踏まえ、番付発表後の稽古の様子や取組編成会議の動向が今後の焦点だ。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]





































































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