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H3ロケット9号機、打ち上げ日を8月11日に再設定 気象条件が整わず1日後ろ倒しに

H3ロケット9号機、打ち上げ日を8月11日に再設定 気象条件が整わず1日後ろ倒しに

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JAXA(宇宙航空研究開発機構)は8月8日、種子島宇宙センターから打ち上げる予定のH3ロケット9号機について、打ち上げ日を8月10日から8月11日に再設定したと発表した。台風13号の影響で天候条件が整わない可能性があるための措置で、8月7日から数えて2度目の延期になる。9号機は準天頂衛星「みちびき」7号機を搭載しており、2025年12月のH3ロケット8号機打ち上げ失敗を受けて半年以上延期されてきた、H3にとって節目の打ち上げでもある。

台風13号の影響で2度目の延期、11日も条件整わない可能性

JAXAは8月8日、H3ロケット9号機の打ち上げ日を8月11日(火)午前4時00分から午前5時30分の時間帯に再設定したと発表した。打ち上げ場所は種子島宇宙センターの大型ロケット発射場だった。

9号機はもともと8月7日の打ち上げが予定されていたが、台風13号の接近に伴う天候悪化が見込まれたため、8月10日へ延期されていた。ところが10日当日も気象条件が整わなかったため、JAXAはさらに1日後ろ倒しして11日への再設定を決めた。JAXAは11日についても「打ち上げに必要な条件が整わない可能性が残る」としており、8月9日以降も最新の気象情報を確認しながら最終判断する方針だった。打ち上げ予備期間は8月12日から31日、9月3日から30日に設定されている。

半年以上前から延期が続いていた背景、8号機の打ち上げ失敗が影響

9号機の打ち上げは、今回の台風による延期が始まる前から、すでに長期間見送られてきた経緯があった。当初は2026年2月1日の打ち上げが予定されていたが、JAXAは1月7日、2025年12月22日に発生したH3ロケット8号機の打ち上げ失敗を受けて、原因究明と後続機への影響評価が終わるまで9号機の打ち上げを延期すると発表していた。

8号機は2025年12月22日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、準天頂衛星「みちびき」5号機を搭載していたが、2段目の飛行中に不具合が発生し、衛星を予定の軌道に投入できずに打ち上げは失敗に終わった。JAXAとロケットを開発した三菱重工業による調査の結果、失敗の原因は衛星を機体に固定するアダプター内部で製造時に生じていた剥離が、飛行中の衝撃で拡大したことだったと判明している。フェアリング(衛星カバー)分離の直後にあたる打ち上げ3分45秒後、2段機体上部の衛星搭載部が損傷したという。H3は2023年の初号機で打ち上げに失敗したのち、H-IIAの後継となる日本の新たな基幹ロケットとして飛行を重ねてきたが、8号機は初号機以来2度目の失敗だった。25年間で50機を打ち上げ、失敗は03年の1度のみという98%の成功率を残して役目を終えた先代のH-IIAと比べても、H3にとって重い一敗だった。

JAXAは理事長を本部長とする対策本部を設置し、外部の有識者や関係府省・機関・企業と連携しながら原因究明と対策の検討を進めた。文部科学省も別に対策本部を立ち上げ、調査を監督する体制を取っていた。2026年4月24日に中間報告を公表したのち、7月6日には宇宙開発利用部会の調査・安全小委員会に原因究明状況を報告、7月23日には同部会が報告書を決定し、7月30日には文部科学省の対策本部が「原因究明や対策案が技術的に妥当」と了承していた。9号機は、こうして半年以上をかけて積み上げられた検証プロセスの先に位置づけられる、8号機失敗後初めての打ち上げだった。JAXAは「実効性ある是正対策や再発防止策をしっかりと実施し、引き続きH3ロケットの確実な打上げに向けて取り組みを進める」としている。台風による2度の延期は、その節目の打ち上げがさらに天候というもう一つの不確定要素にさらされている形だった。

みちびき7号機の役割、7機体制にはあと一歩届かず

9号機に搭載される「みちびき」7号機は、内閣府が整備を進める準天頂衛星システム(QZSS)の測位衛星で、開発は三菱電機が担当した。みちびきは現在、初代から続く4機に2025年7月から運用が始まった6号機を加えた5機体制で運用されている。7号機の打ち上げが成功すれば6機体制になる見通しだが、8号機で失われた5号機の代役がない限り、政府が目指してきた7機体制には届かない状態が続く見込みだった。

7機体制は、日本の天頂付近にとどまる静止衛星1機と、アジア・オセアニア地域を8の字を描くように飛ぶ準天頂衛星6機の組み合わせで構成される計画だった。これが実現すると日本上空に常時4機の衛星が見える状態になり、GPSなど海外の測位衛星に頼らずにみちびきの信号だけで測位を続けられる「持続測位」が可能になるとされている。誤差が5メートルから10メートル程度あるGPSに対し、みちびきはセンチメートル級の高精度測位サービスも備えており、専用機器を使わない対応スマートフォンなどでも数メートルからおよそ1.6メートル程度まで位置情報の精度が向上する見込みだった。将来の11機体制では誤差1メートル程度まで高める構想もあるという。今回の9号機の成否は、こうした測位精度向上の実現時期にも直結する打ち上げだった。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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