東野圭吾さんの『永遠の記憶』が8月5日発売 7月23日に68歳で死去、ガリレオシリーズ最新長編

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作家・東野圭吾さんの新作長編『永遠の記憶』が8月5日、文藝春秋から発売された。物理学者・湯川学が謎を解くガリレオシリーズの11作目で、「ガリレオ、最後の謎」と銘打たれている。東野さんは7月23日に68歳で亡くなっており、事実上の遺作となった。
8月5日発売、296ページの「ガリレオ、最後の謎」
判型は四六判の上製カバー装で、296ページある。定価は2310円(本体2100円+税10%)。文藝春秋によると、ガリレオシリーズの累計発行部数は1660万部を超え、本作は単行本として11作目にあたる。
東野さんが息を引き取ったのは7月23日未明で、死因は大腸がんだった。訃報が伝わったのは4日後の7月27日。その時点で発売日はすでに決まっていた。8月5日午前0時に本を売り出すカウントダウン企画を文藝春秋が告知したのは、東野さんが亡くなる前日の7月22日だ。
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生前に企画が動き、本人不在のまま迎えた発売日。新作として準備された1冊が、遺作として書店に並ぶ。
内海薫が刺され、湯川と草薙が動く
物語は刑事の内海薫が刺されるところから始まる。犯人は70歳ほどの老人だった。飛び降り自殺を図って失敗し、取り調べでは黙秘を貫く。
やがて内海に恨みを抱く若い娘が捜査線上に浮かぶ。ところが娘と老人のつながりは分からない。文藝春秋の内容紹介によれば、内海への「本当の復讐」はまだ先にあり、娘は「究極の選択」を迫る。
一方で湯川と草薙は、老人の”ある持ち物”を手掛かりに「忘れてはいけない謎」の扉を開く。版元は「シリーズ最新、最高峰の謎がいま明かされる」と案内する。
では、湯川が長く語らずにきたものとは何か。
書評サイトのダ・ヴィンチWebは、湯川がこれまで口にしてこなかった過去の出来事が終盤で明かされ、それが老人の持ち物と結びつくと紹介している。
「燃える」から30年、累計1660万部のシリーズ
湯川学が初めて活字になったのは1996年にさかのぼる。月刊小説誌「オール讀物」の1996年11月号に短編「燃える」が載った。文藝春秋はこの掲載を「1996年10月」とし、2026年でちょうど30年になると説明する。
シリーズが広く読まれるきっかけになったのは、直木賞を受けた『容疑者Xの献身』。福山雅治さんが湯川を演じた2007年のフジテレビ系連続ドラマ「ガリレオ」は最高視聴率24.7%を記録し、劇場版3作の興行収入は合わせて112億円を超えた。いずれも文藝春秋が公表した数字で、小説の外側にまで読者が広がったことを示す。
単行本の前作は2021年9月刊行の『透明な螺旋』。湯川が主役の長編は約5年ぶりになる。
東野さんは2023年4月、著書100冊と国内累計発行部数1億部を同時に突破する。現在の作品数は106。41年の作家生活で書き上げた最後の1冊が、ガリレオだった。
歴代の担当編集者が語った東野さんの流儀
発売前夜の8月4日午後10時半、東京・紀伊國屋書店新宿本店でカウントダウンイベントが開かれた。日付が変わる午前0時ちょうどに本を手渡す段取りで、文藝春秋でシリーズを担当してきた歴代の編集者4人が壇上に並ぶ。
冒頭であいさつした秋月透馬さん(52)は、2007年から『聖女の救済』の連載を担当し、『沈黙のパレード』『透明な螺旋』の単行本を編集してきた。「東野さんは、日本中の読者に愛された作家だったと本当に心の底から実感しています」と切り出す。
「読者を驚かせることが何よりも大好きな作家でした。ですので、読者と本が出会う書店という場所をとても大切にしておられました。だからこそ、今日の日を心待ちにしておられたと思います」
秋月さんは、東野さんが口にしていた言葉も紹介した。「読者を驚かせるより、まず編集者から」。原稿を受け取る編集者を最初の読者として驚かせにかかる。それが東野さんの流儀だった。
1995年から東野作品を担当してきた花田朋子さん(60)は、『探偵ガリレオ』『秘密』『予知夢』『片想い』『容疑者Xの献身』を送り出してきた編集者だ。花田さんは『永遠の記憶』について「間違いなく伝説になるだろうと思います」と話した。
2019年から文庫を受け持ってきた中本克哉さん(47)は、『沈黙のパレード』『透明な螺旋』の文庫化に関わる。新作を「これは想像もつかないくらい遠くまで連れて行ってくださった作品」と評した。
『永遠の記憶』の担当編集を務めた内藤淳さんは、原稿が届いた日のことを振り返った。短編だと思って開いたところ、いつまで経っても読み終わらない。先が気になって席を立てず、気づけば2時間を超えていたという。「本当にすごい作品をいただきまして」
深夜0時に並んだファンと、11月まで続くキャンペーン
新宿本店に集まったのは、事前申込の先着50人。読売新聞によると、国内だけでなく中国や韓国から足を運んだ読者もいた。参加費は書籍代と手数料を含めて2600円で、ガリレオシリーズのオリジナルマグカップが付く。
日付が変わる瞬間、1冊ずつ本が手渡される。涙をこらえきれない人もいた。「本当にすごく楽しみです。早く読みたいなと思って」。別のファンは「すごく楽しみにしていた作品ということもあり、また最後の作品かもしれないという思いも込めて、すごく大切に読もうと思っています」と語った。
文藝春秋は刊行にあわせたキャンペーンを続けている。発売日には第3弾が始まった。本文から東野さんの記憶に残る1〜5行を読者が推理する企画で、締め切りは11月30日、当選発表は12月中旬。正解者にはバカラの刻銘入りグラスが贈られる(正解者が多い場合は「帝都大学」マグカップに変わることがある)。ほかにオリジナルトートバッグが10人、ボールペンとステッカーが50人に届く。
小説『殺人の門』を原作にした映画の公開も決まった。2027年2月19日の予定で、山﨑賢人さんと松下洸平さんがダブル主演を務める。佐藤浩市さん、江口のりこさん、浅田美代子さんらが脇を固め、メガホンを取るのは金井紘さんだ。7月13日にはティザービジュアルと特報映像が公開された。
「ガリレオ、最後の謎」といううたい文句のとおり、湯川学の新しい物語はこの1冊で終わる。1996年の「燃える」から30年。書店に並んだ296ページを、読者がいま開く。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]































































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